魂婚心中 の商品レビュー
全6話からなる短編集。 「私は一体何を読んでいるのだろう?」 読みながら首を傾げること数知れず。 あとがきによれば、本書のジャンルは「SFミステリ」とのことだが、一言で言えばアバンギャルド。よくもこんなことを思いついたもんだと感心せざるを得ない発想力は型破りで凄いと思うけれど、読...
全6話からなる短編集。 「私は一体何を読んでいるのだろう?」 読みながら首を傾げること数知れず。 あとがきによれば、本書のジャンルは「SFミステリ」とのことだが、一言で言えばアバンギャルド。よくもこんなことを思いついたもんだと感心せざるを得ない発想力は型破りで凄いと思うけれど、読者目線ではどうか?趣旨をどう解釈して良いのか理解に苦しむ作品が多かった。 ①「魂婚心中」 独身者が死後に結婚できる制度がある世界。推しと死後結婚したすぎておかしくなっていくファン。ラストの行動と思考回路が理解不能。 ②「ゲーマーのGlitch」 近未来のRTA(ゲームのクリア時間を競う競技)大会を実況解説形式で描いた作品。これもオチが意味不明。 ③「二十五万分の一」 「執筆者全員が同じ一行から始まるミステリを書く」企画から生まれたショートショート。嘘をついたら取り返しがつかないことになる世界観がまさにSF。 ④「閻魔帳SEO」 「閻魔帳には死者が生前に行った善行と悪行が記されている」というが、自分がどの地獄に行く予定なのかが見えてしまう世界で、罪業をコントロールして閻魔帳を誤魔化す業者。発想が破天荒すぎて、ついていけない。 ⑤「この世界には間違いが七つある」 「非日常の謎」をテーマに描かれた作品。オチに脱力してしまうが、コレはわかりやすい。 ⑥「九月某日の誓い」 主従関係にある女中とお嬢様の周囲で起こる不可思議な死の真相とは? 全6話の中でも比較的ミステリ色濃いめ。伏線回収もあって個人的には本作が一番気に入った。 私にとっては本書が初読の芦沢央作品。Wikipediaによると、大学の先輩である辻村深月に影響を受けており、ペンネームの由来は『凍りのくじら』の主人公・芦沢理帆子から取られたとのこと。でも本書の作風は、辻村作品とは似ても似つかない。本書はおそらく変化球的作品だと思われるので、他の直球作品にも手を伸ばしてみたい。
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表題の魂婚心中は面白かったけど 個人的に他のお話はちょっと自分には 合わなかったかな 元々SF系をあまり読んでこなかったからかも知れない
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【収録作品】 魂婚心中 ゲーマーのGlitch 二十五万分の一 閻魔帳SEO この世界には間違いが七つある 九月某日の誓い 冥婚を望む心理やゲーム実況はよくわからない。 「九月某日の誓い」この雰囲気は好き。続きが読みたいが、あとがきによるとお蔵入りとのこと。気長に待とう。
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「二十五万分の一」は短かったがよかった。 個人的には「九月某日の誓い」が特に好き。 「この世界には間違いが七つある」は少し前に観た映画のThe Watchersを彷彿とさせた。
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死後結婚ってよく考えると怖い、、、 お葬式後のおめでとうと言われる世界線、、 想像するだけで怖くてリアルな短編でした。
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大好きな芦沢さんの作品なのに、あれって思った。 あとがきで、ミステリーSFとの記述。 どおりでいつもと違うわけだ。ちょっといつものキレがないなと感じました。
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2024/06/21リクエスト 9 魂婚心中→独身者が死後結婚できる制度 発想がぶっ飛びすぎ、よくこんなふうに思いつくな…と SF系の短編集、今時の話題が多すぎてついていけない感…残念
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短編集。 きちんとしたオチはあるけれども、何か私には合いませんでした。 同じ短編集なら、汚れた手をそこで拭かない、のほうが好きでした。 好みの問題なのだとは思います。
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Amazonの紹介より もしも死後結婚のマッチングアプリがあったら? ベストセラー作家が贈るSFミステリ傑作集 死後結婚用マッチングアプリ「KonKon」が普及した社会で、推しのアイドルの秘密のKonKonアカウントを見つけてしまい感情爆発した社会人女性がとんでもない凶行へと驀進...
Amazonの紹介より もしも死後結婚のマッチングアプリがあったら? ベストセラー作家が贈るSFミステリ傑作集 死後結婚用マッチングアプリ「KonKon」が普及した社会で、推しのアイドルの秘密のKonKonアカウントを見つけてしまい感情爆発した社会人女性がとんでもない凶行へと驀進してしまう表題作のほか、この現実とちょっとだけ異なる世界の謎と関係性の物語、全六篇! 独特な切り口とミステリアスでどんでん返しのある短編集の数々でしたが、発想の豊富さ・大胆さに度肝を抜かれました。 近未来ありえないようでありそうな設定なのですが、それぞれの出来事を通じて、のめり込んでいく人の感情にゾッとしましたし、妙な爽やかさもありました。 表題作が最初に登場するのですが、設定にあまりピンとこず、心に残りづらかったのですが、死後結婚のマッチングアプリという発想は面白かったです。 どの作品もオチがあるのですが、なんとも捻りがありつつ、ゾワっとしたものもあって、物語の余韻をより引き立たせているなと思いました。 特に印象的だったのが、「二十五万の一」です。全6ページという掌編なのですが、世にも奇妙な物語にありそうな内容でありつつ、嘘がもたらす2人の交流にほろっとしてしまいました。 他にも、「この世界には間違いが七つある」や「九月某日の誓い」の物語が好きでした。 「この世界〜」は、モノの視点が変わることで見えてくる恐怖や発想の面白さが良く、次そういったものを読む時、考え方が変わるので、意識してしまうなと思いました。 「九月〜」では、2人の女性の交流を通して、熱き友情だけでなく、秘密が二転三転変わっていく面白さもあって面白かったです。 独立した短編集でしたが、どれも今までにない発想の数々で、読者の心を惹きつけたように感じました。
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死後に婚姻するのが当たり前の世の中。現実世界では推しと結婚できないが、死んだ先では出来るかも。そう思い、魂婚を願っていたりっちゃん。『自分が嫌な思いをすることより、自分を嫌いになることの方がこわいだけ』。この結末は、この強い思いからなんだなと納得。 推しの話ということもあり、「推...
死後に婚姻するのが当たり前の世の中。現実世界では推しと結婚できないが、死んだ先では出来るかも。そう思い、魂婚を願っていたりっちゃん。『自分が嫌な思いをすることより、自分を嫌いになることの方がこわいだけ』。この結末は、この強い思いからなんだなと納得。 推しの話ということもあり、「推し、燃ゆ」を思い起こさせた。 私の最も消したい過去は何だろう?と考えながら、読みすすめたが、思いつかないということは、幸せなんだなと改めて思った。 短編集の中でも、『九月某日の誓い』がの話が一番読みやすく良かった。能力というのは、気づかず使うのは厄介なものだ。
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