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イン・ザ・メガチャーチ の商品レビュー

4.5

573件のお客様レビュー

  1. 5つ

    311

  2. 4つ

    164

  3. 3つ

    46

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2025/11/22
  • ネタバレ

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めちゃくちゃ良かった。朝井リョウさんの言語化能力、切り取り方、そして物語への入れ方が好きです。ファンダム経済、物語。これらのキーワードに惹かれて読み始めましたが、生殖記が進化論なら今回は幸福論がテーマな気がしました。そして、「みんな自分を使い切りたがっている。」ということまさにその通りだなと。物語はファンダムを作るもの、ファンダムに入るもの、ファンダムに入っていたものの3人からの視点で進んでいく。その中でファンダムに入る=視野を狭めるということだと感じた。視野を拡げることが少し高尚とされる風潮があるが、視野を拡げるだけでは幸福は得られないし、狭めすぎていては一時的な幸福しか得られない。ここのバランスが大切だなと感じた。「幸せは人それぞれ」この言葉は本質的にはその通りだが、そんなものは何の指針にもならない。今は情報が開かれ、特に日本は宗教で縛られることもない島国なので自由である。あまりにも自由すぎる。そのため、自分で生きる指針を選択し、幸せを掴まなければならない。その選択はどれも不正解でどれも正解。それは何を優先して何を諦めるかが大切な気がする。視野を拡げたり、狭めたりしながらそして定期的に見直しながら生きていきたい。結局はバランスと結論付けている時点で正解は分からない。

Posted byブクログ

2025/11/22

なぜ、オーディション番組出身でデビューしたてのグループがチャートの1位を取れるのか?ともかくこの本を読んで納得。 仕掛ける側と仕掛けられる側の物語、それぞれの人生が時々交錯していく。両サイドの物語を書くという構成がおもしろくて一気読み。 取材もかなり深くして執筆したことが伺える。...

なぜ、オーディション番組出身でデビューしたてのグループがチャートの1位を取れるのか?ともかくこの本を読んで納得。 仕掛ける側と仕掛けられる側の物語、それぞれの人生が時々交錯していく。両サイドの物語を書くという構成がおもしろくて一気読み。 取材もかなり深くして執筆したことが伺える。ノンフィクションのような物語だった。

Posted byブクログ

2025/11/22

読むのにエネルギー使ったけど途中からもう一気読み 読了後2日ほど経つけどまだ余韻に浸り中 推し活やら陰謀論やら男性間の友人関係やらもう今っぽさ全開だけど嫌らしくなくて展開も綺麗で面白かったー! 中年男性のコミュニティについては最近ラジオでも話題になっていたし、役割を与えられるこ...

読むのにエネルギー使ったけど途中からもう一気読み 読了後2日ほど経つけどまだ余韻に浸り中 推し活やら陰謀論やら男性間の友人関係やらもう今っぽさ全開だけど嫌らしくなくて展開も綺麗で面白かったー! 中年男性のコミュニティについては最近ラジオでも話題になっていたし、役割を与えられることが生きがいになる人が多いから、震災後のケアでもそういったアプローチをしていた話も聞いたことがある。 中性化なんてもはや使い古された感もある言葉だけど、男性はいろいろ難しいところがあるんだな…と。 余白を埋めるための推し活とは思わないけど、視野狭窄されて没入しているうちは幸せだよね…正解はわからん

Posted byブクログ

2025/11/21
  • ネタバレ

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こんなに現代感を組み込んだ小説が書けるのか。生活していてなんとなくモヤモヤと心に漂っている澱みのようなものを、ズバズバと言語化してくれる。その切れ味の良さが心地いい。 現代社会をこんなに斬りつつ、小説として面白いのがすごい。MBTI、骨格診断、パーソナルカラー、推し活、非正規雇用、陰謀論…。登場人物のことを、うわあ…そっちいったらヤバいって、と思うものの、じゃあどうするのが正解なのか?どうしたら良かったのか?はわからないと思った。厳しい環境にいる自分を楽にしてくれる方向に進んで行ったら、破滅していった…ように見えるけど、本人は幸せなのかもしれない。 しかし、生きづらい時代、厳しい時代というような言葉が何度も出てくるが、ヒトにとって生きやすい時代ってこれまであったのかな?現代のようなストレスがない時代には、生き延びることこそが大変っていうストレスがあったんだろうし。ヒトはずっと生きづらい時代を生きてきたのかも。 "最初から目の前の大切な人に対して自分を使い切るべきだった。"という文章が心に残った。そうすれば別の幸せがあったのかもしれない。

Posted byブクログ

2025/11/21
  • ネタバレ

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今年一番面白かったかも ファンダムを中心としたストーリーそれぞれの第二章よ畳み掛けとか展開とか凄かった 人は孤独に弱い 最近、読んだ陰謀論にハマる人の話とかも随所にあって、心が弱ってるときにコミュニティあると安心するよなと尚且つ価値観が1つ出ない分、正解なくて迷うのもわかる あとはエッセイで書いてたこともチラホラある感じで読むのは今がベストだった いやー面白かった

Posted byブクログ

2025/11/25

⚫︎受け取ったメッセージ なんにせよ、人は物語が大好きで、この物語もまた、私を熱狂させ、没入させ、視野狭窄にさせられ、朝井ファンにさせることに成功している。全世代におすすめしたい。 ⚫︎本概要より転載 沈みゆく列島で、“界隈”は沸騰する――。 あるアイドルグループの運営に参画す...

⚫︎受け取ったメッセージ なんにせよ、人は物語が大好きで、この物語もまた、私を熱狂させ、没入させ、視野狭窄にさせられ、朝井ファンにさせることに成功している。全世代におすすめしたい。 ⚫︎本概要より転載 沈みゆく列島で、“界隈”は沸騰する――。 あるアイドルグループの運営に参画することになった、家族と離れて暮らす男。内向的で繊細な気質ゆえ積み重なる心労を癒やしたい大学生。仲間と楽しく舞台俳優を応援していたが、とある報道で状況が一変する女。ファンダム経済を仕掛ける側、のめり込む側、かつてのめり込んでいた側――世代も立場も異なる3つの視点から、人の心を動かす“物語”の功罪を炙り出す。 「神がいないこの国で人を操るには、“物語”を使うのが一番いいんですよ」 ⚫︎感想 ファンダム経済・“推し”文化の構造→ 「推す側」「支える側」「運営する側」という三者の視点から“物語”が人をどう動かすか、どう消費されるかを描いている。 ひとくちにファンと言ってもいろんなタイプがあり、「信者系」の1万人をターゲットにして「自分をつかいきらせて」あげるための物語を紡ぐ運営、推す側の視野狭窄の熱狂、その熱狂が冷めてもまた別の形の熱狂…多かれ少なかれ、だれにでも共感できる部分があり、人間ってつくづく生きるのが大変だな…と思わされた。 運営側は何も心が動かない、動かしたら負け=つまらない、熱狂させられる側は視野狭窄、熱狂から冷めてもまた別の熱狂。 「なんであのときあんなものにあんなに気持ちを奪われてたんだろう」みたいなことってたくさんあるけど、そのときそのときは没入しててすごく楽しいわけで…。 「応援」ってなんだろうと思ったとき、それは「自分では叶えられない何かを自分以外の対象に託す」と考えていいと思う。勝手に自分と重ね合わせて境界が曖昧な状態。人間にはそれが気持ちいい状態であると組み込まれているのだろう。 「自分を使い切らせてあげている」運営側も同時に「使い切らせるには?」という課題に自分を使い切っている。人間はどこまでいっても共依存から逃れられない生き物だと思い知らされる。 表紙の装丁のゴールドの花の模様は、本文にも出てくるあの花。

Posted byブクログ

2025/11/21
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本書にある『現代は正解のない時代で、人生を充実させるには、正解の物語を見つけるのではなく、いずれかの物語を本気で信じるしかない。』という趣旨が印象に残った。 確かに現代は、ネット上の膨大な真偽不明の情報に誰もがアクセスでき、選べる物語は無数にあるが、実は正解の物語なんて過去にもなかったのではないか。 宗教を契機とした戦争や共産主義・全体主義など、人が物語を信じて暴走した例は歴史上いくらでもある。 人はコミュニティに属したがり、コミュニティは価値観・物語を共有することで形成されるとすれば、普遍的に、人はなにかの物語を信じないでは生きていけないのかもしれない。

Posted byブクログ

2025/11/20
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相変わらず、今の私の心を読んだのかと思うくらい、、、さすが朝井リョウ どんな感動的なストーリーよりも泣けてしまうんじゃないかな 「物語」に感情移入して、視野が狭まって、没入してしまうというこのお話の核の通り、読んでいて自然と視野が狭まっていて、久保田の行動に何の違和感も持たなかったし、なんなら勇気をもらっていたよ 40代独身男性ではないのにこんなに孤独を抱えてる私、本当にコミュニティに依存してしまうことに気をつけなきゃと身が引き締まる思い 私自身は久保田に自己投影していたし、隈川絢子には母を投影していたよ 道哉の、自分を変えるために久保田のみでなく周りのスタッフとコミュニケーションを取るようにしていたというその行動に対して、自分自身との関係性を築いてくれていると勘違いしていた姿が、本当に自分で自分で、、、でも他人と関わっていく上で、そういうすれ違いと、それによる傷は引き受けていかなきゃいけないのかな 間違うこともあるけど、そうしないとただ間違わなかった人生を歩んだだけの人になる、とあったけど、私はこの先も正しい間違い方を探してしまうと思う そして無自覚にどうしようも無い間違いを犯してしまうと思う、そしてまた孤独に喘ぐと思う と、ここまで色々考えさせられて面白かった! 読んでいる間、この本を読んで欲しい!と色んな人の姿が頭に浮かんだ

Posted byブクログ

2025/11/20

中盤辺りから、朝井さんの筆力に引っ張られるように一気にエンディングまで駆け抜けました。それは、自分にも身に覚えのあること~例えば、好きな俳優やミュージシャンへのファン意識に駆り立てられた行動~が、本作の話とあながち遠いことではないと気付いたからかもしれません。 また、ファンダム経...

中盤辺りから、朝井さんの筆力に引っ張られるように一気にエンディングまで駆け抜けました。それは、自分にも身に覚えのあること~例えば、好きな俳優やミュージシャンへのファン意識に駆り立てられた行動~が、本作の話とあながち遠いことではないと気付いたからかもしれません。 また、ファンダム経済を仕組んでいく側の話を読むにつれて「踊らされていた自分」も再認識したわけですが、それでも好きな俳優の映画や好きなミュージシャンの楽曲に酔いしれているときの幸福感は「本物」だったと思うんですよね。そこに人生のすべてを注ぎ込むところまではいきませんでしたが。

Posted byブクログ

2025/11/20

初めて朝井リョウの小説読んだ。『正欲』も『生殖』も気にはなっているんだけど……。 分析して、言語化するのが好きなのかな。とことん生態分析してみたいという欲を感じた。 共感できるペルソナがあったからこそ、共感できないペルソナが気になっちゃったな〜。 全体的に読み応えがあって面白かっ...

初めて朝井リョウの小説読んだ。『正欲』も『生殖』も気にはなっているんだけど……。 分析して、言語化するのが好きなのかな。とことん生態分析してみたいという欲を感じた。 共感できるペルソナがあったからこそ、共感できないペルソナが気になっちゃったな〜。 全体的に読み応えがあって面白かった!!

Posted byブクログ