なんどでも生まれる の商品レビュー
前情報なく入りました。 最初主人公が何なのか分からずに読み進めて、やっとチャボが主人公で茂が人間だということが分かりました。そこからは読みやすく、難しい表現もそんなにない。 途中、これはどんな結末だ?着地点はなんだ?と多少不安になりますが、中盤以降でグイグイ読めました。 読み終...
前情報なく入りました。 最初主人公が何なのか分からずに読み進めて、やっとチャボが主人公で茂が人間だということが分かりました。そこからは読みやすく、難しい表現もそんなにない。 途中、これはどんな結末だ?着地点はなんだ?と多少不安になりますが、中盤以降でグイグイ読めました。 読み終えた後は、仕事や家事で悩んでいる自分を誇らしく思えるような、そんな温かい元気をもらえた気がします。 動物目線で描かれるので、周りの人に対する想いがフラット。周りで起きていることは意外と波風が立っていて、普通だったら結構大きな出来事なのに、桜の目線から語られるとあまり大したことないように思えてそこも良かったです。 また、桜の茂に対する想いも屈託がなくまっすぐで、愛するとはこういうことなのだろうと思い知らされました。 綾瀬まるさんらしい、ぬくぬくあったか小説でした!
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
チャボの桜さん、商店街の金物屋の孫である茂さん。桜さんの一人称で話は進む。飼われている鳥の目線って想像したことがなかったので最初は困惑したけれど、鳥がこんなふうにものを考えて行動していたら面白いなと思った。鳥の中でも品種や分類が違えば鳥同士でも知らないことがたくさんあったりして、まるで人間社会のような鳥社会があって楽しかった。現実でもこうだったらいいのにな。 なんだか温かな陽だまりの中にいるような作品だった。色々な個性をすべて受け入れて包み込むような温もり。太陽の光は誰にでも平等に降り注いでいるように。 つらい現実も書いているがあくまでも前向きさがあり、タイトルのように何度でも変化の機会があって、みんなどこかで生きていける居場所があると思える作品だった。
Posted by
最初は目線が分からなくて読みづらかったけどチャボ目線だと理解してからは楽しく読めた。 生きづらい世の中だけど何回もやり直す力強さを感じた。とても良かった。
Posted by
まさかのチャボ小説! 小学校の時、あの目に恐怖していた自分からすると、愛らしい桜さんの姿にほっこりするとは不思議なもの。こんなに可愛いチャボもいるのだろうか。肩に乗り!寝てる姿は玄米餅!…いや、そんなチャボに出逢ったことなどない。 穏やかで何も起きないけれどゆっくり時間が流れ...
まさかのチャボ小説! 小学校の時、あの目に恐怖していた自分からすると、愛らしい桜さんの姿にほっこりするとは不思議なもの。こんなに可愛いチャボもいるのだろうか。肩に乗り!寝てる姿は玄米餅!…いや、そんなチャボに出逢ったことなどない。 穏やかで何も起きないけれどゆっくり時間が流れる小説。どうやらアンソロジー作品集から生まれたそうだが、発想は膨らむものなのだなあ。
Posted by
チャボの桜さんが主人公というユニークな小説。とても面白いし、素敵なお話。軽く読めるので、疲れた時の息抜き、落ち込んだ気分を前向きにさせてくれる、おすすめの本だ。 桜さんの飼い主、茂さんは、営業のお仕事がうまくいかなくて、心の病気になり、祖父母の営む金物屋さんで暮らすことになった。...
チャボの桜さんが主人公というユニークな小説。とても面白いし、素敵なお話。軽く読めるので、疲れた時の息抜き、落ち込んだ気分を前向きにさせてくれる、おすすめの本だ。 桜さんの飼い主、茂さんは、営業のお仕事がうまくいかなくて、心の病気になり、祖父母の営む金物屋さんで暮らすことになった。その商店街で桜さんと茂さんが、出会う人と鳥たちとの交流を描いた、あったかい物語。鳥が卵から孵るように、新しい世界へ踏み出していく、希望と不安。新しい扉を前にして、躊躇いそうになる背中を、優しく押してくれる小説だ。 フィクションとはいえ、桜さん、とても賢く優しく魅力的だ。実際、鶏も七面鳥も鴉も、多分、とても頭がいいのは事実らしいし、人間と心通わすこともできるらしい。 ドラマチックなんとかいう番組で、ニワトリ(種類はわからない)を最愛のパートナーとする人の暮らしが紹介されてたし、この小説みたいなことはあり得る話だと思う。仲間が溺れそうになって、自分たちで助けられないとわかると、人間に助けを求めに行く七面鳥の映像を見たこともある。 そんな賢いものたちの命をいただくことに、少しだけ罪悪感も感じてしまうけど。
Posted by
文庫アンソロジー「明日町こんぺいとう商店街」のお店のひとつ、川平金物屋のチャボの桜さん目線のお話。明日町のたくさんのお店や人物やマネキウサギを思い出し懐かしい。心と体の調子を崩した茂を気遣い守ろうとする優しい桜さんは行動も思いもきゅんとするかわいさ。鳥が種別をこえてこんな風にお喋...
文庫アンソロジー「明日町こんぺいとう商店街」のお店のひとつ、川平金物屋のチャボの桜さん目線のお話。明日町のたくさんのお店や人物やマネキウサギを思い出し懐かしい。心と体の調子を崩した茂を気遣い守ろうとする優しい桜さんは行動も思いもきゅんとするかわいさ。鳥が種別をこえてこんな風にお喋りし歌ってるのかと想像すると楽しくなる。何でも屋を始めた茂が少しずつだけど変わり、自分の殻を破ろうとしてる姿にこちらも励まされる。厳しいこと、しんどいこと、辛いこともたくさん描かれているけどどれもあったかい温もりを感じて心地いい。
Posted by
人ではないものの視点から描かれた物語はとてもほんわかと、ただこの人らしく、苦しい何かを抱えた人たちも登場しつつ、みんなが少しずつ再生しながら進んでいく。どっかできいた名前だなとか、なんか既視感あるなぁと思いつつ詠んでたら巻末にその理由を見つけてこれもちょっと嬉しかった。読書熱が夏...
人ではないものの視点から描かれた物語はとてもほんわかと、ただこの人らしく、苦しい何かを抱えた人たちも登場しつつ、みんなが少しずつ再生しながら進んでいく。どっかできいた名前だなとか、なんか既視感あるなぁと思いつつ詠んでたら巻末にその理由を見つけてこれもちょっと嬉しかった。読書熱が夏に比べて下がってきた今読むのにちょうどよかった。
Posted by
アンソロジー「明日町こんぺいとう商店街」で大好きだった短編が一冊の本になっているのを見つけて狂喜乱舞した。(大げさ笑)。「アタシ」と一人称で語られる、チャボ桜さんの世界が可愛くて愛しくて、読み終えるのが悲しかった。やっぱ大だぁ。 「明日町こんぺいとう商店街」も新作を出版して欲しい...
アンソロジー「明日町こんぺいとう商店街」で大好きだった短編が一冊の本になっているのを見つけて狂喜乱舞した。(大げさ笑)。「アタシ」と一人称で語られる、チャボ桜さんの世界が可愛くて愛しくて、読み終えるのが悲しかった。やっぱ大だぁ。 「明日町こんぺいとう商店街」も新作を出版して欲しい。
Posted by
チャボの桜さんと茂のほっこりとした日常生活を話題に生きていくヒントを教えてくれる作品。 チャボの桜さんが語り手で話が進んでいて、途中よくわからなくなった所もあったが、この本の題「なんどでも生まれる」は自分が次のステップに上がる時に変わる瞬間にワクワクドキドキする気持ち、誰にでも...
チャボの桜さんと茂のほっこりとした日常生活を話題に生きていくヒントを教えてくれる作品。 チャボの桜さんが語り手で話が進んでいて、途中よくわからなくなった所もあったが、この本の題「なんどでも生まれる」は自分が次のステップに上がる時に変わる瞬間にワクワクドキドキする気持ち、誰にでもある事を教えてくれる本でした。 心に残ったページ p163…色んなきっかけで生き方を変えます。迷うのも、生き物が頑張って暮らしているから起こることで、素敵なことです。 p215…ガラスや網戸で隔てられているように見えて、結局は俺たちだって、多少ルールが違うだけの同じ世界を生きてるんだ。長く生きて、変わっていく自分や、変わっていく好きなやつを感じられるのはむしろ、豊かでめでてえことなんじゃねえかな p229…バリケンのお姉さんに憧れていた茂さんが、次に自分が生まれ変わる姿を探そうとしている。茂さんが、今の茂さんとは違う茂さんになろうとしている。 p230…はら、はらり、アタシの空が、また少し砕けて、剥がれていく、亀裂の向こうにあるのは眩しくて恐ろしい、しかしとても大切な、次の世界です。 2024/10/10 読了
Posted by
読み始めたときは、そこからの視点で話が展開していくのかぁとビックリしました。 読み進めるうちにその視点もしっくりくるようになってきて、お話にもグイグイと引き込まれました。 ツライ内容もありましたが、心温まるストーリーでした。
Posted by