極楽に至る忌門 の商品レビュー
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大切なものと引き換えてでも自分は極楽に行こうと思える心がいちばん怖い。 老人から子どもまで、毒気のある人物が次々出てきてお腹いっぱいになった。特に泣き仏、あの日記を娘に読ませようとする母親の気持ち、理解できないし理解したくもない……
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思いっきり嫌な気分に浸りたかった。 電子で買って一気読み。紙でも欲しい。 最高に最悪な4つの短編。 人の濁り切った感情を最大公約数に濾過してホラーに消化するのが上手いな。物部さんは「芸能人みたいに見た目が良い」と描写されるけど実際どんな顔なんだろう。予想するのが難しい。 読み直したら謎が出てきたので整理のために書き出します↓ 頷き仏 ばあちゃんの「頷き仏をね、近づけたの」は自分が死んでこの土地を守る覚悟をきめたってこと?わざわざ東京から孫が帰ってくる時にやるべきことなのか? それに対して匠が「様子を見てくる」は自分が死ぬことを分かった上でのことなのか?そもそも隼人を連れてきた時点で隼人に復讐する気はあった? 匠と隼人の痴情の縺れが、途中から判明してなぜ隼人が匠の頼みを断れないのかわかるのが嫌なスッキリ感。
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匠もよくこうして、うんうんと頷きながら、隼人の話を聞いた。 なんでもないことでも、うんうんと頷いてきて、気分が良かった。 気分が良かったから、少しはいい思いをさせてやろうと思った。 善意と善意だったのだ。始まりは。 誰にも責められるべきではない。 (頷き仏/泣き仏/笑い仏/外れ...
匠もよくこうして、うんうんと頷きながら、隼人の話を聞いた。 なんでもないことでも、うんうんと頷いてきて、気分が良かった。 気分が良かったから、少しはいい思いをさせてやろうと思った。 善意と善意だったのだ。始まりは。 誰にも責められるべきではない。 (頷き仏/泣き仏/笑い仏/外れ仏)
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近頃よく見る因習村系ホラー。レビューも悪いのを見ないのでちょっと期待しつつ読んでみると、作品の全体的に漂う不気味な雰囲気が良かった。最初の章では恐ろしいことが起きているけど詳細は不鮮明に見えた。ただそれが章を追うごとに原因や事態が徐々にハッキリ見えてくるようになる。ジメジメとした...
近頃よく見る因習村系ホラー。レビューも悪いのを見ないのでちょっと期待しつつ読んでみると、作品の全体的に漂う不気味な雰囲気が良かった。最初の章では恐ろしいことが起きているけど詳細は不鮮明に見えた。ただそれが章を追うごとに原因や事態が徐々にハッキリ見えてくるようになる。ジメジメとしたまとわりつく恐さを感じてみたい人はおすすめ。
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他者を犠牲に得る極楽の鍵。他者を踏み台にして得る安寧を極楽と呼び求める村人達の思想は、生贄を求め続ける『猿』よりも恐ろしい。 果たしてそれが地獄なのか極楽なのかは『死んでみんとわからん』のでしょう。 尤も、『猿』と契約していないわたし達は死んでもきっとわからないでしょうけど。
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もうこんなんなっちゃったら物部さんも諦めるっきゃないよ(絶望) 『泣き仏』の視点キャラクターの女性がただただ可哀相で……。 しっかり読み返してみると『頷き仏』の大学生も怪異側から近付かれたように見えるし『笑い仏』の子供も終始普通の子供らしい判断しかしてないし、基本みんな土地の怪...
もうこんなんなっちゃったら物部さんも諦めるっきゃないよ(絶望) 『泣き仏』の視点キャラクターの女性がただただ可哀相で……。 しっかり読み返してみると『頷き仏』の大学生も怪異側から近付かれたように見えるし『笑い仏』の子供も終始普通の子供らしい判断しかしてないし、基本みんな土地の怪異に巻き込まれたパターンなのがまた恐ろしい。 元々はニュートラルだった土地神に危険な方向性を与えてしまった村人が怖いヒトコワとも受け取れるし、人間の理屈では理解できない方向に成長を遂げてしまった怪異が一番怖いとも受け取れるなー。
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【2024年161冊目】 田舎は閉鎖的でどうしようもない話をするのやめよう――そう言い放った隼人に声をかけてきたのは、正に「田舎の村」から出てきた匠だった。匠の願いを叶えるため、共に彼の村を訪れた隼人だったが、彼の祖母が止めるにもかかわらず電話を手に取ってしまう。「ととを、くうち...
【2024年161冊目】 田舎は閉鎖的でどうしようもない話をするのやめよう――そう言い放った隼人に声をかけてきたのは、正に「田舎の村」から出てきた匠だった。匠の願いを叶えるため、共に彼の村を訪れた隼人だったが、彼の祖母が止めるにもかかわらず電話を手に取ってしまう。「ととを、くうちょるんですよねえ」「隼人にしか頼れないから」土地の因縁を巡る4つの連作短編集。 少し迷って読み始めたのが23時半、きりのいいところでいったん終わろうと思ってたつもりが読了したら2時半でした。くそ!帯を信じれば良かった…「面白すぎて、途中でやめるの不可能!」 さすがに日常生活が破綻するは言い過ぎだなと思いましたが、最初から最後までぞわぞわして非情に面白かったですし、途中で読むの止めたら、夢に出てきそうだな〜と思って一気に読みました。ホラーでもミステリーでも、一応は最後までたどり着いたら何かしらの光明が見えるものなので。 1作目が1番好きだったかも。ふと思い浮かべたのは「スタンフォード監獄実験」でした。最後まで結構ベースにあった人間の性質なような気がします。あとは、機会損失とか。 民族的な怖さは真相が明らかになる、つまり章を追うごとにちょっとだけ薄れていきつつ、いやあくまでもちょっとだけでシンプルに怖かったです。 でもやっぱり1作目が怪異と人間の欲望をうまく絡めていた気がして好きですね。 読み切って良かった〜なんとか眠れそうです。
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短編集4つ! それぞれが、布石といえばそうなんやけど、全てが要らん事してしまった!って感じになるんかな。 はじめは、神の使いみたいなんがおって、それが願いをかなえるみたいなのが… どんどん歪んでいく〜 短編事に、更に更に歪んで行って、最後は、もうどうにもなりません! 物部さ...
短編集4つ! それぞれが、布石といえばそうなんやけど、全てが要らん事してしまった!って感じになるんかな。 はじめは、神の使いみたいなんがおって、それが願いをかなえるみたいなのが… どんどん歪んでいく〜 短編事に、更に更に歪んで行って、最後は、もうどうにもなりません! 物部さんでも! やっぱり、神も仏もあったものか!というのは人側からの考えなのが良く分かる。 神も仏も自分らが、歪ませておいて、最後に救いを求めてもあかんって事やな。 何の救いもない終わり方やけど、やっぱり、人では超えてはならんもんがあって、超えたら、それなりの報いが来るんやな。 古い山奥の村の因習、 生贄、 土着信仰 と絡ませて、怖かった。 しかし、結局は、人側の問題やねんな。 あの世まで、幸せにって、それも自分だけ…歪むわ! 物部さん、登場しても、「もう遅い!ムリやから逃げろ!」っていうのも、それはそれで意外やけど…w
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人ん家の電話に家主を差し置いて出る奴がこの世にいることを知れた 怪異の羅列とその真相のみなので、もう少し進んだところにオチがあればもっと楽しめたように思う
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ホラー、カルト、民族信仰の怖いもの見たさで首を突っ込みたくなる面白さは感じられたが、ストーリーの流れやまとまりはイマイチだった
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