黄土館の殺人 の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
シリーズ3作目。 土砂崩れの影響で名探偵である葛城は町の旅館に、助手の田所や元名探偵の飛鳥井は館に…という状況。 あまりない状況だし緊張感やワクワク感はあったものの、トリックが多少納得いかない部分があったり犯人が結構すぐわかってしまうところが少し残念だったかも。 葛城の活躍は少なめだけど、田所と三谷の活躍はたくさんあった。 三谷みたいな人がいてくれるといろいろ助かるよなぁと思ったり。
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館四重奏シリーズ最新作。地震と岩壁に囲まれた館。紅蓮館の続編と言って良い程話が繋がっており、田所、葛城、三谷の成長を見る事が出来る。また、飛鳥井も再登場し、改めて紅蓮館の殺人について言及される。 シリーズ通して作者の成長と共に重厚感が増しており、久しぶりに綾辻行人や島田荘...
館四重奏シリーズ最新作。地震と岩壁に囲まれた館。紅蓮館の続編と言って良い程話が繋がっており、田所、葛城、三谷の成長を見る事が出来る。また、飛鳥井も再登場し、改めて紅蓮館の殺人について言及される。 シリーズ通して作者の成長と共に重厚感が増しており、久しぶりに綾辻行人や島田荘司の本格シリーズを読んだ時の感覚と似たものを感じた。600ページを超える作品だったがあっという間に読み終えてしまい、余韻にふける。一作目当時、キャラクターの癖や人間像を読み解く事が出来なかったが、今作を読んでそれぞれの人間性や成長を見る事が出来た。葛城はまごう事なき名探偵であり、飛鳥井も間違いなく名探偵だ。一つの作品に癖の強い二人の探偵を登場させ成り立たせているのは面白い要素だ。 今作の驚きは、名探偵役が現場にいない事だ。地震により隔離された館において連続殺人が発生するが、そこに葛城はいない。過去に雌雄を決した飛鳥井も名探偵である事をやめてしまっている。田所は連続殺人が起こる館の中、少なくとも葛城に漏れなく情報を残す為、黄土館で起きる事件の記録と推理を始める。 物語の構成が面白く斬新で、名探偵パートと助手パートで進行する。 とある男性が復讐の為殺人を決意するが、地震による土砂崩れの為、現場に行く事が出来なくなってしまう。復讐を諦めようとしたところ、土砂崩れの反対側から女性の声で交換殺人を持ちかけられる。男性は迷うが復讐の為交換殺人を受け入れて指定された旅館へ向かう。 トリックは斬新で思い切りのいい方法を用いており、その効果や結果についても、それに付随したトラブルやイレギュラーも斬新に見えた。真犯人が復讐を実行する為に用いた手腕については、天才ではなく凡人の殺人であるという言及が妙にしっくりくる。残念な部分として、とある言及が真犯人の正体を見破りやすくしており、葛城は最後絶句していたが読者の中には犯人ととある登場人物との関係性に気づいてしまった方もいるだろう。 ある意味で今作の主人公である小笠原は良い味を出しており、彼の登場で物語がスタートし、彼の役回りによって進行していく。葛城対小笠原は半分笑ってしまうくらいに葛城の能力が高く、全てを見透かされている様だ。ここからどの様にストーリーが進行するかは序盤で推測は難しいが読み進めると納得出来るストーリー進行だ。 とにかく、事件の現場に探偵がいなかったり(他にも特殊な部分があるのだが)、クローズドサークルの可能性を突きつけられた様な気持ちだ。 ある意味でこの条件が成り立つ様ならば、もっととんでもない様な作品が産まれそうだ。 途中から人が死んでも描写があっさりしている事もあり、もっと凶々しい感じでも良かった様に思う。登場人物達にはシリーズを通じて理解が進んだ人物達もおり、シリーズで一番楽しめた作品だ。 「紅蓮館の殺人」今の知識を持って再読したら自身の印象が変わるかもしれないなぁ。
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イチオシ作家様の館シリーズ三作目!! 火、水と来てまさかの土でビックリしました~ 本作は土という不確定要素がただの館でなくエッセンスが入って楽しめました 久しぶりに発売日に書店に駆け込んだかいあって楽しい読書時間になりました☺️ 次回のラスト?への期待も高まり、加えて各人物の成長...
イチオシ作家様の館シリーズ三作目!! 火、水と来てまさかの土でビックリしました~ 本作は土という不確定要素がただの館でなくエッセンスが入って楽しめました 久しぶりに発売日に書店に駆け込んだかいあって楽しい読書時間になりました☺️ 次回のラスト?への期待も高まり、加えて各人物の成長も感じられて良かったです
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