板上に咲く の商品レビュー
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昨年12月に棟方志功展に行ったので、その作品を見返しつつ、読書を進めることができ、とても楽しかった。 マハさんの本にしては珍しく、芸術家の恋物語だったのかもしれない、と感じた。読後感も気持ちいい。 チヤさんは棟方志功が芸術家になると心底思ったからこそ、支えられたのだろうなぁ。ここまで信じて支えきることはなかなかできない、と思った。 チヤさんのおかげで世界のムナカタが生まれたというか、チヤさんと棟方志功の共同創造なのかもしれない。
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Audibleにて。 命を燃やす、とはこのような生き様か。 こんな風に全身全霊で生きたい。 妻目線での物語。 ひとりの芸術家の、泥臭く生き生きとした人生が他者目線で語られる。 彼女自身の人生は、 墨を摺る行為が全てを物語っているのだろうか。 オチは秀逸。なんとも微笑ましい。...
Audibleにて。 命を燃やす、とはこのような生き様か。 こんな風に全身全霊で生きたい。 妻目線での物語。 ひとりの芸術家の、泥臭く生き生きとした人生が他者目線で語られる。 彼女自身の人生は、 墨を摺る行為が全てを物語っているのだろうか。 オチは秀逸。なんとも微笑ましい。 二人の息遣いや情景が頭の中で勢いよく広がっていき、散歩しながら聴いていたのだが、かなり没入できた。 朗読の良さを存分に味わえた。 (追記。時代背景もあるのだが、妻の自己犠牲が気になった。 圧倒的な才能と熱量を前にして、全てを捧げて応援したくなる気持ちは分からなくもないが、彼女は彼女なりの仕事或いはそれに準ずる何かに向き合って生きて欲しかった。 職業婦人になってやる!と勉強して勝ち取った職だったのに。棟方が魅力的な人だったのもわかる。 しかし、彼女は彼女の人生を、また、夫は彼女の献身を、どう考えていたのだろうか。) 2024.4.3 読了
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子供の頃テレビ番組で棟方志功の製作現場を見た。取り憑かれたようなその様子に気持ち悪さ(笑)を感じながらも目が離せなかった。 それが「五本の指ではなく鬼のように三本の爪でやるような仕事をしたい」と語った、荒魂を呼び返す作品を作っていたのだ。50年近く経って、おーっっそうだったのかと...
子供の頃テレビ番組で棟方志功の製作現場を見た。取り憑かれたようなその様子に気持ち悪さ(笑)を感じながらも目が離せなかった。 それが「五本の指ではなく鬼のように三本の爪でやるような仕事をしたい」と語った、荒魂を呼び返す作品を作っていたのだ。50年近く経って、おーっっそうだったのかと。 これだから本は面白い。 棟方志功記念館に行きたいと思ったら、つい半年前に閉館してしまったとか。 何と残念。
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版画製作のただ一事に没頭し続ける棟方志功と、その夫を信じ懸命に支え続けるチヤの生き様に感動しました。 こんな生き方に憧れます。棟方志功の作品をもっと感じたいと思うようになりました。
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棟方が柳宗悦に見出されたから、民藝間 岡山大原美術館 に沢山飾られてる事がこの本で分かった。とても勉強になった
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棟方志功の生き様を、妻・チヤの目線を借りて語られた本。 読む前は、私は棟方志功の名も作品も知らなかった。表紙を見て、モチモチの木の作者・滝平二郎と勘違いをしていた程で。本当にお恥ずかしい限り。 原田マハさんは研究や取材を重ね、棟方志功とチヤの人物像を作っていったのだろうけど、本当にそれが魅力的で。 感情豊かで、どこかとぼけた志功の行動に笑ってしまう場面が多かった。孫であり棟方研究の第一人者である石井頼子さんがこの本の監修をしたそうなんだけれど、「立っているだけで面白かった」と呟いたそう(原田マハ公式ウェブサイトの本人インタビューより) かつ、『事前に題材についてつぶさに調査し、数えきれないほどの下絵を描き、構図を練り、試し描きをして、綿密な下ごしらえをする。そうこうしているうちに震動が始まり、次第に地鳴りが高鳴って、ついに噴火する』のだという。 もし身近にこんな人がいたら間違いなく虜になっていただろうな。 妻・チヤの生き様がまたすごくて。早くから精神的に自立していたからこそ、凄まじいパワーを持った志功を信じ、共に人生を歩んだんだなと... ほんとうに格好いい女性。 朝ドラをあまり見たことがない私が言うのもあれだけど、是非ともこれは朝ドラ化してほしい。 板を覆うようにして掘っている棟方の映像も残っているそうだから、板画作品鑑賞と共にぜひ観にいきたい!
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棟方志功さんの版画は独特の雰囲気が好き。それが生まれるにはこんな物語があったんだ。また改めて版画をみたいもんだ。
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妻のチヤから見た志功との生活を津軽地方の方言を交えて生き生きと描いている。 目の前で17歳からフランスのゴッホの墓を訪れるまでの40年間をまるで映画を見るように物語が映っていた 妻チヤが支えてくれたから、「世界のムナカタ」が生まれたことに感謝します 倉敷の大原美術館、駒場の民藝館...
妻のチヤから見た志功との生活を津軽地方の方言を交えて生き生きと描いている。 目の前で17歳からフランスのゴッホの墓を訪れるまでの40年間をまるで映画を見るように物語が映っていた 妻チヤが支えてくれたから、「世界のムナカタ」が生まれたことに感謝します 倉敷の大原美術館、駒場の民藝館、富山福光の記念館を訪ねてダイナミズムな板画を楽しんでいる ようやく、チヤは気がついた。 自分はひまわりだ。棟方と言う太陽を、どこまでも追いかけていくひまわりなのだ。 棟方が板上に咲かせた花々は数限りない。その中で、最も力強く、美しく、咲いた大輪の花。 それこそが、チヤであった
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本当によくぞ購入に踏み切ってくれた。 SOMPO美術館でゴッホのひまわり常設で鑑賞できることに感謝。 棟方志功がゴッホに共鳴したのか、作品の熱量に近いものを感じる。 そして棟方が見ていたのはひまわりの背景の色から神戸のひまわりだったのかな。ホンモノ見て欲しかったな。 チヤをはじめ...
本当によくぞ購入に踏み切ってくれた。 SOMPO美術館でゴッホのひまわり常設で鑑賞できることに感謝。 棟方志功がゴッホに共鳴したのか、作品の熱量に近いものを感じる。 そして棟方が見ていたのはひまわりの背景の色から神戸のひまわりだったのかな。ホンモノ見て欲しかったな。 チヤをはじめ、人との出会いの幸運に恵まれた人だったね。無邪気にやりたいことを突き詰める様にみんなが惹かれるのかも。
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棟方志功のことをほとんど知らなかったので、こんなにゴッホに魅せられ突き動かされた人がいただなんてと感動しました。 また、『リーチ先生』に出てきた面々にも再会できて嬉しかった。 棟方志功の墓はゴッホの墓を模した形になっていると読後に調べて知りました。 いつか三内丸山遺跡と棟方志功記...
棟方志功のことをほとんど知らなかったので、こんなにゴッホに魅せられ突き動かされた人がいただなんてと感動しました。 また、『リーチ先生』に出てきた面々にも再会できて嬉しかった。 棟方志功の墓はゴッホの墓を模した形になっていると読後に調べて知りました。 いつか三内丸山遺跡と棟方志功記念館と合わせて伺います。 そして明日9/13がちょうど命日ということにも驚きました。
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