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極楽に至る忌門 の商品レビュー

3.8

20件のお客様レビュー

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2024/09/12

近頃よく見る因習村系ホラー。レビューも悪いのを見ないのでちょっと期待しつつ読んでみると、作品の全体的に漂う不気味な雰囲気が良かった。最初の章では恐ろしいことが起きているけど詳細は不鮮明に見えた。ただそれが章を追うごとに原因や事態が徐々にハッキリ見えてくるようになる。ジメジメとした...

近頃よく見る因習村系ホラー。レビューも悪いのを見ないのでちょっと期待しつつ読んでみると、作品の全体的に漂う不気味な雰囲気が良かった。最初の章では恐ろしいことが起きているけど詳細は不鮮明に見えた。ただそれが章を追うごとに原因や事態が徐々にハッキリ見えてくるようになる。ジメジメとしたまとわりつく恐さを感じてみたい人はおすすめ。

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2024/09/10
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

他者を犠牲に得る極楽の鍵。他者を踏み台にして得る安寧を極楽と呼び求める村人達の思想は、生贄を求め続ける『猿』よりも恐ろしい。 果たしてそれが地獄なのか極楽なのかは『死んでみんとわからん』のでしょう。 尤も、『猿』と契約していないわたし達は死んでもきっとわからないでしょうけど。

Posted byブクログ

2024/08/24

もうこんなんなっちゃったら物部さんも諦めるっきゃないよ(絶望) 『泣き仏』の視点キャラクターの女性がただただ可哀相で……。 しっかり読み返してみると『頷き仏』の大学生も怪異側から近付かれたように見えるし『笑い仏』の子供も終始普通の子供らしい判断しかしてないし、基本みんな土地の怪...

もうこんなんなっちゃったら物部さんも諦めるっきゃないよ(絶望) 『泣き仏』の視点キャラクターの女性がただただ可哀相で……。 しっかり読み返してみると『頷き仏』の大学生も怪異側から近付かれたように見えるし『笑い仏』の子供も終始普通の子供らしい判断しかしてないし、基本みんな土地の怪異に巻き込まれたパターンなのがまた恐ろしい。 元々はニュートラルだった土地神に危険な方向性を与えてしまった村人が怖いヒトコワとも受け取れるし、人間の理屈では理解できない方向に成長を遂げてしまった怪異が一番怖いとも受け取れるなー。

Posted byブクログ

2024/08/13

【2024年161冊目】 田舎は閉鎖的でどうしようもない話をするのやめよう――そう言い放った隼人に声をかけてきたのは、正に「田舎の村」から出てきた匠だった。匠の願いを叶えるため、共に彼の村を訪れた隼人だったが、彼の祖母が止めるにもかかわらず電話を手に取ってしまう。「ととを、くうち...

【2024年161冊目】 田舎は閉鎖的でどうしようもない話をするのやめよう――そう言い放った隼人に声をかけてきたのは、正に「田舎の村」から出てきた匠だった。匠の願いを叶えるため、共に彼の村を訪れた隼人だったが、彼の祖母が止めるにもかかわらず電話を手に取ってしまう。「ととを、くうちょるんですよねえ」「隼人にしか頼れないから」土地の因縁を巡る4つの連作短編集。 少し迷って読み始めたのが23時半、きりのいいところでいったん終わろうと思ってたつもりが読了したら2時半でした。くそ!帯を信じれば良かった…「面白すぎて、途中でやめるの不可能!」 さすがに日常生活が破綻するは言い過ぎだなと思いましたが、最初から最後までぞわぞわして非情に面白かったですし、途中で読むの止めたら、夢に出てきそうだな〜と思って一気に読みました。ホラーでもミステリーでも、一応は最後までたどり着いたら何かしらの光明が見えるものなので。 1作目が1番好きだったかも。ふと思い浮かべたのは「スタンフォード監獄実験」でした。最後まで結構ベースにあった人間の性質なような気がします。あとは、機会損失とか。 民族的な怖さは真相が明らかになる、つまり章を追うごとにちょっとだけ薄れていきつつ、いやあくまでもちょっとだけでシンプルに怖かったです。 でもやっぱり1作目が怪異と人間の欲望をうまく絡めていた気がして好きですね。 読み切って良かった〜なんとか眠れそうです。

Posted byブクログ

2024/08/04

短編集4つ! それぞれが、布石といえばそうなんやけど、全てが要らん事してしまった!って感じになるんかな。 はじめは、神の使いみたいなんがおって、それが願いをかなえるみたいなのが… どんどん歪んでいく〜 短編事に、更に更に歪んで行って、最後は、もうどうにもなりません! 物部さ...

短編集4つ! それぞれが、布石といえばそうなんやけど、全てが要らん事してしまった!って感じになるんかな。 はじめは、神の使いみたいなんがおって、それが願いをかなえるみたいなのが… どんどん歪んでいく〜 短編事に、更に更に歪んで行って、最後は、もうどうにもなりません! 物部さんでも! やっぱり、神も仏もあったものか!というのは人側からの考えなのが良く分かる。 神も仏も自分らが、歪ませておいて、最後に救いを求めてもあかんって事やな。 何の救いもない終わり方やけど、やっぱり、人では超えてはならんもんがあって、超えたら、それなりの報いが来るんやな。 古い山奥の村の因習、 生贄、 土着信仰 と絡ませて、怖かった。 しかし、結局は、人側の問題やねんな。 あの世まで、幸せにって、それも自分だけ…歪むわ! 物部さん、登場しても、「もう遅い!ムリやから逃げろ!」っていうのも、それはそれで意外やけど…w

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2024/08/01

人ん家の電話に家主を差し置いて出る奴がこの世にいることを知れた 怪異の羅列とその真相のみなので、もう少し進んだところにオチがあればもっと楽しめたように思う

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2024/07/20

ホラー、カルト、民族信仰の怖いもの見たさで首を突っ込みたくなる面白さは感じられたが、ストーリーの流れやまとまりはイマイチだった

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2024/07/08

「頷き仏」「泣き仏」「笑い仏」「外れ仏」 四話収録の連作短編集。 読んでいる間ずっと湿り気を帯びた衣類が身体に纏わりつくような不快感を感じた。 物語の舞台は四国の山奥に位置する因習村。 東京から帰省する友人に付き添った隼人だが、到着早々奇怪な電話があり、その家で暮らしていた祖...

「頷き仏」「泣き仏」「笑い仏」「外れ仏」 四話収録の連作短編集。 読んでいる間ずっと湿り気を帯びた衣類が身体に纏わりつくような不快感を感じた。 物語の舞台は四国の山奥に位置する因習村。 東京から帰省する友人に付き添った隼人だが、到着早々奇怪な電話があり、その家で暮らしていた祖母が死亡、友人は行方不明に。 冒頭から一気に不穏な空気に包まれる。 大切に祀られている石仏、奇妙なわらべ歌、三つの捧げ物とホラー度は更に増していき、並行して恐怖も倍増していった。 怪異も怖けりゃそれ以上に人間も恐ろしい。 悍ましさ満載の民俗学ホラー。

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2024/07/01
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

因習村モノとして楽しく読みました。 村人が拝んでいる仏とは何か? 何が起こってて、何が原因なのか、沢山のヒントを基に考察しながら読んでましたが、途中に出てくる母親の手記によって一気にあぁ!そうゆうことか!となりました。 怖くないはずなのにあの手記が1番怖かったです。 普通、ホラーは主人公が助かりたくて行動するものですけど、本作は結局助かる気ないってのも個人的には新鮮でした。

Posted byブクログ

2024/06/28
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

最強の拝み屋、あの物部さんでも止められなかった土地の因縁と怪異と聞けば読まずにいられない。 四国の山奥の村に帰省する友人に同行した大学生が巻き込まれる「頷き仏」、母の日記に戦慄する「泣き仏」、前二章の集大成でもあり小学生に容赦なく襲いかかる絶叫恐怖体験「笑い仏」の各章に散らばる怪異の断片を集めて浮かび上がるのは、因習の業を深くし神も仏も歪めてしまう人間の醜悪な一面。 大切なものを見失った末路に震える。 人の心の闇を見透かす怖さと主要キャラクターが魅力的な芦花公園ホラー沼からは抜けられないなとまた確信を深めた。

Posted byブクログ