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指先から旅をする の商品レビュー

4.2

39件のお客様レビュー

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2025/12/07
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

著者の藤田真央さんは、執筆当時24~25歳。 別冊文集でのインタビューをきっかけに連載を担当されることになり、 その2022年からの毎月の連載が前半に、後半は、2023年の8月の一か月の自筆記録が掲載されています。 本のビジュアルのための写真撮影に文春さん取材チームもスイスに来られたりしたとのことで、とても美しい写真で飾られていました。 読み始めから、 今この同じ時代に、こんな人生を歩んでいる人もいるんだーと、まさに、世界を飛び回る生活でした。 そして、ピアニストとしてのご活躍、お仕事が、オファーで成り立っているということをまず知りました。前のコンサートで出会った人とのつながりで、次の仕事が舞い込んでくる、 ピアニストの代役も、急に連絡がかかってきて、この曲を弾けるか、と聞かれ、それに応え、出演が決まる、など、正直とても厳しい世界ということだと思いますが、 著者は確実に天才肌なのだろうと思いますが、 とにかくいろいろな出会いを大事に、そして一つ一つの機会を楽しまれているような、そんな雰囲気が感じられる記録でした。 どういう心境でピアノを弾くか、とか、 指揮者をどのように認識したり、共演しているのかとか、 あるいは曲に対する向き合い方とか、 まったく解像度のレベルが違い過ぎて、分からないけれどもなんだか新しい想像力が掻き立てられました。

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2025/10/07

音楽に詳しければ、あれやこれやが楽しく読めるんだと思う。師匠の野島稔さんの話も。 恩田陸さんとの対談が面白かった。やっぱり意識的に新しいものを取り入れようとしている人なんだね。

Posted byブクログ

2025/09/24

黒岩里奈さんが紹介されていた本のため読んでみた。 私よりも年下だけど、世界で活躍するピアニスト。 クラシックは私は全くわからずだけれど、様々な場所でプロフェッショナルがどのように活躍しているのか、音楽を通して世界中の人と繋がっていく様子などがエッセイとして綴られていてとてもおも...

黒岩里奈さんが紹介されていた本のため読んでみた。 私よりも年下だけど、世界で活躍するピアニスト。 クラシックは私は全くわからずだけれど、様々な場所でプロフェッショナルがどのように活躍しているのか、音楽を通して世界中の人と繋がっていく様子などがエッセイとして綴られていてとてもおもしろい。  時間や環境に恵まれない中でもベストを尽くすことの難しさ。ピアノって他の楽器と違って自分のものとして持ち運びできないから大変。 爪が割れたり、寒かったり、全然眠れなかったり、それでもどんな環境でも自分の演奏をしようとするプロフェッショナルさと、友達と生姜焼きパーティーをしている若者っぽさが両方あるのがまた魅力的な理由かも。 あと、音楽の才能というものがどういうものかはわからないけれど、とても理論的に向き合っているのが印象的だった。 例えば楽譜をどの版を選ぶのか、今までの楽譜の編成や様々な版を見比べながらいる点が、国文学の研究とも通じることがあって驚いた。 ピアノを弾くだけのテクニックではないところも素晴らしい演奏には不可欠なんだと。 あと、練習できないと不安になるらしくて、すごい。私はきっとずっと寝ていたい。

Posted byブクログ

2025/08/27

藤田さんの弾くモーツァルトを聴きながら読みました。 あらゆる場面から、彼の温かい人柄と、ピアノへの底なしの愛情が伝わってきます。恩師・野島稔さんや世界中の音楽家たちとの交流エピソードも、とても興味深く楽しい。 まだ20代と若い藤田さん。これからもたくさん、素敵な音を届けてほしいで...

藤田さんの弾くモーツァルトを聴きながら読みました。 あらゆる場面から、彼の温かい人柄と、ピアノへの底なしの愛情が伝わってきます。恩師・野島稔さんや世界中の音楽家たちとの交流エピソードも、とても興味深く楽しい。 まだ20代と若い藤田さん。これからもたくさん、素敵な音を届けてほしいです。

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2025/07/27

2025年7月27日 すごいレパートリー‼️ まだ素人感覚が残るミーハーぶりが親しみやすい。 それでも演奏は本物。 1音にこめるものは果てしなく探求は尽きない。 コンチェルトとリサイタル求められるものは違う。 なんと頭脳を使う仕事だろうか。

Posted byブクログ

2025/07/22

最近クラシックがとても好きなので、世界中を飛び回るピアニストの生活ってどういうものなのか知りたくて読みました。 やっぱり歴史を生きてるって感じ。 歴史的な建物やホールを舞台に、歴史的音楽を奏で、自分も作品を残し、のちのち歴史に刻まれていく。 1つを極めるって凄い事だ。 でもそ...

最近クラシックがとても好きなので、世界中を飛び回るピアニストの生活ってどういうものなのか知りたくて読みました。 やっぱり歴史を生きてるって感じ。 歴史的な建物やホールを舞台に、歴史的音楽を奏で、自分も作品を残し、のちのち歴史に刻まれていく。 1つを極めるって凄い事だ。 でもその中でもベルリンで自炊して暮らしてるし、ベイスターズが大好きだし、なんらかわらない1人の青年。 有名な海外のアーティスト達と肩を並べての音楽祭。 本人もドキドキだろうけど、読むこちらもドキドキです。

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2025/07/14

【読んだきっかけ】安野たかひろ氏と黒岩里奈氏が本屋を回る動画で紹介されてたのを見て興味を持った。 著者のことは全く知らなかった。FIRST TAKEを聴きながら読んだ。 【感想】 ・売れっ子音楽家のスケジュール 半端ない 怒涛の移動からの公演。割りと淡々と書かれる過密スケジュール...

【読んだきっかけ】安野たかひろ氏と黒岩里奈氏が本屋を回る動画で紹介されてたのを見て興味を持った。 著者のことは全く知らなかった。FIRST TAKEを聴きながら読んだ。 【感想】 ・売れっ子音楽家のスケジュール 半端ない 怒涛の移動からの公演。割りと淡々と書かれる過密スケジュールや爪が剥がれたエピソードの合間に、唐揚げや生姜焼きを楽しんでいる様子が書かれていたりして、超人のような隣人のような不思議な感覚になる。ずっとストイックな環境にいるだろう著者にとってはどちらも日常なんだろうけど。 ・それだけ多忙な中で組まれた公演、オーケストラを含めて合わせる時間やレッスンに当てる時間は貴重なんだろう。レッスン中鉛筆を落として3分くらいわたわたしていたら注意されたエピソードが印象的。時間もだし、恐らく高価な授業料を払っていることや限られた時間で最大限のものを渡せる/受け取れる自負もあるのだろう。ちなみに私は今日、なにか有意義に過ごそうと思って突発的に午後休みを取ったが、スプラトゥーンをしたりtwitchを見ていたらあっという間に5時間が溶けた。その後この本を一気読みした。プロフェッショナルとの違いは時間の使い方だなあとは思ってたけど、そもそも時間の捉え方が違うのだと思った。母親が友人との待ち合わせに遅刻した際、司法書士である友人にしっかりと注意された話を思い出した。時間の価値に厳しくプライドが高い人間を好ましく思うのは、自分と正反対だからか。 ・あとがきにある「熱量」「情熱」は、奇しくも今朝私が考えていたワードだった。今の仕事では毎週月曜日に全体のミーティングがあり、各チームリーダーが持ち回りでライトなプレゼンをする(趣味のこととか)。今朝のプレゼンがちょうど「仕事をするにあたって大事なのは情熱」という内容だった。発表者は自身のスポーツ経験と照らして選手と観客に起こる情熱の伝播を取上げていたが、スポーツも観戦もしない私にはいまいち分からない。ただ「情熱」が尊いエネルギーであることは理解しているし、それを獲得したいと思いながら特にこの5年漫然と過ごしている。黒岩氏がこの本を「こんな貴重な本今後でないかも」と評していたのが印象的だったけど、書き残すことで 出版することで後世に残す営みは日本というか世への貢献だなあと思う。「情熱」は外界に自分がどう作用できるかしたいか、があって初めてちゃんと着火するのだな。私は内向も内省も大好きだから、外に目を向けない限りは情熱は抱けないかもーという内省をしました。 ・エッセイは読みやすくていい

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2025/07/08

 著者は、藤田 真央(ふじた まお)さん、ピアニストです。 1998年東京生まれ。3歳からピアノを始め、 2017年、18歳でクララ・ハスキル国際ピアノコンクールで優勝しました。  クララ・ハスキルといえば、モーツァルト弾きの名手だった人。 その名を冠したコンクールで優勝を果...

 著者は、藤田 真央(ふじた まお)さん、ピアニストです。 1998年東京生まれ。3歳からピアノを始め、 2017年、18歳でクララ・ハスキル国際ピアノコンクールで優勝しました。  クララ・ハスキルといえば、モーツァルト弾きの名手だった人。 その名を冠したコンクールで優勝を果たした藤田さんは、2022年にモーツァルトのピアノソナタの全集アルバム「Mozart:The Complete Piano Sonatas」をリリースしています。(新進のピアニストが全曲集を出すのは珍しいことだと思います。)  この本で、藤田さんはモーツァルトの音楽について、こう語っています。 「モーツァルトの楽曲はどれもシンプルに見えて、じつは内面にいろいろな特質が埋まっています。遠近法が効いているといいますか、じっくり解釈していくと、絶妙なバランスで異質な響きや展開に出逢えるのです。」  また、このアルバムのライナーノーツには、こう書かれています。 「モーツァルトのピアノソナタの演奏をいろいろ聴いてみたのですが、私の演奏は他のものとは全く違う視点を持っていると感じています。私は確信を持って自身の解釈を投影したかったのです。それぞれのソナタは全く異なる性格であり、独自の物語や背景を持っています。私はその個性を伝えたいと思いました。」  そのソナタ全集を聴いてみてのわたし(みのり)の感想は、全体的に速めのテンポで軽やかに明るい音色で演奏されていますが、第2楽章の緩やかなテンポの中では繊細にきらめく音色をダイナミクスを活かしながら豊かに奏でていらして、とても心地よく美しい仕上がりになっていると思いました。若さが爽快感を伝える、新時代の解釈を披露していただけたように感じました。  藤田さんは、この本の中で、自身の性格をオプティミストだと語り、ピアノの音色についても、 「オプティミストたるわたしの生来の性質は、音楽にもよく表れているようですね。「あなたが弾くのはいつも明るく楽しい音だよね」と、よくいわれます。それでいい、とわたしは考えています。明るい音でみんなが幸せな気持ちになれたら、それも素敵なことじゃないかと思うのです。」と語っています。    タイトル通り、この本には世界各地への演奏の旅と、そこで出会った演奏家・聴衆から藤田さんが感じたこと学んだことが綴られています。 巻頭には、「コンサート・マップ」も載っていて、たくさんの都市が示されたこのマップから、藤田さんの人気の高さと活躍が窺われます。  マップを見ながら藤田さんの綴る各地でのエピソードを読むのは楽しく、藤田さんの素敵な人となりも分かります。  これからの更なる活躍と進化を見守っていきたいと思うアーティストです。  藤田さんの演奏を聴きながらお読みになることをオススメいたします。  きっと至福の時間になると思います♡

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2025/07/05

藤田真央さん、ザ・ファーストテイクに出演されています。目を見張るような手元の動きはもちろん、複雑に重なった音があまりにも心地よくて、奇跡の音色とはこのことかと感動しました。 ぜひ動画で聴いてみてほしいです。 さて、こちらは世界のMAOと呼ばれる天才ピアニストの頭の中を覗ける貴重...

藤田真央さん、ザ・ファーストテイクに出演されています。目を見張るような手元の動きはもちろん、複雑に重なった音があまりにも心地よくて、奇跡の音色とはこのことかと感動しました。 ぜひ動画で聴いてみてほしいです。 さて、こちらは世界のMAOと呼ばれる天才ピアニストの頭の中を覗ける貴重なエッセイ。 食べ物の話など普通の若者らしい一面があったり、音楽以外のお話もあって親しみが持てます。 衣装を5000円以下で購入していた話には驚きました。 曲の解釈、というのが楽譜すら読めない私には理解不可能ですが、歴史を知らないと表現できないとか、指揮者も天才なのでどんな解釈で弾いているか演奏を聴くだけで理解し合えたり、すごい境地にいる人達がいるんだなぁ、、、とポカンでした。 他にも、響きを計算するとか、ピアノの特徴を活かすとか、様々な要素を考えて演奏されているのだと知れておもしろかったです。 藤田真央さんのチケットは即完売でなかなか買えないそうですが、コンサートで生で聴いてみたいです。

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2025/05/03

『蜜蜂と遠雷』の映画でピアノの演奏をされていた方のエッセイ。 演奏の際に、空間の特徴を見極めて音の響きや音の集め方を見極める意味で「空間を読む」とのこと。曲を解釈する際にも、楽譜の中でどのように表現されたい曲であるのかを読み取って、演奏の大方針をつくる。その後個別に分解して検討...

『蜜蜂と遠雷』の映画でピアノの演奏をされていた方のエッセイ。 演奏の際に、空間の特徴を見極めて音の響きや音の集め方を見極める意味で「空間を読む」とのこと。曲を解釈する際にも、楽譜の中でどのように表現されたい曲であるのかを読み取って、演奏の大方針をつくる。その後個別に分解して検討していく。分解と分析を繰り返して、空間での響きと合わせて演奏をする。こうした演奏者の考え方を手順に沿って説明しているところはとても分かりやすかった。 シンプルなペペロンチーノのこそ、作り手の個性が滲み出てくるので食べるのが好きと言っているところなど、人の営みや人が生み出すあらゆるものへの好奇心を持つ生き方となっていてとても楽しそうだなと思う。 恩田陸さんとの対話の中で、恩田さんが「私は作家の山田正紀さんの「虚構でなければ語れないことがある」という言葉をいつも心に留めていて。体験をしていないからこそ表現者できるものがきっとあるはずだと信じています。だからこそ、藤田さんにしか奏でられない「戦争ソナタ」があるのだと思います」と述べられていて、作家とピアニストの表現力の底知れぬ深さが垣間見える感じがする。 藤田さんが「集中の仕方が違うのかな。楽譜がない状態だと、ただ音楽にのめり込んで、みんなと分かち合うことができるんですけど、それぞれが楽譜を見ながら演奏していると、なんだか1枚フィルターが挟まったような……集中力がそがれてしまうことがあるので、気持ちの持っていき方が難しいんです」と述べているところなど、繊細で高いレベルの集中力のすごみがある。恩田さんが『Spring』を書きながら、そうした「本番」のある方の集中力が天性のものだと感じるというところなどもその通りだなと思えた。何かにまい進することのできる人の集中力は人一倍どころではないだろうな。

Posted byブクログ