八月の母 の商品レビュー
依存、ネグレクト、暴力… そして最悪な男達! しかし健次と一翔の男達もいる そして断ち切れた陽向 「こんにちは、秋元一翔です。五歳です。」 この言葉で読んでて救わられた
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アルプス席の母、問題の2作がとても面白かったので、こちらも気になって読みました。早見さんの文章は読みやすく、私は好き。…ですが、こちらの作品は、とにかく暗く重い雰囲気で、エピローグまでずっと苦しかった。 個人的な好みだけど、苦しい読書は苦手だなと。
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母性という狂気。 女性は産まれながらにして自分の子どもを守り育てようとする本能的母性を備えているというが、決して誰にでもあるわけではない。 娘として生きるか、母として生きるか。 子を授かった時、その二択に迫られる。 そのことに自覚させられる物語だった。 狂気という毒はその血をめ...
母性という狂気。 女性は産まれながらにして自分の子どもを守り育てようとする本能的母性を備えているというが、決して誰にでもあるわけではない。 娘として生きるか、母として生きるか。 子を授かった時、その二択に迫られる。 そのことに自覚させられる物語だった。 狂気という毒はその血をめぐって、脈々と受け継がれていき、毒性は血を受け継ぐたびに段々と強まっていっている。 話の中で、毒から逃れる方法は人生の岐路でいくつかあるのだが、それは自分で選び取らなければいけなかった。 もし母についていかなければ。もし電話をかけなければ。もし声をかけなければ。もし母とまともに向き合っていれば。 たくさんのもしもをどうしても掴み取れなくて、最悪の事件へと繋がってしまった。 忌まわしい事件は過激すぎて思いがけず涙腺が緩んでしまい、涙なしでは読めなかった。 血は繋がっていなくとも、産んでいなくとも、守りたい強さを母性を得た少女に涙が止まらなかった。 母と娘は精神的なへその緒でつながったままであると私は思う。 その繋がりを呪縛と捉えるならば、どんなに母から手綱のように引かれたとしても断ち切らなければいけない。 許すも許さないも自分自身で選び取っていい。 母のエリカという花を照らすために産まれてきた娘の陽向。 母になる陽向が照らしたい産まれてくる娘の明日花。 1人の女性が娘になるか、母になるか。 生きる道を必死で選び取る物語だった。
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最後まで読み進めるのが苦しかった。一方どんどん引き込まれていきあっという間に読み終えた。この本を私にシェアしてくれたのは実は初めての妊娠中の私の娘。どんな思いで最後まで読んだのかと思うとさらにいろいろ考えてしまった。最後に陽向ちゃんが母親のエリカさんときちんとお別れできたところが...
最後まで読み進めるのが苦しかった。一方どんどん引き込まれていきあっという間に読み終えた。この本を私にシェアしてくれたのは実は初めての妊娠中の私の娘。どんな思いで最後まで読んだのかと思うとさらにいろいろ考えてしまった。最後に陽向ちゃんが母親のエリカさんときちんとお別れできたところが唯一の救い。 解説を読みこれが実際に起こった事件をもとに小説化されたフィクションだと知り小説に仕上げた作者の苦しみも想像するにあまりある。 とても苦しい悲しい小説だけど読んでよかった。
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途中で何度も読むのを止めようかと思った。救いのないスパイラルに囚われてしまいそうで、しんどかった。 ただ、関わってきた人たちがどうなったのか、彼女たちに救いはあるのか、どうしても気になり最後まで読まされてしまった感覚です。 特に終盤は一気に読み切り、重ねて当時の事件の記事も...
途中で何度も読むのを止めようかと思った。救いのないスパイラルに囚われてしまいそうで、しんどかった。 ただ、関わってきた人たちがどうなったのか、彼女たちに救いはあるのか、どうしても気になり最後まで読まされてしまった感覚です。 特に終盤は一気に読み切り、重ねて当時の事件の記事も読み、重くのしかかる辛い文章でした。 最後に、スパイラルをたち切り、微かに見える希望で、ほんの少しだけ救われるのか、でもやり切れない。 途中までは⭐️2つの感覚だったが、読み切った時には印象が変わっていました。しんどさはお腹の底にずっと残り続けるでしょう。
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気分が悪くなる 日本に格差は確かにある その格差のリアルが描かれている 逃れられないのは 苦しさではなく ぬるま湯の楽さ その楽さに絡め取られるようで読んでいて苦しくなる
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重い。重いテーマ。だけど、読んで良かったと思う。 解説で、これは実際に起こった事件を基に書かれていることを知り、さらに重みが増した。 母親とは何なのか。母性とは何なのか。気合いを入れて読み初めれば、先が気になって仕方ない作品。
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『イノセント・デイズ』を超える重たさ… 読むのが辛い物語でした。 キーワードは『母性』『連鎖』。母親の影響でこんなに人生が変わるのかと思うと、ほぼ子育てが終わった私でもズシンときます。 苦しいけど読んでよかった。
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重い。 母娘の話。 アルプス席の母を書いた作家? すごい作家さんです。 イノセントデイズの衝撃 8月の母の波動。 この2作で心はズタズタ。 さて、エリカ、美智子 そんな悪母を描き感想もあるけど、やはり男が悪いよな。 とくに、陽向の父である七森博司。 結局、元カノへ戻った。 また...
重い。 母娘の話。 アルプス席の母を書いた作家? すごい作家さんです。 イノセントデイズの衝撃 8月の母の波動。 この2作で心はズタズタ。 さて、エリカ、美智子 そんな悪母を描き感想もあるけど、やはり男が悪いよな。 とくに、陽向の父である七森博司。 結局、元カノへ戻った。 またレオ、アイカとも父が違う? やはり男が悪いと。
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こういった、母と娘の歪んだ関係の話って ここまで行きすぎることはないかもしれないが よくあるものなのかと感じる。 同性だからこそなのかもしれない。 しかしながら、美智子もエリカも 奇妙なほどに狂ってる。 こんな母親に育てられて、 陽向はよくもまともに育ったものだ。 紘子はとに...
こういった、母と娘の歪んだ関係の話って ここまで行きすぎることはないかもしれないが よくあるものなのかと感じる。 同性だからこそなのかもしれない。 しかしながら、美智子もエリカも 奇妙なほどに狂ってる。 こんな母親に育てられて、 陽向はよくもまともに育ったものだ。 紘子はとにかく気の毒でしかなくて 読み進めるたびに「あの団地には行くな! 断ち切れ!」と何度も願った… 紘子もまた、エリカをママと呼ぶほどに いつのまにかエリカの呪縛から 逃げることができなくなってしまっていた。 せめて陽向だけでも母親の呪縛から 逃げて、真っ当に生きていって欲しいと思う。 ちょっと、なんだろう。 一言では言い表せないほどの とにかく本当に辛い物語だった。
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