体験格差 の商品レビュー
しばらく前から耳にするようになった「体験格差」。小さい子を持つ親として、納得できるところ、共感できるところが多々あった。習い事や旅行などを体験をさせたくても、お金がない、時間がない、体力がない。そうした親や子の切なさ、如何ともし難さは、リアルに想像できる。幸い自分自身は子どもに体...
しばらく前から耳にするようになった「体験格差」。小さい子を持つ親として、納得できるところ、共感できるところが多々あった。習い事や旅行などを体験をさせたくても、お金がない、時間がない、体力がない。そうした親や子の切なさ、如何ともし難さは、リアルに想像できる。幸い自分自身は子どもに体験をさせられていると思っているけれども、たまたまそうできる境遇にあるからだけで、だから良かったなどとはとても言えない。それにしても、夏休みに入って給食がなくて大変だ、休みだけどどこにも連れていけない、とう家庭の様子を伝えるネット記事に、工夫が足りない、工夫次第で体験はできる、分かっていたことなんだから準備しておけ、といった論調のコメントが数多く並んでいるのを見たときは、あまりに驚いた。なんでそんなに冷たいのかなあ。個々の努力や工夫でなんとかできる範囲なんてとうに超えていて、単に政策が悪いからとしか私には思えない。それを叩くのは、いかがなものか。
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体験は贅沢品なのではなく、必需品であるとして体験格差に抗う方法を提示。日本の貧困、物価の上昇、格差、シングルマザー、生活保護等様々な社会的な課題にまたがると感じた。データの分析も納得で、説得力があった。
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習字と水泳くらいは通わせたけど、海外旅行とかは連れて行ってやれてないなぁ。くらいの親からそれくらいの話かと思ったらもうちょいシビアな話やった。いや、地域のスポーツとかやりたい言われてたら送迎とか付き添いとか言われてたらキツかったかも。言うて来んかったのは興味なかったのか遠慮してた...
習字と水泳くらいは通わせたけど、海外旅行とかは連れて行ってやれてないなぁ。くらいの親からそれくらいの話かと思ったらもうちょいシビアな話やった。いや、地域のスポーツとかやりたい言われてたら送迎とか付き添いとか言われてたらキツかったかも。言うて来んかったのは興味なかったのか遠慮してたんか知らんけど。まぁピアノだのヴァイオリンだの言われたら無理やったし、それは無理にしても野球サッカーくらいは家庭環境関係なくやらせてやれるくらいの社会であってほしいとは思うけど難しいのかなぁ。
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2章の当事者とその保護者へのインタビューは必読。体験がいかに喫緊の課題か認識できる。 提案や調査は一定の価値を持つが今後の継続が大事になるだろう。
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子どもにとって体験が大事な理由の説明が短いと感じた。もう少し詳しく、具体的に書かれていた方が良かったと思う。
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新書の割に非常に読みやすい本。インタビューやグラフが多くあるからだと思う。 体験を子どもにさせることは低所得家庭では困難である。それは間違いないと思う。基準に英国の基準を用いていた。偏見なのは分かっているが、絵画の「ジン横町」やメアリー・ベル事件などがすぐに出てきてしまう私はアルコール中毒の両親が結構いるのでは?なんて失礼な想像をしてしまう。そして体験を金で買う、ということが日本では日常なのだと思う。なぜなら子どもの体験というのも教育業界というビジネスだからだ。この体験が子どものためになる、と考えるからこそ、親は金を出すのだし、ビジネスとしては他との差異化を図り、益を出す努力をする。 私自身は子どもの頃、この書物に登場するような体験をしてこなかった。キャンプに行ったこともなく、ピアノを習ったこともなく、水泳を習ったこともない。学者という職業があることを知らず、なろうと思ったこともなかったが、知っていたら、なりたいと思っていただろうな、と感じたこともある。 体験からくる収穫物を期待する親が多くいるのなら(実際多いのではないか)、体験をすることが必ずしも幸せに繋がるとは思えない。 ただ、子どもがやってみたい、ということをやらせてあげることが出来ない、という事例はこの本の中に書かれていたことと、ほぼ同じことを聞いたことはある。 教師が疲弊し、クラブ活動を地域運営、民営移行する動きとも関連することではないだろうか。 子育てを外部委託したい動きがあるのだと思うが、それを社会で負担するという動きにはならず、個人負担になるから格差が生まれ、SNSの発達で、人が羨ましく思う世界がつぶさに分かるようになり、鬱屈を抱えるようになってしまったように私は感じる。
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家庭環境によって起こる、子どもの体験格差について。 子ども時代の体験は必須。 家庭や学校だけではなく、地域、社会で取り組んでいく大切さについて書かれている。
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70頁のグラフで体験をさせてあげられなかった理由が、経済的理由、送迎、付き添いなどの時間的理由、近くにない、保護者の精神的体力的理由、情報がないの順。体験の規格に親子が気力体力時間とお金をあわせていくのは難しそうでした。低学年も参加しやすいように通学路に課外活動の場が点在していて...
70頁のグラフで体験をさせてあげられなかった理由が、経済的理由、送迎、付き添いなどの時間的理由、近くにない、保護者の精神的体力的理由、情報がないの順。体験の規格に親子が気力体力時間とお金をあわせていくのは難しそうでした。低学年も参加しやすいように通学路に課外活動の場が点在していて自分の興味関心が見つけられると良いのですが、地域活動になると維持するための親のかかわりもまた負担が大きいようでした。
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我が身を振り返りながら現代社会のひとつの側面の問題を知ることが出来た。 私の事業としても協力できそうなところがあるので、これをきっかけに何か形にして社会貢献が出来ればという思いになった。
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多くの皆さんのたゆまぬ活動と発信により「子どもの貧困」という言葉はこの十年程で日本社会の多くの人の認知を獲得してきましたが、貧困であるということの辛さや厳しさについて適切な理解がなされているとはまだまだ言えないでしょう。絶対的貧困だけでなく相対的貧困も大きな課題であることやそうし...
多くの皆さんのたゆまぬ活動と発信により「子どもの貧困」という言葉はこの十年程で日本社会の多くの人の認知を獲得してきましたが、貧困であるということの辛さや厳しさについて適切な理解がなされているとはまだまだ言えないでしょう。絶対的貧困だけでなく相対的貧困も大きな課題であることやそうした環境で生活するとはどういうことなのかについてもう一歩想像させる力を持つと思えるのが本書で解説される「体験格差」という課題であり問題提起です。ひとりでも多くの人が手に取り知っていただきたい社会課題です。
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