一線の湖 の商品レビュー
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なんという……なんという本でしょう。 この一冊に、色々な事件と感情が詰まりすぎてて、読後はこの本がずしりと重く感じるほどでした。 読んでいる最中は荒々しく色々な景色が渦巻くのに、最後の最後は穏やかだけど壮大な湖面と遠方の山がモノクロで立ちのぼってくる。こんな体験なかなかない。 途中怪我したあたりで苦しくなって1度休憩を挟みましたが、そこまでは一気読み。怪我の後も一気読み。最後はグッと溢れそうになる感情を抑えつつ読みました。 ラスト3ページが特に…もう…湖山先生が…。 青山くん、いつまでも描き続けてほしいなぁ。いや、きっとそうするはず。時々山荘に行って、じっくり向き合って描き続けるはず。 じんわり感動しました。 このページ数とは思えない濃厚さでした。
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前作『線は、僕を描く』から二年。 大学三年になった青山霜介。 進むべき道を見つけることができず 思い悩む日々が綴られます。 そんな霜介にある機会が訪れ、 水墨画を通して子どもたちと触れ合うことに。 そこで、霜介は新しい自分に出逢います。 霜介の母親の言葉が心に残ります。 「誰か...
前作『線は、僕を描く』から二年。 大学三年になった青山霜介。 進むべき道を見つけることができず 思い悩む日々が綴られます。 そんな霜介にある機会が訪れ、 水墨画を通して子どもたちと触れ合うことに。 そこで、霜介は新しい自分に出逢います。 霜介の母親の言葉が心に残ります。 「誰かにダメって言われても、 自分が素敵だと思ったものを信じなさい。 あなたにしか見えない宝物があるから」 そして、霜介は気づきます。 「人は命よりも永く線を描くことができる。 宝物をみつけた、と思った」 第二章で、霜介は亡き母に向かい合います。 孤独の淵に沈んでいた彼に差し伸べられる さまざまな優しい手の数々。 思わず涙で文字が霞みました。 静かに自分と闘い続ける霜介。 その姿が波紋となって広がり 子どもたちや周りの絵師たち、 湖山先生をも動かしていきます。 良い距離を保ちながら支え合う姿に 温かく爽やかなものを感じました。 墨絵を極めることについて 『描かないからこそ、描ける』 という表現が何回も出てきます。 研鑽して技を磨いた者だけが辿り着くことのできる 無我の境地とでもいうのでしょうか。 この作品を流れる繊細で美しい文章。 画仙紙を舞う筆の細やかな描写。 文字を追っていたはずなのに、 壮大な墨絵を鑑賞したような、 そんな気持ちになりました。
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前作『線は、僕を描く』はストーリーは良く出来ているものの今一つ全体を通して深みに欠けている印象でした。 そして今作。 主人公も登場人物も変わらず、物語の背景も同じ時間軸上での続編。 続編なのに本の持つ力が同じ作者が描いたものとは思えないくらいに圧倒的に深みが増してました。 特...
前作『線は、僕を描く』はストーリーは良く出来ているものの今一つ全体を通して深みに欠けている印象でした。 そして今作。 主人公も登場人物も変わらず、物語の背景も同じ時間軸上での続編。 続編なのに本の持つ力が同じ作者が描いたものとは思えないくらいに圧倒的に深みが増してました。 特に水墨画を描くシーンは秀逸です。 迫力と静寂が文章と行間から伝わって来て、まるで作中にある墨絵と余白の関係かの様でした。 物語では主人公が成長していく様が描かれていますが、著者も本作を執筆しながら成長しているかの様でした。 著者の次回作が楽しみです。
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線は、僕を描くの続編。 前作で主人公が過去に向き合い、今作で乗り越えて行ったように思う。 前作以上に優しい世界だし、前作以上に表現が豊か。 前作とともにおすすめです。
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「線は、僕を描く」の続編。人間関係や主人公の心持ちなど理解していないと楽しめないので、必ず線は~をの次に読んでください。 主人公青山霜介は描けなくなっている。篠田湖山率いる湖山会で行われた揮毫会でも先頭で描くことを指名されたのに大失敗。千瑛がテレビの取材など受けて活躍しているせい...
「線は、僕を描く」の続編。人間関係や主人公の心持ちなど理解していないと楽しめないので、必ず線は~をの次に読んでください。 主人公青山霜介は描けなくなっている。篠田湖山率いる湖山会で行われた揮毫会でも先頭で描くことを指名されたのに大失敗。千瑛がテレビの取材など受けて活躍しているせいもあり、その失敗も同じ大学の授業をとっている同級生などに噂されるくらい目立っていた。そんなとき死んだ母が教師をしていた小学校で出張授業を受けていた西濱が倒れ、霜介に代役が回ってくる。母を知らない一年生たちに水墨画を教える内に少しずつ心の回復の糸口が見え始めていく。 一巻で立ち直ったかに見えた霜介ですが、いやいや、彼の心の傷は深すぎました。芸術家が成長とともに立ち向かうであろう壁と心の傷が相まって今回もなんとも低空飛行な主人公です。しかし、変わらずこの物語は優しく、そして描かれる一本の線を私のような素人にも理解できるように文章化してあるのが本当に本当にすごい!もう少しゆっくり読みたかったのですが次が詰まっていたのでスピードあげて読んだのがもったいなかったです。 基本ルビなしですが、小学生でも大丈夫な内容です。基本は中学以上向け。
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前作で立ち上がった主人公が、自分の道を歩み始めるまでのストーリー。 向き合えずに避けていた過去に初めて向き合い、自分の為すべきことは何かという葛藤を経て、成長していく様子が爽やかで清々しいです。 主人公だけじゃなく、周りの登場人物もそれぞれの課題と向き合いながら、そして互いに影響し合い、ときに支え合いながら成長していく様が描かれています。 物語の冒頭とラストの舞台が揮毫会ということもあり、その対比が効いていて、主人公たちの成長や意識の変容がよくわかります。 ようやく自らの道を見つけて歩み始めた霜介。 本作では、前作以上に色々な経験をし、触れ合う人たちも広がり、繊細な部分も多分にありながらも少しずつたくましくなっていっているなぁと思います。 今後の彼の人生に幸多からんことを(^^)
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『線は、僕を描く』の続編。『線は、僕を描く』を読んでから1年以上間が空いていましたが、すんなりと水墨画のお話に引き込まれました。 今回も過去の辛い出来事と向き合い、自分の進む道(宝物)を見つけると言う温かいお話でした。子ども達と水墨画を完成させたところが1番響きました。 水墨画...
『線は、僕を描く』の続編。『線は、僕を描く』を読んでから1年以上間が空いていましたが、すんなりと水墨画のお話に引き込まれました。 今回も過去の辛い出来事と向き合い、自分の進む道(宝物)を見つけると言う温かいお話でした。子ども達と水墨画を完成させたところが1番響きました。 水墨画の揮毫会、実際に見てみたいな…
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前作を読んでからかなり日が空いたので思い 出しながら読み進めるとあぁ~そうそう 霜介って真面目なんだけど不器用で ここぞって時に微妙にうまくいかない・・・ でもそれ自体も必要な事だったんだと 作品を通して伝わってきました。 小学生たちとの交流によって描くこと自体の 原点や教えることによって学ぶ感じも すごくよかった。今作はてっきり霜介の 成長した姿が描かれていると思っていたけど 苦悩や葛藤など読んでるこっちまでも 苦しくなりました・・・ 水墨画のことなんてほとんどわからない 私ですがラストの湖山会の揮毫会は文字で 読んでいるのに描かれているものが見える ような感じが伝わってきてすごくよかった。 湖山会の人達や霜介の進む道は示されたけど ほんとにどうなるかすごく気になる・・・
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○疲れきった登場人物たちが、ゆるゆると湖山最後の仕事を意識していく ○母の職場 ○子どもの蹟 ○あなたが復活しなければ…の場面だけが、どうもいやだ ○描かれた水墨画を見てみたい
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『線は、僕を描く』の続篇。 前作同様、とても美しい小説でした。 水墨画を描いている場面が秀逸で、文章を読んでいるだけで脳内に絵が浮かんできます。水墨画なんて、きちんと見たことがあるのかないのか分からない私なので、脳内に浮かんだ絵は正しいのか正しくないのかは、正直言って分かりません...
『線は、僕を描く』の続篇。 前作同様、とても美しい小説でした。 水墨画を描いている場面が秀逸で、文章を読んでいるだけで脳内に絵が浮かんできます。水墨画なんて、きちんと見たことがあるのかないのか分からない私なので、脳内に浮かんだ絵は正しいのか正しくないのかは、正直言って分かりません。でも、はっきりと線や濃淡が浮かび上がるのだからすごいなぁ、と思ってしまいます。 大学三年生になった青山。進路を決めるべき時です。 このまま絵師として進んでいくのか否か。 悩んで悩んで、またも自分の心の中の部屋に閉じこもってしまう青山。でも、それだけ両親を失った悲しみが深いものだということが伝わってきました。 作中、何度も何度も、ある意味くどい程、心の中に潜り込むのですが、それはそのまま大切な人を失った心の痛み、叫びの現れなのだろうと思います。 今作では生前の母を知る人達に会い、母の職場であった小学校で、母と同じように子ども達に教えるという経験をします。このことが、自分の知らなかった母の姿を知ることになると同時に、自信を失っていた水墨画に対しても新たな一歩を踏み出すきっかけにもなります。 そして、やはり何よりも師匠の湖山とのやり取りが本当に泣けてきます。湖山先生、青山君を見つけてくれてありがとう!と青山の母のような気持ちになってしまいます。 青山を取り巻く人達が皆とても優しくて、いくら時間はかかろうとも、確実に青山は深い悲しみを乗り越えて自分の道を進むことができる、と思わせてくれます。青山のこれからが楽しみ。続編きっとあるでしょう。期待してます。
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