1,800円以上の注文で送料無料

海を破る者 の商品レビュー

3.9

46件のお客様レビュー

  1. 5つ

    12

  2. 4つ

    16

  3. 3つ

    12

  4. 2つ

    2

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2024/07/05

今村先生の作品が好きで手に取った。 元寇を題材にしているのは珍しく、その面でも期待は大きく、発売前から楽しみにしていた。 帯文や紹介文からハラハラする戦闘劇多めかと思っていたが、今村先生らしい人間ドラマや戦争、人とのつながりといったテーマが前面に出ていて、考えさせられる物語であっ...

今村先生の作品が好きで手に取った。 元寇を題材にしているのは珍しく、その面でも期待は大きく、発売前から楽しみにしていた。 帯文や紹介文からハラハラする戦闘劇多めかと思っていたが、今村先生らしい人間ドラマや戦争、人とのつながりといったテーマが前面に出ていて、考えさせられる物語であった。

Posted byブクログ

2024/07/04

元寇との戦い。日本史上最大の危機に没落御家人が復興のために立つ。いや、復興の為だけだろうか? 台風で勝ったとしか大して知らなかった歴史なだけに前知識全く無しで、面白くドキドキハラハラ。時には涙し読み進める事ができました。 登場人物全てが好き。皆それぞれちゃんと大切に描かれている。...

元寇との戦い。日本史上最大の危機に没落御家人が復興のために立つ。いや、復興の為だけだろうか? 台風で勝ったとしか大して知らなかった歴史なだけに前知識全く無しで、面白くドキドキハラハラ。時には涙し読み進める事ができました。 登場人物全てが好き。皆それぞれちゃんと大切に描かれている。 続きが読みたいな~。と思わせる作品。続き出ないかな~。

Posted byブクログ

2024/09/07

今や歴史小説の新世代代表と言っても過言ではない今村翔吾さんの新作。「神風が吹き、奇跡的に日本が助かる」程度しか社会で学んでいなかったが、実際のところは、あまりに巨大すぎる侵略者に対して、右往左往する当時の日本の状況を知ることができた。もちろん、主人公の河野通有が抱える「人と人が争...

今や歴史小説の新世代代表と言っても過言ではない今村翔吾さんの新作。「神風が吹き、奇跡的に日本が助かる」程度しか社会で学んでいなかったが、実際のところは、あまりに巨大すぎる侵略者に対して、右往左往する当時の日本の状況を知ることができた。もちろん、主人公の河野通有が抱える「人と人が争うこと」に対する苦悩、魅力的な登場人物との関わりで、「家を守る」から「人を守る」という思想を持つまでに成長していく様は、今村翔吾が得意とするところで、今作もとにかく熱い。 これは考えすぎかもしれないが、本作をとおして、現代におけるロシアの戦う意味が、ほんの少しわかった気がする。 (初出が別冊文藝春秋の2020年3月号〜のため、意図していないはずではあるが) ★3.5

Posted byブクログ

2024/06/28

なかなか壮大な物語だった。 学校で習った「元寇」とは、全然違った角度から戦いというものを見せてもらった。 異国の敵にも家族や愛する人がいる。当たり前の事で、それはわかっているけど戦いはなくならない。今も昔も同じだな… 伊予の河野家についてはあまり知らなかったけど、この本で興味が...

なかなか壮大な物語だった。 学校で習った「元寇」とは、全然違った角度から戦いというものを見せてもらった。 異国の敵にも家族や愛する人がいる。当たり前の事で、それはわかっているけど戦いはなくならない。今も昔も同じだな… 伊予の河野家についてはあまり知らなかったけど、この本で興味が湧いてきた。一遍も河野家の出だったなんて。 大人になってから知る「歴史」は、面白い。

Posted byブクログ

2024/06/28

承久の乱で反鎌倉幕府につき没落していた河野家の六郎通有が、二度目の元寇に対してとった行動には驚きと共に深い人間性を感じさせ、大変後味の良い歴史小説となっていた。 親類でありながら疑心暗鬼の中、同じ一族内で勢力争いをしていた河野家。 六郎が抱いていた海の向こうの世界から来たハンとレ...

承久の乱で反鎌倉幕府につき没落していた河野家の六郎通有が、二度目の元寇に対してとった行動には驚きと共に深い人間性を感じさせ、大変後味の良い歴史小説となっていた。 親類でありながら疑心暗鬼の中、同じ一族内で勢力争いをしていた河野家。 六郎が抱いていた海の向こうの世界から来たハンとレイナ。 疑いの中で生きてきた六郎に人種や性別の垣根を越え、世界には様々な人間が居る事を知らしめてくれた2人の存在が、河野六郎通有の行動の原点となり魅力となっている。 今村翔吾ならではの魅力的な歴史小説になっていた。

Posted byブクログ

2024/06/27

河野六郎通有。本書を読むまで知らなかった人物である。勇敢で友誼に厚く、納得できないことには堂々と物申す異才。異国出身の繁や令那への優しさも素敵。鎌倉時代の六郎や通時、一遍たちが、戦とは愚劣であることを犇々と訴えかけてきた。

Posted byブクログ

2024/06/25

読み応えたっぷり。大河ドラマ見てるような興奮と人の生き様。史実だけではなく作者の想像力の賜物なので難しいか。「共に生きることも出来るが、殺し合うことも出来る。人とはおかしな生き物よ」「人は己の知らぬものに関してはひたすらに無関心である。理解しようとするからこそ慈しみ、理解できぬか...

読み応えたっぷり。大河ドラマ見てるような興奮と人の生き様。史実だけではなく作者の想像力の賜物なので難しいか。「共に生きることも出来るが、殺し合うことも出来る。人とはおかしな生き物よ」「人は己の知らぬものに関してはひたすらに無関心である。理解しようとするからこそ慈しみ、理解できぬからこそ憎しみ合う」「人というものは歳を重ねるにつれ、様々なものを背負って本質を見る目が曇っていく。そしてさらに歳を重ねると共に一つ、また一つとそれを下ろしていき、心が晴れてゆくものよ」1000年前と同じ争いが世界各地で、今も。はー…。

Posted byブクログ

2024/06/25

 侵略の歴史が世界中で繰り返されている。  本作の時代設定は元寇だ。  中国を中心に西へ東へと勢力を拡大する元の勢いは燎原の火のごとし。  しかし、そこには悲劇がある。  西域に平和を夢見ていた若者が、西域からの娘に会うことで日ノ本から平和について思いを巡らすことになる。  承...

 侵略の歴史が世界中で繰り返されている。  本作の時代設定は元寇だ。  中国を中心に西へ東へと勢力を拡大する元の勢いは燎原の火のごとし。  しかし、そこには悲劇がある。  西域に平和を夢見ていた若者が、西域からの娘に会うことで日ノ本から平和について思いを巡らすことになる。  承久の乱で朝廷側についての敗北により、一時期は源、北条に次ぐ家柄とうたわれた河野家は伊予の貧乏御家人に成り下がっていた。  さらに、父と伯父とで血肉を争った結果、河野家は風前の灯だった。  そんな家に嫌気がさした河野六郎は、海の向こうに平和な国を夢見ていた。  ある日、奴隷商人が連れてきた奴隷の中に、金髪碧眼の目をした娘がいた。  六郎はその場で、その娘を買うことにし、ついでに俺を同行させろと主張した高麗人の青年も合わせて引き取った。  娘は「れいな」と名乗り、”るうし”の”きいえふ”から来たという。  日ノ本で奇異な見た目に、人々は天女か天狗かと言ったが、次第に彼女に親しみを感じるようになってくる。  合わせて、高麗人の繁は、元に村が滅ぼされたことから、力を得たいと弓に刀を習い始める。  二人とも、元に滅ぼされてこの国まで流れ着いた。  今は没落しているとはいえ、河野家は船大将を預かる家柄。  大陸からは日ノ本に攻め込む元の動きが逐次報告され、二度目の元の襲来が近づいていることを察知していた。    歴史は揺れ戻して繰り返す。  その度に、愚かとあきらめるのか、次の一手を探すのか。

Posted byブクログ

2024/06/24

なかなか含蓄のある小説だった。思わずほろっとする場面もあった。神風が吹き大軍で押し寄せた蒙古軍は二度とも大敗して日の本を襲うことを断念した歴史上の出来事までの話しでありそこには一遍上人まで登場する外国の人を助ける話しもあり楽しく読み終えた。

Posted byブクログ

2024/06/23

今度は元寇。今村さんの目のつけどころがなんかすごいよなあ~。確かになんかあったから元を撃退出来たんだよなあ。学校教育では簡単に流されてたなあ・・・

Posted byブクログ