1,800円以上の注文で送料無料

バリ山行 の商品レビュー

3.8

141件のお客様レビュー

  1. 5つ

    30

  2. 4つ

    55

  3. 3つ

    41

  4. 2つ

    8

  5. 1つ

    1

レビューを投稿

2024/09/28

芥川賞受賞作品。160ページの薄い本なのに読み始めてあっという間に夢中になった。バリの由来にも目から鱗。インドネシアのお話じゃなかった(笑)山岳小説の醍醐味というか臨場感が半端ないだけではなく、社会人としての苦悩ややるせなさまでも丁寧に掘り下げていて脱帽。 マニアックなテーマなだ...

芥川賞受賞作品。160ページの薄い本なのに読み始めてあっという間に夢中になった。バリの由来にも目から鱗。インドネシアのお話じゃなかった(笑)山岳小説の醍醐味というか臨場感が半端ないだけではなく、社会人としての苦悩ややるせなさまでも丁寧に掘り下げていて脱帽。 マニアックなテーマなだけに専門用語が多いのと、難解な漢字が多くて立ち止まって調べながらの読書は膨大な時間がかかった。曖昧なままでは読み進めるのが惜しくなってしまう、丁寧に読み進めたいと強く思えるお話だった。

Posted byブクログ

2024/09/28

むちゃくちゃおもしろい!! 臨場感はんぱない。 メガデスが最高すぎる。 主人公の苦悩もわかりみが深い。 建築業界もリアリティあって、すべての記述に嘘がないように感じる、ところがすごい。

Posted byブクログ

2024/09/27
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

山岳小説ってなんでこんなに面白いんだろうね。 「バリ」ってなに?「バリ山行」って何て読む。から始まった芥川賞受賞作読書。 会社でのあれこれはきっと頷きながら読む人多そう。そしてそこからの登山からのバリエーション登山。そうかバリってバリエーションのことか。 正規のルートから外れ、道なき道を行く、って山では危険すぎるでしょ! でもそういう山登りの仕方があるんだな、寡聞にして未知。 妻鹿さん、いいよね。なんか不思議な魅力をもってるよね。そしてラストよ、ラスト!!これサイコーのラストじゃない?

Posted byブクログ

2024/09/27

第171回芥川賞受賞作。本作を読んで初めて知ったがバリ(バリエーション)とは登山用語で、通常の登山ルートに従わずに独自ルートを切り開く方法。建築関係の小さな会社に勤める会社員が会社の登山サークルから徐々に登山に興味を持ち、社内や家族との関係、会社の経営の浮き沈みに悩み、翻弄されな...

第171回芥川賞受賞作。本作を読んで初めて知ったがバリ(バリエーション)とは登山用語で、通常の登山ルートに従わずに独自ルートを切り開く方法。建築関係の小さな会社に勤める会社員が会社の登山サークルから徐々に登山に興味を持ち、社内や家族との関係、会社の経営の浮き沈みに悩み、翻弄されながらもがいて生きていく様子が、バリルートでの激しい登山とオーバーラップしながら描かれていく。著者自身が建築関係の会社に勤務しており、山登りも趣味にしているということもあり風景も葛藤などの心情も描写が真に迫っている。山岳小説と紹介されることが多いようですが、本質は日々の生活における大人の等身大の悩みです。純文学でありつつ読みにくさがないので多くの人が楽しめる小説だと感じます。著者の他の作品もぜひ読んでみたいと思います。

Posted byブクログ

2024/09/25
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

純文あるあるだけど、救いも答えも与えてくれず、読者を彷徨わせる。山と人生を重ねていた。山登りの描写を書き切れるのは素直にすごい。読み終わってから装丁を見直すと、行き止まりじゃないのかもしれないけど、行き止まりとしか思えない感じがして、ぴったりかもって思った。 ・会社がどうなるかとかさ、そういう恐怖とか不安感ってさ、自分で作り出してるもんだよ。それが増殖して伝染するんだよ。今、会社でもみんなちょっとおかしくなってるでしょ。でもそれは予測だし、イメージって言うか、不安感の、感でさ、それは本物じゃないんだよ。まぼろしだよ。だからね、だからやるしかないんだよ、実際に。

Posted byブクログ

2024/09/25

担当美容師で本好きのしょこたんの、これまた本好きのダンナに貸してもらった本。 自分からは絶対手を出さないジャンルなので有難し。 バリに行って山に登る話かと思ってたら違ったwww こんな山の登り方があるのねー。 近頃は完全インドア派の私だけど、山には何度か登ったことがある。 ...

担当美容師で本好きのしょこたんの、これまた本好きのダンナに貸してもらった本。 自分からは絶対手を出さないジャンルなので有難し。 バリに行って山に登る話かと思ってたら違ったwww こんな山の登り方があるのねー。 近頃は完全インドア派の私だけど、山には何度か登ったことがある。 登山は、頂上に着けば気持ちが良いものだけど、そこに着くまでが苦しいし、しかもせっかく登ったのに、また降りなくちゃ家に帰れないのよ? 苦行の連続やん!! 道中の折々の楽しさ、頂上での達成感、爽快感は素晴らしいものだけど、そのために苦難を乗り越えてるのは…(^◇^;) それでも、ちょっとだけ、また山の上からの景色を望んでみたいなぁと思わされちゃうヤバい小説でしたw 妻鹿さん、変わり者だけど、こういう人って悪くないよねw

Posted byブクログ

2024/09/25
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

おもしろい ふだん、登山をするので、六甲山、バリエーションルート、岩のヒリヒリする感じを思い出した。 メガさんが理解できないこと、自分の会社での立ち位置、 でも、山に入ってメガさんと同じようにバリをして、メガさんの考えに行きついたりして。 会社が、人が理解できない憤りや焦りや腹立たしさ。 登山もなんでやってるんだろと思いながらも、やってる自分と。 代弁してくれてる小説。また読みたい。

Posted byブクログ

2024/09/23

何に人生の重きを置くべきか。仕事、趣味、家族。正解は無いと思うが、何かに自分の時間の大部分を割くがあまりに悩みを抱えて病んでしまうことがある。「死ぬこと以外かすり傷」という使い古された言葉があるけど、より大きな絶望と比較すると心理的に楽なのかも。 中小建築会社で働く無趣味な男・...

何に人生の重きを置くべきか。仕事、趣味、家族。正解は無いと思うが、何かに自分の時間の大部分を割くがあまりに悩みを抱えて病んでしまうことがある。「死ぬこと以外かすり傷」という使い古された言葉があるけど、より大きな絶望と比較すると心理的に楽なのかも。 中小建築会社で働く無趣味な男・波多。コミュニケーションを活性化する目的に上司の誘いをきっかけに参加した登山にどハマりする。会社の中における自分の立場。同僚とのクビレース。妻との関係性。横目でチラチラ様子を伺い続ける生活。 同僚の妻鹿は、波多とは対照的な存在。クビレースを独走しているにも関わらず本人はどこ吹く風。波多が登山する山の山行ルートから離れてひとりバリを行う日々。しかし低い山と言っても危険が伴う。事故や怪我をしても助けは来ない。命が脅かされる場面だってある。 ショック療法のような気もするが、大いなる自然に挑んでいるうちに、山の中で直接肌で感じる根源的な恐怖に比べたら、日々の悩みは些細なものになる。そんな主人公の心の変化。に加えて登山、工務店に関する解像度の高い文章力にめちゃくちゃ惹き込まれる。今年トップクラスの作品。

Posted byブクログ

2024/09/23

バリ山行、したくなりました。 妻鹿さんのアテンドで、バリ山行…スリリングです。危険を伴う緊張感、手に汗握るゾクゾクした感じが、文章から伝わってきました。 実家の友人が、ここ何年か山登りをしていると話していました。早朝に出て、1人で登山して帰ってくると。 会社の危機と身体的な危...

バリ山行、したくなりました。 妻鹿さんのアテンドで、バリ山行…スリリングです。危険を伴う緊張感、手に汗握るゾクゾクした感じが、文章から伝わってきました。 実家の友人が、ここ何年か山登りをしていると話していました。早朝に出て、1人で登山して帰ってくると。 会社の危機と身体的な危機とが、せめぎ合う緊張感、先の見えない不安…。

Posted byブクログ

2024/09/22

感想 タイトルから勝手にインドネシアのバリで登山する内容だと思っていたが、全然違ったw 死と向かい合わせの危機を感じるためにバリ山行をやるという。山屋を理解するのは難しい。 しかし、波多がハマるような何かがあるのだろうか。 あらすじ 波多は社員50名の小さな塗装会社に中途...

感想 タイトルから勝手にインドネシアのバリで登山する内容だと思っていたが、全然違ったw 死と向かい合わせの危機を感じるためにバリ山行をやるという。山屋を理解するのは難しい。 しかし、波多がハマるような何かがあるのだろうか。 あらすじ 波多は社員50名の小さな塗装会社に中途入社した。社内で馴染めなかったが、社内の登山の催しが楽しく、続けて参加することに。 六甲山を中心に登山が催される。ある日、社内で孤立気味の妻鹿さんも登山に参加することになった。 彼は、六甲山を独自のバリエーションルートで登る、通称バリ山行を趣味にしていた。 会社の方針転換があり、売り上げが苦しくなる中、波多は防水工事のクレームで妻鹿に助けられる。仲良くなった勢いでバリ山行に連れて行ってもらえるようにお願いする。 妻鹿に連れて行ってもらったバリ山行は最初は楽しかったが、険しいルートになり、波多は死にかける。登山の疲れと会社の行先の不安を妻鹿にぶつけて、家に帰るも肺炎にかかる。 休み明けに会社に行くと妻鹿は会社を辞めており、波多は妻鹿を追うようにしてバリ山行を行うのだった。

Posted byブクログ