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夜露がたり の商品レビュー

3.8

26件のお客様レビュー

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2024/11/21

図書館でやっと順番が来た。待った甲斐があった。短篇集だけどどれも鮮やかに情景が浮かんできて、時折挟む季節の描写も美しい。最後に「妾の子」を持ってきたのも、心温まる締めくくりでとても良かった。

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2024/10/19

これまでとはだいぶ毛色が違って、苦い後味の残る短編集。 女性も強かだったり、男性もサラッと悪人だったりして、またいつもとは違う面白さ。でも、毎回だと寂しいかなぁ。

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2024/10/16

後味の悪い幸せで終わる話は1作品だけど、その話すら影がある。あんな淡々と綺麗な描写で残酷な語りをされたら気分が一層沈んでしまう。あっと言うまに読めるがあまりいい時間を過ごせたとは思えなかったけど、やはり語り口調で綺麗な言葉は最後まで読んでしまう。 全作品影が充満していた。

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2024/10/06

時代小説短編集 苦い人生を描いた作品で、これがむしろ現実的だと思う 『妾の子』が良くて救われた 自分は矢張り小説から、何某かの幸せを感じたい

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2024/10/03

これまでは武家社会を描いていた作者の初の市井小説。 (個人的には、武家ものよりも庶民ものがいい) 武家社会の作品は、清々しい読後感を味合わせてもらっていたが、今作は、どうにも昏く重く、救いのない、夜露のように体にまとわりついて離れない、どうもしようのない後味だった。 だが、そ...

これまでは武家社会を描いていた作者の初の市井小説。 (個人的には、武家ものよりも庶民ものがいい) 武家社会の作品は、清々しい読後感を味合わせてもらっていたが、今作は、どうにも昏く重く、救いのない、夜露のように体にまとわりついて離れない、どうもしようのない後味だった。 だが、それは決して否定するものではなく、人の業や闇、陰の部分に納得させられる。 娘に金をせびりに来るどうしようもない父親に向け、「死んでくれ」と叫ぶ娘。 そんな気持ちになるのは、無理もないとは思いつつ、だが、その娘も、それで救われるわけはないだろうと、暗澹たる思いに沈む。

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2024/10/01

「帰ってきた」「向こう側」「死んでくれ」「さざなみ」「錆び刀」「幼なじみ」「半分」「妾の子」の8編。 (2021年~2023年の小説新潮) あまり目新しさはなかった。無難な感じ。 砂原さんには長編を書いてほしいかな。。。

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2024/08/06
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

なかなか読むのに時間が掛かった。 遣る瀬無さとか救いの無さとか読んでいて辛くて途中で何度も中断した。 もう読了しないで良いやとも思いながら結局最後の物語まで読んだ。 それは貧困とか、しがらみとか、生まれとか、育ちとか、狭い枠の中で生きるしかない人達が、その中でさえささやかな幸せをもこぼれ落としてしまう様が悲しくて仕方が無かった。 中には光明の見える物語もあったが、記憶に残るのは遣り切れない物語なんだろうな。 Amazonより これまで歴史ものと武家ものを描いてきた著者初の「市井もの」で、本作で砂原浩太朗氏が「山本周五郎、藤沢周平の衣鉢を継ぐ」時代小説作家であることを大いに共感、ご賛同いただけると思います。「市井もの」と言えば、温かい人情、涙、ほっこり系の元祖といったイメージもありますが、江戸のリアルは必ずしもそれだけでも、そうでもなかったはず。町人や浪人、男女、子どもらは貧しさや苛酷な現実にあえぎつつも、したたかに冷徹に生き、周五郎や藤沢周平がそうであったように砂原氏も狡さや弱さ、愛らしさ、絶望と光などを活写しています。本作はまた、ハードボイルドやミステリの味わいもあり、会話の妙、秀逸な内面描写、予想外の展開と結末を堪能できます。

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2024/07/05

安定の砂原浩太朗。読み終わった後もやっとするような、やれやれと開き直るようなそんなお話が多く人間臭い感じがよかった。

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2024/07/04

町人ものの8つの短編集。神山藩シリーズ?で清涼な風のような物語を紡ぐ作者ですが、この短編はなかなか一筋縄ではいかない、心苦しくなるけど自業自得だよな、とかハッピーじゃないけど最悪ではないよな、とか微妙な感情にさせられる物語が続きます。ここらへんさすがの仕掛けだな、と思いつつ読み進...

町人ものの8つの短編集。神山藩シリーズ?で清涼な風のような物語を紡ぐ作者ですが、この短編はなかなか一筋縄ではいかない、心苦しくなるけど自業自得だよな、とかハッピーじゃないけど最悪ではないよな、とか微妙な感情にさせられる物語が続きます。ここらへんさすがの仕掛けだな、と思いつつ読み進めると、最後の最後で。。。あとは読んでのお楽しみ。

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2024/06/10

短編集8篇 江戸の貧乏長屋の風景、人情が生きにくさの中できらりと光る。短編なのに最後まで分からない捻りの効いた落ちが面白い。「妾の子」が幸せなラストで良かった。

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