ミシンと金魚 の商品レビュー
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わたしは主人公のカケイさんより年下だから、いずれカケイさんのステージに行くつもりで、最期を先輩に教えて貰っている気持ちで読んだ。 最期に見た、手のひらの花。カケイさんをお迎えにきた、だいちゃんとチャンス。泣ける。 はたから見れば孤独に死んでいったように見えるだろうが、本人の心の中は絶対、孤独じゃなかった。
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1日で読み終わった。認知症のカケイさん目線から語られた物語。カケイさんが可愛くてどんどん読み進めていったが、カケイさんの壮絶な人生が語られていた。しかし、最期には色々な人から守られていたことを知ることが出来て、幸せを感じることが出来た。 「ミシンと金魚」読み終えるとしんみりしてしまう本の題名。 カケイさん、お兄さんと道子に会えたかな?
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ボケ老人扱いを受けてるカケイさんだけどほんとは色々考えてて、デイサービスでの観察力は秀逸だった。 「おばあさん」と世間は一括りにまとめるけどそれぞれ一生懸命生きてて、カケイさんみたいに壮絶な過去を持ってる人もいる。 広瀬のばーさんから本当は色んな人に影で助けられてたのを知り、最後...
ボケ老人扱いを受けてるカケイさんだけどほんとは色々考えてて、デイサービスでの観察力は秀逸だった。 「おばあさん」と世間は一括りにまとめるけどそれぞれ一生懸命生きてて、カケイさんみたいに壮絶な過去を持ってる人もいる。 広瀬のばーさんから本当は色んな人に影で助けられてたのを知り、最後には一言「幸せだった」って思えたカケイさんに涙。 自分は小さい頃から「死」は怖いものという考えがあったから、カケイさんの大好きなわんちゃんが引いたリヤカーが迎えに来るシーンを見て、いつかは必ず来る死に対して少し考え方が変わった。 読み終えてからの表紙を見て、ジーンときた。 自分の亡くなったおじいちゃんおばあちゃんを何度も思い出しては会いたくなった。
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ミシンと金魚 永井みみさんは初めて読んだ まず、文章がぶっ飛んでるからまずそれだけで圧倒される、大好きな川上未映子さん初期以来の凄さで嬉しい 介護制度を利用する高齢女性が語る物語 作家は、俺にすれば何故ここまでわかるのだろうという並外れた想像力のもとに書き進む、最後は悲しいはず...
ミシンと金魚 永井みみさんは初めて読んだ まず、文章がぶっ飛んでるからまずそれだけで圧倒される、大好きな川上未映子さん初期以来の凄さで嬉しい 介護制度を利用する高齢女性が語る物語 作家は、俺にすれば何故ここまでわかるのだろうという並外れた想像力のもとに書き進む、最後は悲しいはずなのに悲しくないクール(ウォームのほうがピッタリくる)な終わり方、良かった
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最後の一文を読んだ後しばらく棒座り。カケイさんの人生はしあわせだったのかという序盤の問いが自分に聞かれているようで、なんともいえない気持ちになった。 ヘルパーの経験がある作者の描写はリアル。自分は今助ける側の視点しかもてないけど、いつかは親もこうなり、自分もこういう終わりを迎える...
最後の一文を読んだ後しばらく棒座り。カケイさんの人生はしあわせだったのかという序盤の問いが自分に聞かれているようで、なんともいえない気持ちになった。 ヘルパーの経験がある作者の描写はリアル。自分は今助ける側の視点しかもてないけど、いつかは親もこうなり、自分もこういう終わりを迎えるのかな、、おばあちゃんも晩年、誰かがピンポンしてくるって夜の10時くらいに毎晩起きてたな、、
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時代が明治なのか昭和なのか令和なのか注意深く読まないとならない作品。 悲しい事がたくさんあっても昔は生きていくことが精一杯で「悲しい事」をキチンと「悲しい事」と認識できなかった。 年老いて記憶が曖昧になっても、忘れられない過去に囚われて逃れられない。 とても辛い内容でした。
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短い物語でしたが心にズシンとくるものがあった。 カケイさんは認知症を患った一人暮らし。 カケイさんはしあわせを奪われていたわけではなかった。周りのみんながカケイさんのことを思い続けていた。 だからこそ一人暮らしが平穏な生活だった。 しあわせだったか?と聞かれたら、しあわせ...
短い物語でしたが心にズシンとくるものがあった。 カケイさんは認知症を患った一人暮らし。 カケイさんはしあわせを奪われていたわけではなかった。周りのみんながカケイさんのことを思い続けていた。 だからこそ一人暮らしが平穏な生活だった。 しあわせだったか?と聞かれたら、しあわせでしたと答えてやろうと思う気持ち。なかなか言えることではない。
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認知症で意識もまだらになっているなかBBA目線で語られる半生はドロドロすぎて消化不良気味でした。 カケイさんが語る壮絶な人生。とわいっても幼少期から長女を出産してしばらく位までなので前半20年くらいで残りの60年くらいは語られてないのですが、多感な時期の辛い記憶のほうが残っている...
認知症で意識もまだらになっているなかBBA目線で語られる半生はドロドロすぎて消化不良気味でした。 カケイさんが語る壮絶な人生。とわいっても幼少期から長女を出産してしばらく位までなので前半20年くらいで残りの60年くらいは語られてないのですが、多感な時期の辛い記憶のほうが残っているようです。 大ちゃんの乳を飲んで大きくなったって、よくよく話を聴けば雌犬らしい。ヤクザもんの兄貴に男をあてがわれ夫婦になったとか。ディサービスのヘルパーさんたちのことを、みっちゃんって呼んでいる。 ヘルパーがないときは鬼嫁が自宅にきて介護しているようですが虐待をうけてるように語っています。 記憶が混乱してるとこもあり被害妄想もあるようで信憑性は疑われるし、誇張してるところもあるかもしれないですが、本人がそう感じているのだから幸せにはみえないですね。 兄貴の恋人だった広瀬の婆さんも同じディサービスに通っていて真相を告げられた時、知らないところで守られていたんだと幸せそうな思いに包まれていました。 人は自分のために苦労した人がいたとか聞かされると恩義を感じてしまうのですが、守る人のために苦労することができたとゆうのもウィンウィンな関係でよかったって思うのです。 老後を迎えやがて訪れる死に対してどのように向き合うべきなのか考えさせられる作品でした。
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「夜が、くる。一日の最後に、夜が、かならず、めぐってくる。夜は、ありがたい。夜は、手放しで、ありがたい。(中略)眠ってしまえば、もうあれこれかんがえずに、すむ。あああ。このまんま、あしたの朝、目が覚めなきゃいいのに」 一人きりで眠りにつく夜、こんな風に思いを巡らす時が私にもいずれ来るのだろうか。 カケイさんの老後の生き方から、自分の老後について考える。不安と孤独に苛まれそうになって怖くなった。 「カケイさんの人生は、しあわせでしたか?」 ヘルパーのみっちゃんからの質問をきっかけに、自分の来し方を手繰り寄せるカケイさんの人生は驚く程に波乱万丈。これでもかと次々に襲われる苦悩でしかない出来事に、私なら途中でギブアップしてるかも。 けれど、カケイさんの手を最期に彩る花々に、カケイさんの"しあわせ"だった頃の記憶に、リアカのお迎えに、とても幸せな気持ちになれた。私も最期でこんな気持ちになれるといいな。最後の最後で自分の人生を"しあわせ"だったと認識できたカケイさんに胸がアツくなった。 それにしても、広瀬のばーさんカッケー。
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永井みみさん「ミシンと金魚」読了しました。 最近のことはすっかり忘れてしまうけれど、昔の回想をして日々を過ごすカケイさん。周りは痴呆老人扱いだけど、カケイさんはいつも色々考えている。切なくて、少し可愛くて、悲しいけど幸せなカケイさんの一生。後悔も悲しみも幸せとして飲み込んだ一冊。...
永井みみさん「ミシンと金魚」読了しました。 最近のことはすっかり忘れてしまうけれど、昔の回想をして日々を過ごすカケイさん。周りは痴呆老人扱いだけど、カケイさんはいつも色々考えている。切なくて、少し可愛くて、悲しいけど幸せなカケイさんの一生。後悔も悲しみも幸せとして飲み込んだ一冊。(x同文)
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