ビブリア古書堂の事件手帖(新シリーズ)(Ⅳ) の商品レビュー
お久し振りに「ビブリア古書堂」、11作目。 今回は、かつて鎌倉文士たちが設立した貸本屋、鎌倉文庫の蔵書の行方について、篠川家の女性たち3代の関わりが描かれる。 夏目漱石の作品を中心に語られる物語は、扉子~智恵子~栞子の順で話が展開。 前作の感想に『のほほんとした恭一郎が悩める扉...
お久し振りに「ビブリア古書堂」、11作目。 今回は、かつて鎌倉文士たちが設立した貸本屋、鎌倉文庫の蔵書の行方について、篠川家の女性たち3代の関わりが描かれる。 夏目漱石の作品を中心に語られる物語は、扉子~智恵子~栞子の順で話が展開。 前作の感想に『のほほんとした恭一郎が悩める扉子の良い後輩になってくれそうな雰囲気でいい感じと思っていたが、いやはや…。次巻、どうなることやら』と書いたが、令和編で語られる扉子と恭一郎はそれなりに進展?心配していた智恵子さんのダークサイドの影響は今のところなかったみたいだが、今回、扉子の推理はあまり冴えず。 昭和編では智恵子さんがセーラー服を着ていた頃の姿が描かれ、既にその将来を予感させる不敵さ油断なさで今回もまた印象は強烈。これまで語られていなかった篠川登(その後の智恵子の夫にして栞子の父)が登場するのが珍しくまた面白い。 平成編は作者さんか書きたかったという栞子さんの過去の話。こちらもまたセーラー服の栞子さんが登場してさすがの推理を見せるが、どちらかと言えば、それまで話を引っ掻き回してきた兼井健蔵花子の夫婦に良いところを持っていかれたみたい。 それぞれが招待され一堂に会したパーティーで、また智恵子さんが何かをぶっ込んで来るかと思っていたが、意外にも普通の家族の集まりみたいになってやや拍子抜けした。
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感想 本で本のことを詳しく学ぶ、なんか良いなぁ。 あらすじ 扉子の親友の圭が持ってきた漱石の鶉籠の初版本がどのようにして手に入れられたのかを暴く話、智恵子と登の鎌倉文庫を巡る昔話、最後は鎌倉文庫の貸本蔵書がどこに行ったのかを栞子が謎解きする。
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ビブリア古書堂その後シリーズの第四弾。 第二次世界大戦中、川端康成をはじめとした鎌倉の文士たちが、 自分たちの蔵書を提供して営なわれていた貸本屋「鎌倉文庫」。 夏目漱石の初版本も含まれていたらしいその貴重な本千冊は、 現在行方知れず。 その行方を巡るお話。 前作で気になっていた扉子とその友達の仲違いの件もわかったし、 同じく前作で登場した後輩の少年も登場したし、 栞子とである前の大輔がちらっと出ていたり、 栞子の母と父との出会いが書かれていて良かった。 栞子の母が鎌倉の書店店主の隠し子であったとは驚き。 相変わらず、鎌倉の古書業界の人間関係は入り組んでいる。 栞子の父が母にふるまったインスタントラーメンが美味しそうだった。
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鎌倉文庫の存在や貸出本の所在の謎など、知らなかった事実を知ることができて面白かった。そんな贅沢な場所があったなんて羨ましい。篠川家の三者三様の本の虫にも古書を通じて継がれる道があると感じてホッとする。夏目漱石が昔から漠然とあまり好きじゃなかったが、夫人が作中で語る理由に共感するも...
鎌倉文庫の存在や貸出本の所在の謎など、知らなかった事実を知ることができて面白かった。そんな贅沢な場所があったなんて羨ましい。篠川家の三者三様の本の虫にも古書を通じて継がれる道があると感じてホッとする。夏目漱石が昔から漠然とあまり好きじゃなかったが、夫人が作中で語る理由に共感するものが多かった。
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プロローグ/令和編『鶉籠』/昭和編『道草』/ 平成編『吾輩ハ猫デアル』/エピローグ 鎌倉文庫の謎……… ふ~~ん またまた知らないことでした
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忘れた頃に続巻が出るこのシリーズ。私にはちょうど良いペースで今をもって追いかけられている。今作もブレない本の虫である扉子さんや母の栞子さんのオタクっぷりがとても良い。知識量はとうてい及ばなくともそれ以外は共感しかない。本好きにとって読み心地が良すぎるシリーズなのだ。昭和編では扉子...
忘れた頃に続巻が出るこのシリーズ。私にはちょうど良いペースで今をもって追いかけられている。今作もブレない本の虫である扉子さんや母の栞子さんのオタクっぷりがとても良い。知識量はとうてい及ばなくともそれ以外は共感しかない。本好きにとって読み心地が良すぎるシリーズなのだ。昭和編では扉子さんにとっての祖母、智恵子さんの高校時代のお話がメインで登場。と言ってもやはり古書のお話で高校生活の描写は皆無だが。このころからすでに末恐ろしい、今のあの強烈なご婦人になる予感しかない不敵な美少女っぷりが非常に良い。そして後に智恵子さんとともにビブリアを継ぐことになる、この時はまだ大学生の登さん(扉子さんの祖父)も登場。この方の描写は今まであまり無かったからなんだか嬉しい。どの登場人物にも改めて愛着が沸いてしまった。まだまだ続くようで今からもう楽しみである。
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このシリーズ、2年ぶりでなんだか懐かしい。祖母、母、娘、三代に渡る話。栞子は智恵子と互角に渡り合ってきたけれど、扉子は、表紙絵の印象通り優しそうな印象で、二人を上回るには、若さで勝負するか、あるいは、恭一郎と圭とチームを組めばなんとかなりそうか。第2話で、智恵子の若かりしころの活躍が見れたことと、父登視点の話が読めたのは良かった。智恵子のその後何があったのかは気になる。第3話は栞子による前日譚だけれど、やっぱり大輔とコンビを組んでこそより実力を発揮できるのではないかと思う。扉子がかすがいになって、智恵子と栞子の関係も少し改善しているように見えて、その点はホッとする。全40巻の「ちくま日本文学」は読んでみたい。
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夏目漱石の初版本をめぐって篠川家が3代にわたって関わりあった成り行きとその後の縁のお話。 扉子ちゃんの性格はきっと祖母の智恵子さんに似てるんだろうな。
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シリーズは全て読んできました。 今回は篠川家の3代を描く内容で特に謎に包まれていた千代子さんの過去に触れられてます。斬新な設定ですが3人の個性の棲み分けが今ひとつな描ききれていなかった気がします。元々、すごく似ている3人と言う事なのでこれで良いのかもしれませんが。
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待ってました。 楽しくてあっという間に読み終わってしまう。 相変わらず、本が読みたくなる作品。 しかし変な誤植?が気になった。内容はいいのに…。
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