極楽に至る忌門 の商品レビュー
「頷き仏」「泣き仏」「笑い仏」「外れ仏」 四話収録の連作短編集。 読んでいる間ずっと湿り気を帯びた衣類が身体に纏わりつくような不快感を感じた。 物語の舞台は四国の山奥に位置する因習村。 東京から帰省する友人に付き添った隼人だが、到着早々奇怪な電話があり、その家で暮らしていた祖...
「頷き仏」「泣き仏」「笑い仏」「外れ仏」 四話収録の連作短編集。 読んでいる間ずっと湿り気を帯びた衣類が身体に纏わりつくような不快感を感じた。 物語の舞台は四国の山奥に位置する因習村。 東京から帰省する友人に付き添った隼人だが、到着早々奇怪な電話があり、その家で暮らしていた祖母が死亡、友人は行方不明に。 冒頭から一気に不穏な空気に包まれる。 大切に祀られている石仏、奇妙なわらべ歌、三つの捧げ物とホラー度は更に増していき、並行して恐怖も倍増していった。 怪異も怖けりゃそれ以上に人間も恐ろしい。 悍ましさ満載の民俗学ホラー。
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因習村モノとして楽しく読みました。 村人が拝んでいる仏とは何か? 何が起こってて、何が原因なのか、沢山のヒントを基に考察しながら読んでましたが、途中に出てくる母親の手記によって一気にあぁ!そうゆうことか!となりました。 怖くないはずなのにあの手記が1番怖かったです。 普通、ホラーは主人公が助かりたくて行動するものですけど、本作は結局助かる気ないってのも個人的には新鮮でした。
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最強の拝み屋、あの物部さんでも止められなかった土地の因縁と怪異と聞けば読まずにいられない。 四国の山奥の村に帰省する友人に同行した大学生が巻き込まれる「頷き仏」、母の日記に戦慄する「泣き仏」、前二章の集大成でもあり小学生に容赦なく襲いかかる絶叫恐怖体験「笑い仏」の各章に散らばる怪異の断片を集めて浮かび上がるのは、因習の業を深くし神も仏も歪めてしまう人間の醜悪な一面。 大切なものを見失った末路に震える。 人の心の闇を見透かす怖さと主要キャラクターが魅力的な芦花公園ホラー沼からは抜けられないなとまた確信を深めた。
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救いがあるのか、無いのか まさにホラーな感じがとても良い 佐々木事務所シリーズ未読でしたが、それでも かなり面白かった
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物語は常に不穏。 なるほど、なるほどねぇ。 村ホラー(人怖)系の分類でいいのかな? もう一押し重さがほしかったかな。 どこか遠くの話という概念が消えなくて、読んでる間は怖い空気がすぐそこにいて欲しい私としては少し置いてけぼり感が。
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#読了 2024/5/18 極楽に至る忌門/芦花公園 得体の知れないものを信頼して崇めてはいけないね。正体がなんでどう言う由来があるのかは分からないが、わからないものこそを人は恐ると言う話はある。すでに狂ってしまった人目線のところもあるから、ちょっと読むのにしんどいところも。
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お化けも神様も怖いけど、人間の欲が1番身近で恐ろしいなあっていう。 芦花公園先生の他作品を読んでからの方が、より楽しめると思います。ナリキヨが出るよ!
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初っ端オチでびっくりした ナチュラルにいれてくる でも面白かった! 願いを叶えてくれる代わりに残虐な要求をしてくる怪異は多いし、それが神格化した伝説も多いと思うけど初めて読む話だった。 オリジナルなのかな? 時代背景がよくわからなくて混乱したけど、一番最後のYouTubeガキのはわかりやすい。 1話目 平成 2話目 昭和 3話目 令和 エピローグ 数年後くらい?令和 って感じかな。 ガキがめちゃくちゃ今時のガキでうざかった 2話のお姉さんはちょっと可哀想過ぎたなぁ 物部さん出てきて興奮した!
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訳が分からず理不尽だったのが頷き仏、救いがなく悲痛でしんどかったのが泣き仏、怪異も人間も恐ろしかったのが笑い仏、後日談の外れ仏。 因習村ホラーというのか、これぞジャパニーズホラーという雰囲気でよかった。 田舎の村の閉塞感がよく描写されている。 別作品に出ている物部斉清が登場する...
訳が分からず理不尽だったのが頷き仏、救いがなく悲痛でしんどかったのが泣き仏、怪異も人間も恐ろしかったのが笑い仏、後日談の外れ仏。 因習村ホラーというのか、これぞジャパニーズホラーという雰囲気でよかった。 田舎の村の閉塞感がよく描写されている。 別作品に出ている物部斉清が登場する。笑い仏がこの話の「解答編」に当たり1番好きだった。 カクヨムにスピンオフが掲載されていて、スピンオフまで含めて本編。津守日立は良い人だったんだよ。
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あまり救いのないサイコホラー 作者さんの過去作品を読んでからの方がより楽しめるのかもしれない。 カクヨムに後日談的作品を投稿されているが、それも救いがなくてテーマを一貫されていて好感が持てる
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