バリ山行 の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
芥川賞は小難しいものが多い中、分かりやすくそして没頭できる久々の作品。 タイトルの”バリ山行”なるものがどういうものかを全く知らずに読んだけれど、少しでも山をかじっていればあ「ああ、わかる」ってなるんだけど、読み進めていくうちに狂気へと変わっていく。これぞ芥川賞受賞作品と認めてしまいたくなるような圧倒してくる文面の勢いに気圧されてしまいそうになるが、読む手を止めることができない。もう自分もすっかりバリの混沌なる道なき道へ分け入りながら進めてしまっているのだ。山登りの命がけの危機と仕事場での立ち位置での危機、同じようで同じでない、しかしその生きざまは決して別物でもないやり取りが見事でニヤニヤするやらハラハラするやら最後まで目が離せない年明けの一冊になりました。
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バリの意味と山?そして気になる芥川賞受賞、作家さんで図書館より拝借。バリの意味から企業のしがらみ、最後のほうまでなんというか、あまり思った通りの展開にならないところが受賞…かな。おもしろかったです。
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あまり登場人物に感情移入できず、全然興味ない人のエッセイを読んでいる気分だった。。 文章自体は読みやすくて、山の細かい情景とか主人公の心情の描写は引き込まれるものがあった。
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妻鹿さんが一番好き。シンプルだからこそ、考察の幅がある面白い小説 以下、引用 「会社がどうなるかとかさ、そういう恐怖とか不安感ってさ、自分で作り出してるもんだ よ。それが増殖して伝染するんだよ。今、会社でもみんなちょっとおかしくなってるでし よ。でもそれは予測だし、イメージって...
妻鹿さんが一番好き。シンプルだからこそ、考察の幅がある面白い小説 以下、引用 「会社がどうなるかとかさ、そういう恐怖とか不安感ってさ、自分で作り出してるもんだ よ。それが増殖して伝染するんだよ。今、会社でもみんなちょっとおかしくなってるでし よ。でもそれは予測だし、イメージって言うか、不安感の、感でさ、それは本物じゃない んだよ。まぼろしだよ。だからね、だからやるしかないんだよ、実際に」
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これまでの芥川賞受賞作品の中でもかなり読みやすい部類じゃないか。 メガさんいいな。 メガさんみたいに有りたい。
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読んでみたら、しんどくなった…面白いよ、知ることのなかった山の魅力があって。でも登ったあとは、下山しなければならなかった。
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新田次郎の孤高の人まではいかないが、登山、特にバリというルート外のルートをいく危険な山登りをテーマにした小説。小気味良い文体なのでサクサクと読み進められる感じは非常に心地よく、登山用語がよくわからない部分もありつつ、ストーリーが単純だからこそという小説。会社が傾いている、家族から...
新田次郎の孤高の人まではいかないが、登山、特にバリというルート外のルートをいく危険な山登りをテーマにした小説。小気味良い文体なのでサクサクと読み進められる感じは非常に心地よく、登山用語がよくわからない部分もありつつ、ストーリーが単純だからこそという小説。会社が傾いている、家族からは嫌煙され、それでも生きていく主人公。その中で、バリという自分1人だけの時間、険しい山とのチャレンジを制して、飲む淹れたてのコーヒー。山登りの素敵な部分の要素を、まさにバリというテーマで駆け上がっていくようなストーリーになっている。前半の出会いと山登りへの興味、そして不思議はバリをやっている社員の存在。後半のバリにトライする主人公と危機。 ポップな文体、切れ味のある会話で、持ったりとした感じをほぼ受けずにサクサクと読み進められる点は、割と知られていないテーマの中で、読みやすい。ここは、孤高の人のもつ重厚な文章とは耐濁的だ。本当の危機、体験としての危機感こそリアルであり、その中で生きているということを逆に感じることができる。そういう生の喜びを、改めて感じることができる良書。
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仕事以外は全部“なんとなく”“波風立てずに”といった振る舞いだった波多が山に、バリに没頭していく様子は実体験かのように想起された。 山を分け入る描写では波多の視覚を共有しているかのようで、森の青さや小枝が引っかかる痛み、水滴の感覚がありありと感じられ爽快だった。
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芥川賞作品らしいですが、全然知らずに書店で手に取りました。なぜか惹かれて買いました。あっという間に読めました。没入感がすごかったです。臨場感があり想像力が駆り立てられました。
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捉え方によっては仕事のストレスをプライベートでぶつけて後悔するサラリーマンの話でしょうか。こういう浅い捉え方しか出来ない自分に泣けてくる。
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