君を守ろうとする猫の話 の商品レビュー
図書館の本がいつの間にか少しずつなくなっている。そんな場面から始まる物語である。 主人公は中学2年生のナナミ。喘息持ちで、みんなと一緒に行動できないことも多く、本が友だちの女の子。ある日図書館の書架の間で本が持ち去られる現場を目撃する。同時に、書棚が青白く光り輝き始め、翡翠色の目...
図書館の本がいつの間にか少しずつなくなっている。そんな場面から始まる物語である。 主人公は中学2年生のナナミ。喘息持ちで、みんなと一緒に行動できないことも多く、本が友だちの女の子。ある日図書館の書架の間で本が持ち去られる現場を目撃する。同時に、書棚が青白く光り輝き始め、翡翠色の目をした猫が現れた。彼に誘われて進んだその光の奥にあったものはーー。失われた本を取り戻すとともに、人の良心や本質を取り戻す冒険譚でもあるが、ナナミの気づきと成長の物語でもある。
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ファンタジー系はあまり読まないが、 「不思議の国のアリス」の世界を思い起こされた。 中学2年生の喘息の持病がある女の子が主人公。 喘息の為、自宅と学校と図書館が生活の中心。 そんな病弱な体で、勇敢に本を取り戻そうと闘う姿が、すごい! 忙しいという字は、心を亡くす、と書く。 周...
ファンタジー系はあまり読まないが、 「不思議の国のアリス」の世界を思い起こされた。 中学2年生の喘息の持病がある女の子が主人公。 喘息の為、自宅と学校と図書館が生活の中心。 そんな病弱な体で、勇敢に本を取り戻そうと闘う姿が、すごい! 忙しいという字は、心を亡くす、と書く。 周りの大人たちは仕事や生活に追われ、疲れて、 まさに冷静さも心も亡くしている状態。 そんな大人たちに、純粋なナナミの心が訴えかけているようだ。 富を得る事、自由になること、そんな欲望を満たすだけの灰色の顔の大人の世界に、もまれながら子供たちが成長している。 中学生はちょうど、世の中の大人に疑問を持ったり反発を持ったりする時期。 色々なことに挑戦し、少しずつ自分の中に栄養として吸収する時期。 そして、何より、「本」は実際に経験できないことも、色々な角度で理解することができる。 自分自身も、小学生から図書館が大好きだった。 たくさんの事を教わった。 「本を守ろうとする猫の話」 まだ読んでなかったかも?
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もう7年前になるのですね 「本を守ろうとする猫の話」 夏川草介さんの「神様のカルテ」 のような感動はなかったけれど、大切なものが心に入ったような気がしました その続編 〈一番怖いのは、心を失うことじゃない。失った時に、誰もそれを教えてくれないこと。誰かを蹴落としたときに、それは...
もう7年前になるのですね 「本を守ろうとする猫の話」 夏川草介さんの「神様のカルテ」 のような感動はなかったけれど、大切なものが心に入ったような気がしました その続編 〈一番怖いのは、心を失うことじゃない。失った時に、誰もそれを教えてくれないこと。誰かを蹴落としたときに、それはダメだと教えてくれる友達がいないこと。つまりひとりぼっちだってこと〉 世界はますます許せない状況へ 心を失った為政者がのさばっています 児童文学 大切にしたいです ナナミがかっこよすぎました よね ≪ 取り戻す 教えてくれた 本たちを ≫
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前作は古書店(夏木書店)が舞台だったが、今回は図書館である。中学二年生のナナミが、トラネコのトラに導かれ迷宮に…深い話に共感しつつも、お城や兵士、灰色の男に違和感を感じた。
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中学生のナナミが猫に導かれ本を守って戦うファンタジー。大切な本を守りながら本の主人公たちに守られての冒険譚。 内容は児童書かとも思うが、夏川氏独特の語り口が児童書より大人向けの感じ。
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不思議な世界の本にまつわるトラブルを、猫に誘われた者が奮闘、解決するお話。 どこか既視感が否めない。 しかし本作単独で読んだならば、手に汗握る物語展開はシンプルで読みやすい。 敵(?)側の考えも面白かったし、たぶんそれも、この本を通じて伝えたかったことの要点のひとつだったのだろう...
不思議な世界の本にまつわるトラブルを、猫に誘われた者が奮闘、解決するお話。 どこか既視感が否めない。 しかし本作単独で読んだならば、手に汗握る物語展開はシンプルで読みやすい。 敵(?)側の考えも面白かったし、たぶんそれも、この本を通じて伝えたかったことの要点のひとつだったのだろう。 全体を通して、猫が何かを守ろうとする話というより、少女が本を守ろうとする印象の方が圧倒的に強い。 そのためタイトルについて、前作との関連性を持たせたかったのかもしれないが、少々アンマッチに感じた。
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「本を守ろうとする猫の話」の続編。 前作もそうだが、この世界が抱える大切なものの喪失に対する焦燥や危機感を、静かに投げかけるお話。主人公の年齢が下がったことで、前作よりプリミティブというか、本質的な問いになった気がした。 こういう本が評価される世界を生きたい。 そして年齢を重...
「本を守ろうとする猫の話」の続編。 前作もそうだが、この世界が抱える大切なものの喪失に対する焦燥や危機感を、静かに投げかけるお話。主人公の年齢が下がったことで、前作よりプリミティブというか、本質的な問いになった気がした。 こういう本が評価される世界を生きたい。 そして年齢を重ねても物語に心を奪われる生き方をしたい。 ☆前作、何年か前に読んで登録し忘れていたので、もう一度読み返してから感想を書きたい。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
「本を守ろうとする猫の話」の続編。名刺代わりの小説10選に選ぶくらい大好きな作品の続編なので、めちゃくちゃ期待して読み始めました。 前作は一章ごとに話が区切れた感じでしたが、今作はあまり区切れがなく、一冊を通して主人公のナナミと灰色の男の戦いでした。 灰色の男で思い浮かんだのが、ミヒャエル・エンデ作の「モモ」。こちらは時間を盗む男達で盗むものは違いますが、不気味さや理解し難い考え方は似てるなと思います。 今作の灰色の男の考えは、全然理解できなかったです。本が危険?なんて考えたこともなかったです。 最後まで読み進めても、灰色の男の正体は明確には明かされず。貝のくだりや、人間が自分を手にしてどんどん欲深くなる、詐欺などが起きるを総合して考えると、お金が彼らの正体なのかなっとぼんやり思いました。全然的外れなこと書いてるかもですが。奥深く読み込もうとするとなかなか難解なストーリーだなと思いました。 終盤でルパンなど本の登場人物がナナミを助けに来るシーンは胸熱で、ファンタジー冒険ものとして楽しむことができました。 トラの正体も判明して、驚きました。まさか本たったとは。 正直、前作の方が好きですが、今作も心を掴まされる名フレーズが多く、感動しました。 本好きで良かった(^^)
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ナナミを助けてくれる人たちの元ネタが分からなかったのが残念。伝えたいことは伝わった、短くて読みやすかった
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喘息持ちの非力な十三歳の少女は、何故こんなにも力強く勇気を携えているのだろう。 教科書的であり、優等生的な本だった。 久しぶりに“モモ”が読みたくなった。
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