東京都同情塔 の商品レビュー
第170回芥川賞受賞作品だ。 作者が普段窮屈に感じていること、世の中の閉塞感をうまく例えたお話にしているが、直截的で何か物足りない。中村文則さんの『教団X』を読んだときに感じたものと同様だ。 東京オリンピックに向けた国立競技場のコンペで優勝したが、結局建設には至らなかっ...
第170回芥川賞受賞作品だ。 作者が普段窮屈に感じていること、世の中の閉塞感をうまく例えたお話にしているが、直截的で何か物足りない。中村文則さんの『教団X』を読んだときに感じたものと同様だ。 東京オリンピックに向けた国立競技場のコンペで優勝したが、結局建設には至らなかったザハ・ハディド設計のアンビルド案件が、アンビルドではなく建築された仮定世界の物語だ。ザハ建築の対象をなす建物として新たに設計されたのが、従来の刑務所の役割を担う『シンパシータワートーキョー』。 その設計者である女性が主人公で、彼女の独特な感性が言葉として並べられていくが、説明口調になってしまい、直截的に感じる。もう少し、何か物語で包めなかったのだろうか。
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現代的小説。読むなら今、読むべき。5年後に読んでも意味がない感じ。 言いたいことはすごくわかる。特になんでも名称を英語とも言えないカタカナにして、意味をぼやかしてしまうとことか。けど、東京タワーが昭和塔では。。。
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あなたは、犯罪者に同情できますか?生成AI時代の予言の書-。 初めての九段理江san。 バベルの塔の再現「シンパシータワートーキョー」、建築家・牧名沙羅、ホモ・ミゼラビリス(同情されるべき人々)、サポーター(旧・刑務官)の拓人など。 お気に入りは、主語のサイズ感、カタカナを...
あなたは、犯罪者に同情できますか?生成AI時代の予言の書-。 初めての九段理江san。 バベルの塔の再現「シンパシータワートーキョー」、建築家・牧名沙羅、ホモ・ミゼラビリス(同情されるべき人々)、サポーター(旧・刑務官)の拓人など。 お気に入りは、主語のサイズ感、カタカナをデザインした人とは酒が飲めない、陸上生物であるところのヒトを「思考する建築」、「自立走行式の塔」と認識している、「幸福」の状態、東京同情塔に”都”を入れたセンス等々たくさんありました。 「東京都同情塔を見上げる牧名沙羅像」が崩れませんように(祈) 【第170回芥川龍之介賞】
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芥川賞ということで手に取ってみて、設定が好みそうなので読んだ。面白かったけど……文章の中にも言葉の選び方として魅力的だなと思うことは良くあったけど、全編を通して心奪われる、とか熱中する、まではいかなかったかも。
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オーディブルで聴いたため内容の半分も理解出来なかったかも。独特の世界観でとにかくなんか凄い作品だった。
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不思議な本だった これだから芥川賞はおもしろいね。 こんな事を言語化して文章化出来るの凄すぎるし、発想も込みですごすぎる。 何を読んだか自分は言語化出来ないが、素敵な体験が出来たとは思った。 一つだけ文句を言うならば、aiを使って書いたというのが、作中出てくるaiとのやり取りの所なんだろうけど、そこの観点だけ少しがっかりした でもそれ以上に面白かったし惹き込まれたからまぁ良いんだけど。 マックスのキャラ性も良かったね、良いね いやーーおもろい おもろいです
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幸福学者が提唱した「犯罪者は同情されるべき人々」。彼らが住むための美しいタワー、建築家による解放感のある空間設計。住人は、幸せにならなければいけない。言葉は、他者と自分を幸福にするためにのみ、使用しなければなりません。 近未来のちょっと異次元な世界。犯罪者はホモ・ミゼラビリスま...
幸福学者が提唱した「犯罪者は同情されるべき人々」。彼らが住むための美しいタワー、建築家による解放感のある空間設計。住人は、幸せにならなければいけない。言葉は、他者と自分を幸福にするためにのみ、使用しなければなりません。 近未来のちょっと異次元な世界。犯罪者はホモ・ミゼラビリスまでは理解できましたが、言葉を幸福にするためにのみ使う暮らしってどんななのでしょう。
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自分が犯罪者では無いのは犯罪を犯した人たちとは全く異なる環境下で生まれ育ったからであって、そのような環境で生まれ育っていない犯罪者に向けられるのは蔑視では無く同情という考え。最初は受け入れられませんでしたが描かれている世界がリアルで犯罪者というものに対する考えを見改める機会になり...
自分が犯罪者では無いのは犯罪を犯した人たちとは全く異なる環境下で生まれ育ったからであって、そのような環境で生まれ育っていない犯罪者に向けられるのは蔑視では無く同情という考え。最初は受け入れられませんでしたが描かれている世界がリアルで犯罪者というものに対する考えを見改める機会になりました。
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芥川賞受賞作ということで早速手に取った次第だが早々に撃沈。文章が個人的に入っていかなくて無理だった。
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※このレビューにはネタバレを含みます
本作は執筆にあたり生成AIを使用したことで有名になったが、そのニュースがなければ手に取らなかっただろう。普段読んでいるジャンルとは違うもので。 生成AI使用箇所は「AIに問いかけたらどういう言葉が返ってくるのかを取材した」といった内容で、創造性に大きな影響を与えているとは感じなかった。それが駄目なら編集や知人の言葉がヒントになった、というのも駄目だろう。 内容についてだが、東京都同情塔という面白いものを据えているが、扱いは好みではなかった。 いわゆる"最近の本"といった感じで、使っていい言葉、NGな言葉、言葉の定義とは。そのような内容が大部分を占めている。 語感がいいのでするすると読めるが、こねくり回しているという印象が先に立つ。言葉の定義を問うて何かの結論に達したり、社会に訴えるわけでもない。すっきりする内容ではなかった。まっさらな紙に垂らされたインクのように、ひっかかった存在でありたい、ということならある意味成功しているだろう。
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