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13月のカレンダー の商品レビュー

4.6

45件のお客様レビュー

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2025/11/29

原爆被害の記憶和田しっかり今に位置づけるとともに骨太の再生の物語に仕上げた作品だ。読後感も素晴らしい。しっかりと自分と家族と戦争に向き合った主人公の格闘に○。

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2025/11/23

妄想の中でも「人の生き死にに関わることは」 変えられなかったのに… 生きていれば奇跡は起こるのかもしれない! 今、生きている それは、奇跡の繋がりだった

Posted byブクログ

2025/11/11

 皆さんが読んでいたこの作品、やっとレビュー投稿できます。一言で言うのであれば、読んでよかった!です。読むべき作品でした。  主人公は勤めていたバイオ企業を辞職した侑平、父方の祖父母が亡くなりその実家を売却すると父からの連絡を受けて、愛媛県松山市にある空き家を訪れていた。そこで...

 皆さんが読んでいたこの作品、やっとレビュー投稿できます。一言で言うのであれば、読んでよかった!です。読むべき作品でした。  主人公は勤めていたバイオ企業を辞職した侑平、父方の祖父母が亡くなりその実家を売却すると父からの連絡を受けて、愛媛県松山市にある空き家を訪れていた。そこで見つけた13月まであるカレンダー、祖父が祖母の病状を綴ったノートには、祖母の寿賀子が「13月はあったのよ」と遺していた…。生前の祖母のことを関係者に訪ね歩く内に、祖母の兄は原爆の犠牲になっていたことを知り…。  1945年8月6日広島に原子爆弾が投下され、多くの方が犠牲になりました。生き残った方も被爆者であることで偏見の目に晒され、差別されてきました。本当に理不尽でやり場のない気持ちになりましたが、小説として読んだのは初めてだったかもしれません…。  13月までのカレンダーは祖父の祖母への愛の形、そして周りの人を幸せにするものでした。

Posted byブクログ

2025/11/04

修学旅行で広島に行き、リニューアル前の原爆資料館を訪れて、しばらく怖くて寝付けない夜が続いたことを思い出した。 戦争や原爆についてはなんとなく知っていたけど、それが現実に自分の国で起こったことなんだと実感してのは、多分あれが初めてのことだったはず。 語り部の方のお話を今でもしっか...

修学旅行で広島に行き、リニューアル前の原爆資料館を訪れて、しばらく怖くて寝付けない夜が続いたことを思い出した。 戦争や原爆についてはなんとなく知っていたけど、それが現実に自分の国で起こったことなんだと実感してのは、多分あれが初めてのことだったはず。 語り部の方のお話を今でもしっかりと覚えている。 主人公の侑平は祖父の家じまいを託されたことをきっかけに、祖母が広島出身であることを知る。自分のルーツを遡っていく中で、リアルな戦争体験を知ることに。 これからどんどん難しくなっていくだろうけど、体験談を聞くことは大切なことだとつくづく思う。 日本被団協団体理事の松浦さんの言葉「被爆者の語り部活動に匹敵するほどの小説です」の通り、こうやって小説を通じて知ることも大事だなと。 8月にたくさんのフォロワーさんが戦争関係のものを読まれている中、つい避けていたことを反省。

Posted byブクログ

2025/11/03

宇佐美まことさんは、本当に素晴らしいストーリーテラーだな、とつくづく思います。映画を一本観終わったようなそんな感覚にさせてくれます。 両親の離婚後、会わなくなった祖父母。仕事がうまくいかず退職したばかりの29歳の侑平は、今は亡き祖父母の家を処分する前に見ておこうと松山へ赴く。 そ...

宇佐美まことさんは、本当に素晴らしいストーリーテラーだな、とつくづく思います。映画を一本観終わったようなそんな感覚にさせてくれます。 両親の離婚後、会わなくなった祖父母。仕事がうまくいかず退職したばかりの29歳の侑平は、今は亡き祖父母の家を処分する前に見ておこうと松山へ赴く。 その家で見たのは、祖父が祖母を看病していた時の日記と13月まであるカレンダー。自分のルーツを探っていくうちに、広島の原爆投下の日に導かれていく侑平。 8月6日にどんなことがあったのか、目を背けたくなるような描写が続きます。そして、それから何年も経っても被爆者は差別の目で見られていたこと。同じ日本人でありながら。家族であったとしても。 私自身、高校の修学旅行が広島だったのですが、班ごとに現地で調べるテーマに原爆のことを選んだ班は一つもありませんでした。でも語り部の方の話を聞く時間もあり、その話を聞いた後、感想を聞かれたクラスメイトの「なぜ原爆のことを調べようと思わなかったのか‥‥」という後悔の言葉が忘れられませんでした。 現地に行く、当事者から話を聞くということはとても大切なことですね。教科書だけでは分からない温度が感じられます。 そして、自分のルーツに関わる祖父母や両親の話もたくさん聞いておくべきだな、とも思った一冊でした。

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2025/11/01

「原子爆弾が投下されて、十四万人もの命が失われた」という数字では到底表せない、一人一人の物語に想いを馳せる。 それぞれに名前があり、それぞれが悲惨な最期を迎えた事実に胸が締め付けられる。 私の祖母も被爆2日目に広島市内に姉妹を探しに行った“入市被爆者“だったけど、生きている間に原...

「原子爆弾が投下されて、十四万人もの命が失われた」という数字では到底表せない、一人一人の物語に想いを馳せる。 それぞれに名前があり、それぞれが悲惨な最期を迎えた事実に胸が締め付けられる。 私の祖母も被爆2日目に広島市内に姉妹を探しに行った“入市被爆者“だったけど、生きている間に原爆の話を聞くことはついぞなかった。 被爆者への差別や無理解は凄まじく、人間の弱さ、醜さを思い知る術となる。 テーマは重く、原爆の悲惨さを知ることのなかった人が読む分には良作なんだろうけど、13月にまつわるファンタジー要素や最後の奇跡的な部分が私にはちょっとはまらなかったのが残念。

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2025/10/30

侑平は15年ぶりに訪れた愛媛県松山市の祖父母の家で、祖母の闘病生活を綴ったノートと13月まであるカレンダーを見つけた。祖母が広島出身であったことを知り自分のルーツを辿っていく。 原爆を投下された時の広島とそこにいた人々がものすごくリアルに描かれていて読んでいて辛くなった。原爆の...

侑平は15年ぶりに訪れた愛媛県松山市の祖父母の家で、祖母の闘病生活を綴ったノートと13月まであるカレンダーを見つけた。祖母が広島出身であったことを知り自分のルーツを辿っていく。 原爆を投下された時の広島とそこにいた人々がものすごくリアルに描かれていて読んでいて辛くなった。原爆の後遺症だけでなく、世代を超えて偏見と差別に苦しめられるていることにも。 祖父の祖母を想う気持ちと寿賀子の兄の優しさが13月のカレンダーという奇跡を生んだ。 「13月はあったのよ」 「きっと奇跡が起こるよ」 侑平の再生の物語でもあったと思う。

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2025/10/21

研究者としての道でなにかあって仕事をやめたらしい侑平は両親の離婚で疎遠になったが大好きだった祖父母の家に行くことになった。祖父母は他界しており、自分の仕事での過ちと、祖父母への疎遠になってしまったことへの後悔が混ざるように祖父母のルーツを探していく。そして知る、個人として見た、被...

研究者としての道でなにかあって仕事をやめたらしい侑平は両親の離婚で疎遠になったが大好きだった祖父母の家に行くことになった。祖父母は他界しており、自分の仕事での過ちと、祖父母への疎遠になってしまったことへの後悔が混ざるように祖父母のルーツを探していく。そして知る、個人として見た、被曝した経験の悲惨さ。人生への影響。祖父母と関わりのある人たちの話を聞いた侑平は、自らの悔恨を見つめ直す。そして、奇蹟が起こる。 丹念に綴られる戦争の悲惨さが共感を持って感じられ、また、被害者であるのに、悪者のような扱いを受けるという継続的な二次被害の辛さも伝わってきた。タイトルにもなっている13月に起こった奇蹟がいまいち心に沁みなかったのが(個人的な感想です)残念だったけど、とても良い読書でした。 小学生でも大丈夫な内容ではありますが、人間関係の機微がちょっと経験必要かと思いました。高校以上くらいからが向いていると思います。

Posted byブクログ

2025/10/20

戦争を経験した祖母の悲しい記憶を辿る中で、最終的には祖母がタイムリープした結果、別の少年の命を助けていたという奇跡を主人公が知る。 悲しい話の中に救いがある。ファンタジー要素も少し。 戦争当時の状況も知る事ができた。

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2025/10/19

当たり前の日々を突然壊す戦争。不条理な差別と次世代にも渡る偏見と苦悩。閉ざすのではなく、対話をしなければ、前には進めない。 文体なのか流れなのか、この著者の作品は本当に読みやすい。簡単という意味ではなく、抵抗なく風のように頭に入ってくる感じ。心地よい読書時間になった。 ただ、...

当たり前の日々を突然壊す戦争。不条理な差別と次世代にも渡る偏見と苦悩。閉ざすのではなく、対話をしなければ、前には進めない。 文体なのか流れなのか、この著者の作品は本当に読みやすい。簡単という意味ではなく、抵抗なく風のように頭に入ってくる感じ。心地よい読書時間になった。 ただ、不完全燃焼な箇所があってモヤモヤ。あの口癖はなんだったのか。それも含めてのキセキ? カレンダー…経緯は分かる。キセキとしてあの日を示すには長い気もする。私の解釈がまだまだ未熟なのだろう。また読みたい。

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