山に抱かれた家 迷い道 の商品レビュー
こちらも読み始めてから気づいたのですが、続き物の小説の6作目にあたるものだったようです。 しかし、「とことん山で暮らす」ってたぶんこんな感じなんだろうなぁ〜、と思わせてくれるほど、日々の暮らしの苦労、大変さ、その中で出会う喜びなど、身に迫るように感じることができました。
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※このレビューにはネタバレを含みます
読み終えて、ふと表紙を見てみると、文哉と凪子が描かれていた。坂を下りていく凪子と振り返った後、坂を上ろうとしている文哉。象徴的な一場面が描かれていた。 文哉は、ずんずん前に進んでいく。本人は否定しても、迷いつつその場に佇んでいる凪子には眩しく取り残されている感があったのではないか。身の危険を心配され、行動も制限され、内に向かうしかなかった凪子。 凪子が以前の場所に戻り、文哉と同じように寂しさが募った。でも、文哉は凄いなあ。自分で決めた生活だから、泣いてもへこたれない。ついに自分で風呂を作りあげる。 「自分は今、幸せだ。」と。 文哉がどんどん遠くなる。親近感や憧れよりも、違う感情が芽生えてくる。文哉が書いた凪子への手紙が凪子にどう届くのか。凪子が自立の手がかりを見つければ関係はまた好転するのか。凪子の心の方が気になってしまう。 続編に期待。
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初読みの作家さんなのにこんなにも響いたのは、たぶん登山を趣味としているからだろう。作中に出て来る花や植物、山容は馴染み深くて想像できた。読み終えて、本書は続編で前に『山に抱かれた家』があるのを知り、登場人物が分かりにくかったのもそいう言う事だったからと得心がいった。 文哉が縁もゆ...
初読みの作家さんなのにこんなにも響いたのは、たぶん登山を趣味としているからだろう。作中に出て来る花や植物、山容は馴染み深くて想像できた。読み終えて、本書は続編で前に『山に抱かれた家』があるのを知り、登場人物が分かりにくかったのもそいう言う事だったからと得心がいった。 文哉が縁もゆかりもない土地、限界集落の旧い家屋に住み、休耕地だった畑に手を入れ、模索する日々は尊い。若い頃から農薬に疑問を感じ無農薬野菜を中心に食べて来たので、共感できる部分が多かった。私の場合は自ら畑を耕さずに購入して食べるだけだから、文哉の熱意と行動力には感服するしかない。封建的な集落でクラフト作家の凪子との共同生活に踏み切るのも! いや、山奥だからこそできる業(わざ)なのか。 文哉は住人のやって来た慣行農法を学んだ上で、独自の方法で梅を中心に農作物を作るこだわりや工夫をしていく。その真摯な姿勢に応援している自分がいた。 梅バア、イト、市蔵、菊次郎、古道具屋のチカさんらのキャラで現実味が帯びている。農作物を荒らすイノシシやシカなどを排除するために狩猟免許を取り、仕掛けた罠にニホンカモシカが掛かった。ニホンカモシカは特別天然記念物なので違法にあたり緊張が漲る。文哉はそのシカを”死神”と呼んで対峙して罠から外す。これからも登場するだろうと匂わせるシカとの出会いも楽しみ!
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はらださんが実際に体験したであろう山での生活がとてもリアルで 一筋縄ではいかない生活がひしひしと伝わる イノシシが夜部屋のすぐそばまで来たり カモシカが罠にかかってしまぅたり 野菜を荒らされたり マダニにかまれたり… お風呂を沸かすのに3時間半はなかなか大変だろうが、入った時...
はらださんが実際に体験したであろう山での生活がとてもリアルで 一筋縄ではいかない生活がひしひしと伝わる イノシシが夜部屋のすぐそばまで来たり カモシカが罠にかかってしまぅたり 野菜を荒らされたり マダニにかまれたり… お風呂を沸かすのに3時間半はなかなか大変だろうが、入った時の気持ちよさはそれができた人しか感じられないだろう
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文哉と凪子との山での生活が始まる。 山の獣による獣害や、稼ぐということの難しさ 連載が始まったなかりの頃の文哉とは、すっかり変わって同一人物とは思えない印象 一方の凪子は山での生活に馴染めず、文哉との距離が開いてしまう。結局、千葉の家に戻り、1人になる文哉 物事は上手くいかないこ...
文哉と凪子との山での生活が始まる。 山の獣による獣害や、稼ぐということの難しさ 連載が始まったなかりの頃の文哉とは、すっかり変わって同一人物とは思えない印象 一方の凪子は山での生活に馴染めず、文哉との距離が開いてしまう。結局、千葉の家に戻り、1人になる文哉 物事は上手くいかないことの連続だけど、史哉の作る人間関係は厳しい人が多いなと思う一方で、だからこそ忖度なしで入っていけるのかなと羨ましい一面も感じる。 今後の文哉と凪子の関係も気になるなぁ
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文哉と凪子が群馬の山奥で共同生活を始める。二人で一軒家の屋根を青に塗りその思いは南房総の海に馳せるものだったのだと感じた。文哉は凪子にそれなりに気を使っていたが、やはりズレが生じていく。梅畑、野菜畑、狩猟免許取得と文哉は苦悩するが、地元の人の暖かい援助もあり一年を過ごす。凪子も南...
文哉と凪子が群馬の山奥で共同生活を始める。二人で一軒家の屋根を青に塗りその思いは南房総の海に馳せるものだったのだと感じた。文哉は凪子にそれなりに気を使っていたが、やはりズレが生じていく。梅畑、野菜畑、狩猟免許取得と文哉は苦悩するが、地元の人の暖かい援助もあり一年を過ごす。凪子も南房総で自分のクラフト製作を求め自分の生き方ん見出だすのだろう。現実的には文哉は現金収入がほとんどなく、自給自足の生活であるが「自分で工夫して生きていくから楽しいのに、その一番楽しい部分を多くの人は放棄している」と理想としては共感。
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お風呂は毎日入りたいし、トイレは水洗がいい、家の中もある程度は清潔を保ちたい。飯は野菜中心でもいいけど草は厳しいそうなどなど考えてしまうと田舎で自給自足はかなりハードルが高いなあと感じた。 不器用な生き方にじれじれしてしまう部分もあるけど、続きは楽しみにしている。
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シリーズ6作目。 山に来てから、ちょっと物語に入り込めなくなってきたなぁ。文哉の山暮らしへの思いに反して、ちょっと空回りしてる感じがしんどいのかも。 梅の栽培もうまくいかない、トイレやお風呂問題も起こり、野生動物が家の周りをうろうろ… 人里離れた山暮らしが大変なことはわかるけど、...
シリーズ6作目。 山に来てから、ちょっと物語に入り込めなくなってきたなぁ。文哉の山暮らしへの思いに反して、ちょっと空回りしてる感じがしんどいのかも。 梅の栽培もうまくいかない、トイレやお風呂問題も起こり、野生動物が家の周りをうろうろ… 人里離れた山暮らしが大変なことはわかるけど、これは凪子が色々考えてしまうのも納得。 これからどういう展開になっていくのか? 迷い道から抜け出すところが早く読みたい。
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※このレビューにはネタバレを含みます
山シリーズもとっても面白い。最初はネガティブ思考になりがちだった文哉くんも、自分自身の考えで前に進み出す。悲しいことをバネに人との繋がりを大事にしながらものすごい成長を遂げてたくましくなってゆく。まさに迷い道。選択のむずかしさも本作の読みどころだったように思う。凪子ちゃんとはこのままになってしまうのだろうか。カモシカは今後登場してくるような気がしている。 お風呂の温かさでほっこりのラストは最高。
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読んじゃうんだけど、そう一気読みするくらいに読んじゃうんだけど。 だんだん巻を重ねるにつれ、一体この人はどこに向かっているのだろうかという疑問が沸々と湧き上がってしまう。 ラストがお風呂だから余計に? 薪を焚べて3時間半かけて風呂を沸かす。 できることならやってみたいけど、あなた...
読んじゃうんだけど、そう一気読みするくらいに読んじゃうんだけど。 だんだん巻を重ねるにつれ、一体この人はどこに向かっているのだろうかという疑問が沸々と湧き上がってしまう。 ラストがお風呂だから余計に? 薪を焚べて3時間半かけて風呂を沸かす。 できることならやってみたいけど、あなた独身だからできるのよねって思ってしまった。 あぁ、今日はちょっとひねくれてるな。 せっかく凪子と暮らし始めたのに凪子が何を思って出て行ってしまったのかも何も分からないし。 あんな家だし収入だってほとんどないし、そりゃ自分のことだけで精一杯よねとも思うけど、あんな縛りつけるみたいなことしたらダメよ。 心配なのかもしれないけどさー。 なんかこの巻はお前どうした!?みたいなツッコミどころ満載で。 次巻に期待しよう。
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