東京都同情塔 の商品レビュー
夢の中にいるようなフワフワした文章だった。伝えたい事がいまいちわからなかったので、また読まねばならない。
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これだけ多くのテーマを抱えながら物語としてのスピードを維持する筆力。どこから読んでも興味深いと思えるような作品。
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職場の人が「芥川賞の、貸してあげる」って言われて読んでみた。 う~、芥川賞の独特なのか、文章がものすっごいめんどくさいっ!! でも、それもこのストーリー上だいじなところなのかもしれない。 新国立競技場の横に建てる「シンパシータワートーキョー」の建築のコンペに向かう牧名沙羅と、その友人で15歳下の、ハイブランドショップの非正規職員で美しい容姿の男性拓人目線で綴られる。 新国立競技場は、ザハ・ハディド案(最初の流線形の美しいデザインのモノ。実際は廃案となった)が建てられている世界。 なので沙羅はそれにみあう、「シンパシータワートーキョー」をデザインしようと考える。 で、そのシンパシータワートーキョーってのは、犯罪者を収容するいわゆる刑務所。 ただこの時代は差別用語になるとかなんとかで「犯罪者」をホモ・ミゼラビリスというべきだとか、なんかよく分からんように「言葉」をごまかす。 この「シンパシータワートーキョー」という名前も沙羅は気に入らない。 なんで横文字?カタカナ?(どうやかカタカナが苦手らしい)日本人は日本語を捨てたのか? そう思っていたらこのタワーのことを拓人が「東京都同情塔」と呼んで、妙にしっくりしてしまった。それからこの塔のことをそう呼ぶ。 そして、犯罪を犯したにも関わらずこんな楽園のような場所で刑期を過ごすのが分からない。犯罪者にも人権?それはそうかもしれないけど、こんな楽園? 犯罪者・・・いや、ホモ・ミゼラビリスはそうなる生育環境や外的要因があっただけで、そうならなかった人との違いを考えると結局「犯罪をせざるを得なかった被害者では?」という見解。 いやいやいやいや!! 確かにそういう人は多々いるだろうけど、全部が全部そうではないでしょ? ちゃんとした親で、生育環境も学校もちゃんとしてても犯罪者になるし、 逆もしかり。 そこがメインではない話なんだろうけど、ものすっごい共感できない部分だった。 メインであるところの「言葉」についてだけど、 めんどくさい言い回しでわかりにくくする・・・っていう今の時代(差別っぽい用語で無くすのかもしれないけど、結局差別って心だからねと思った)のやり方と、 AIによる言葉や文章の生成が…ってところなんだろうけど なんかなぁ・・・・って感じだったんだよね。 結局、何なん?って思ったのは私の理解力のなさなんだろうけど。
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今の行き過ぎたフェミニズム、ダイバーシティ、ハラスメント、等各種流行の主義が行き着いた先の世界はこれ。みたいなお話で興味深かった。また単にそれをSFのように不思議な物語として書くのではなく、登場人物の視点で個人的主観として語って、くっきり浮かび上がらせている。後から逡巡して世界観に想いを馳せる体験ができた。
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日本人と日本語という言語、AIと生きていくことが必然となっている現代社会、風刺のような作品なのかなと。 日本人のあいだで別の名前で呼ぶのはなぜなんだ? シンパシータワートーキョーと、トーキョートドージョートーのあいだに、何があるというんだ?言葉を無限に生成することで、何を覆い隠そうとしているんだ?もし仮に、日本人が日本語を捨てたら、何が残るんだ? 今自分の中のテーマである犯罪者は犯罪者である前に被害者である、というところと自分の中の美しい日本語を話せる人でありたい、というふたつが見事にリンクしたのも手伝って非常に満足だった。
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「言葉」の語源について調べて見た。 以下、Googleの生成AIによる答え。 ◼️ 「言葉」の語源は「言(こと)」+「端(は)」の複合語です。 古くは「言」が言語を表す語として一般的で、「ことば」という語は少なかったと言われています。また、「言」には「事」と同じ意味があり、「言...
「言葉」の語源について調べて見た。 以下、Googleの生成AIによる答え。 ◼️ 「言葉」の語源は「言(こと)」+「端(は)」の複合語です。 古くは「言」が言語を表す語として一般的で、「ことば」という語は少なかったと言われています。また、「言」には「事」と同じ意味があり、「言」は事実にもなり得る重い意味を持つようになったと言われています。 「ことば」の語源は、奈良時代以降に生まれた「ことのは(言の葉)」です。それ以前は「こと」だけで表現されていました。 「ことば」と「言の葉」はどちらも同じ意味ですが、「言の葉」は古風な言葉で、現代では「言葉」が一般的に使用されています。 ◼️ なぜ、「言葉」に「葉」が付くのかわからず、もう一度調べる。 ◼️ 「言葉」に「葉」の漢字がつく理由は、紀貫之が古今和歌集で詠んだ「やまとうたは 人の心を 種として よろづのことの葉とぞ なれりける」という歌が由来と考えられています。 この歌は、人の心から言葉が生まれる様子を葉っぱにたとえており、平仮名が多い当時の和歌で漢字を使うのは印象的だったと言われています。 「葉」という漢字は「艹」と「枼」からできており、「枼」は木の枝の先に3枚の葉っぱが揺れている様子を描いた象形文字です。くさかんむりと合わさって「葉っぱ」の意味で使われるようになりました。 「葉」は草木の「は」の意を表すほか、借りて「よ(世)」の意にも用いられます。 ◼️ 以下、感想。 建築家 牧名の考えは、今まで私が考えてきたことのなかった視点からのものが多く、大変面白かった。例えば、「支配欲」について、「なるほど、建築をするとそのような気持ちになるのか。」と思った。 日本語について考える場面が多い。私はすぐに英語に変えたがる風潮を良く思っていないため、共感する点が多かった。日本には、店名や商品名などにそれの日本語訳やら違和感のある言葉だが、英語にすることによってそれっぽく思わせられているように感じる。これを、日常に使う言葉とそれらの名前を区別するのに都合が良いからだと考える。例えば、LINEとか、Softbankとか。余談だが、それに伴い、最近思うのは英語圏内ではこのようなことは起きているのか、ということだ。
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第170回芥川賞受賞作品。 ザハ案の国立競技場が設立して2020年に東京オリンピックが開催されたパラレル世界でのお話。 TVで「不適切にもほどがある!」という令和のコンプライアンス地獄を揶揄するような話があるが、それの文学版とも思えました。 白紙撤回されたザハ案についてもそうで...
第170回芥川賞受賞作品。 ザハ案の国立競技場が設立して2020年に東京オリンピックが開催されたパラレル世界でのお話。 TVで「不適切にもほどがある!」という令和のコンプライアンス地獄を揶揄するような話があるが、それの文学版とも思えました。 白紙撤回されたザハ案についてもそうですが、犯罪者をホモ・ミゼラビリスとして体裁よく隔離するなど、日本人の寛容と受容の表裏を衝いていると思います。 東京オリンピックのエンブレムについても弄ってくれてもよかったと思います。
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建築と言葉のアナロジーが徹底されていて、凶器がレンガなのも良い。 ・ハードカバーがブロック柄なのは意図的だろうか。 ・理想を具象化する道具に凶器のような暴力性が備わっているのは必然的か ・AIによって規格化、量産化される言葉、それによって構造を与えられる思想はモダニズム建築と同じ道を辿るのだろうか
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2023年下期の芥川賞受賞作品。ここ数年の芥川賞では、「コンビニ人間」「ニムロッド」「むらさきのスカートの女」並みに興奮して読み終えた。日本人と日本語の業をつい考えてしまった。日本版ディストピアは、独裁者ではなく大衆の同調圧力が支配する。静かに怖い。
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第170回(2023年下半期)芥川賞受賞作品 芥川賞受賞作品をタイムリーに読むのが初めてで わくわく! とても面白かった 文章も登場人物も虚構感満載 だけど 目の前に東京の風景がしっかり 浮かび上がる その描写の仕方が 今の時代これからの時代を彷彿させて ゾクゾクした ...
第170回(2023年下半期)芥川賞受賞作品 芥川賞受賞作品をタイムリーに読むのが初めてで わくわく! とても面白かった 文章も登場人物も虚構感満載 だけど 目の前に東京の風景がしっかり 浮かび上がる その描写の仕方が 今の時代これからの時代を彷彿させて ゾクゾクした AIとの付き合い方 AI時代における人間性のあり方、言語のあり方 について考えさせられる 自分なりにいろいろと考えたり 他の作品を読んだりして もう少し読者として熟成できた時に また再読したい
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