いつか月夜 の商品レビュー
まったり、ゆったり、流れる会話。なんということのない日常。得体の知れない不安“モヤヤン”遠ざけるための夜道歩き。ストレス解消には、何も考えず歩くのが一番。月夜でなくても。「善く生きる」って…
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夜中の散歩仲間がなぜかポツポツと増えてゆく。夜の闇の中の散歩はふわふわと非現実的。暗闇の中で歩きながら話す、そのことが見知らぬ他人だったはずの彼らを緩く繋ぎ、彼らを拘束する現実から解き放つきっかけとなる。 實成の善く生きようとするポリシーは好感が持てる。伊吹さんの今後が気掛かり。
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30才印刷会社勤務、夜散歩するようになると、同じ会社の人や少女らと散歩し、それぞれのモヤモヤを解消できるのか。 登場人物に共通する不安が物語の根幹にある風なのだけれど分かりにくい。読みやすいがストーリー展開も人物造形も不自然感あり。
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終わり方とか、向かうベクトルは良かったけれど、 ボリュームの割り振り?ウェイトに違和感を抱いてしまった。 後半、終わり方に向かっていく部分に物足りなさがありました。 前半に偏っているように自分には思えました。 隣人の過去の引っ掛かっていることが、自分は許せなくて。 かといって實...
終わり方とか、向かうベクトルは良かったけれど、 ボリュームの割り振り?ウェイトに違和感を抱いてしまった。 後半、終わり方に向かっていく部分に物足りなさがありました。 前半に偏っているように自分には思えました。 隣人の過去の引っ掛かっていることが、自分は許せなくて。 かといって實成が言うように他人が何か言うことではないとはわかりつつも、なんかなぁ。。モヤっとしてしまいそれがぬぐえずクライマックスも自分の心が追いつかなかったのかもしれないです。 自分が感じるこのモヤモヤは、実際の事件や、そういった類のものに怒りを表明してくれたたくさんの人の言葉があって感じられている違和感だと思っていて。 その蓄積がない人は、気付かないまま軽い問題としてスルーしてしまうかもしれない。それが嫌です。 気付ける機会は多ければ多いほどいい。だから、この本でもしっかり非難してほしかった欲が出てしまうのが私の本音。。 普段、寺地はるなさんの作品の、いろんな問題を仰々しく扱わず劇的に解決しないところが好きって思ってはいるのですけど、作品の中に出てくるセンシティブな問題の取り扱いによっては自分の心がついていけないことがちょこちょこある。
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いろいろな偶然が重なり合い、一緒に夜の散歩をすることになった人々。 それぞれに複雑な境遇を背負っている。 夜と散歩という距離感は居心地よく、お互いの表情を程よく隠し、時間も制限される。 寺地はるなの小説に出てくる人々は、いつも身近さを感じる。自分の周囲にいる人に置き換えながら、読...
いろいろな偶然が重なり合い、一緒に夜の散歩をすることになった人々。 それぞれに複雑な境遇を背負っている。 夜と散歩という距離感は居心地よく、お互いの表情を程よく隠し、時間も制限される。 寺地はるなの小説に出てくる人々は、いつも身近さを感じる。自分の周囲にいる人に置き換えながら、読むのが楽しい。
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夜、得体の知れない不安に襲われる__ふりほどくように外へ出ると不思議な出会いが待っていた。彼らが共有した時間はほんのひとときだが、人生の歩み方を考えるきっかけとなった。夜の散歩の魅力って、朧げで非現実的な所じゃないかなぁ...とふと考えてみたり。
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夜に不安を感じる實成が、気持ちを落ち着けようと始めた夜道の散歩。 ひょんなことから増えていく散歩メンバー。 それぞれが夜に歩く理由はーー。 みんな生きてれば、いろいろある。 夜道を、ただ一緒に歩くだけの緩やかな時間。一緒にいても顔を見ないから、何となく話せてしまうこともあるかも...
夜に不安を感じる實成が、気持ちを落ち着けようと始めた夜道の散歩。 ひょんなことから増えていく散歩メンバー。 それぞれが夜に歩く理由はーー。 みんな生きてれば、いろいろある。 夜道を、ただ一緒に歩くだけの緩やかな時間。一緒にいても顔を見ないから、何となく話せてしまうこともあるかも、と思えた。 周囲の期待と自分の気持ち、かつての自分の選択、言葉が孕む暴力性など。 「あぁ、そうだった…」 静かに、過去の自分の経験やかつての感情を思いだし、重ねてしまうシーンがありました。 本当に、どうして寺地さんの作品はいつもこんなに人の心を推し測るのが上手いのか…。 読むほど、ゆっくりじんわり染みてくるよう。 最初から最後まで静かな印象の作品。 知らず知らず、心に澱のようにたまるモヤモヤした気持ちを丁寧に掬い上げてくれるのは、寺地さんの他作品にも共通していて、いつも自分の気持ちに気づいたり、確かめるような読書になっている。 ただ、全体的に暗い雰囲気が漂っていて、最近気持ちが落ち込みがちな私にはちょっと読みづらく、少しずつ読みました。 でも、夜に少しだけ歩こうかなとも思えた。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
2024/08/06リクエスト 5 亡き父の言葉「善く生きろ」をモットーにしている實成冬至(みなりとうじ)。 父親を亡くして、心のなかにモヤモヤが現れるようになり、夜、散歩に出るように。 その散歩仲間との付かず離れずの距離感の会話。 昼間、顔がはっきり見えた状態なら一緒に話したりすることもなさそうな人たちと、夜同じ方向を向いて話すでもなく、一緒に歩く、そういう関係もありだと思う。 私も、そういう知り合いを作りたい。
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主人公實成冬至はとあるきっかけで職場の塩田さんと塩田さんと同居する熊(彩夏)と夜の散歩が日課になる。元恋人の伊吹さんや伊吹さんのマンション管理人の松田さんも加わる。 冬至と伊吹さんが2人で散歩した際に出会った洋菓子屋さんがよい感じのお店だなぁと思った。 冬至ともっちゃんがよい関係...
主人公實成冬至はとあるきっかけで職場の塩田さんと塩田さんと同居する熊(彩夏)と夜の散歩が日課になる。元恋人の伊吹さんや伊吹さんのマンション管理人の松田さんも加わる。 冬至と伊吹さんが2人で散歩した際に出会った洋菓子屋さんがよい感じのお店だなぁと思った。 冬至ともっちゃんがよい関係になる事を願わずにはいられない。
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最初の頃からずっと好きで読み続けている作家さんなので、とてもいいにくいけど個人的にいまいちだった。読む側に想像力を掻き立てたり、考えさせたりという感じがなくなって、全部のことを登場人物の誰かに言わせてしまっているような、考えの押し付け的な…そんな感じがした。個人的には最近の作品が...
最初の頃からずっと好きで読み続けている作家さんなので、とてもいいにくいけど個人的にいまいちだった。読む側に想像力を掻き立てたり、考えさせたりという感じがなくなって、全部のことを登場人物の誰かに言わせてしまっているような、考えの押し付け的な…そんな感じがした。個人的には最近の作品があまり好きじゃない感じかも。 でもご本人は最近になって、ずっと自分の書きたかったことを書けるようになってきたっておっしゃっていた気がします。
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