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本心 の商品レビュー

3.7

105件のお客様レビュー

  1. 5つ

    19

  2. 4つ

    40

  3. 3つ

    30

  4. 2つ

    4

  5. 1つ

    3

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2024/02/07
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

マザコンすぎると思って全然感情移入はできなかった 主人公の、母はこう思ってるはずって思い込みが激しすぎてこういう人に本心は打ち明けられないんだよなあて思った 相手のことをよく知ってるとかそういう自負は傲慢だと思う

Posted byブクログ

2024/02/03
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

【ネタバレ注意】 物語としては現実を受け入れられない主人公→新しい出会いによる過去を乗り越えていく→自分の道へという起承転結がはっきりした物語。 この本を読んですごく感じたことは2つ。ひとつ目は、人にはどんなことごあっても隠したいことが1つはあること。2つ目は“死の一瞬前”に誰と一緒にいたいか。哲学的なので中々難しいがもう一回日が経てば読み返して自分なりの答えを作れるようになりたい。

Posted byブクログ

2024/02/01

物語の新鮮さや登場人物等の思想に感動しつつも、、つねに生きる意味、死とはどうあるべきかを考えさせれる小説でした。登場人物ひとりひとりに価値があり、その人物を知ることにより自分の思考が広がるのように感じました。 この小説の好きなところは、無理にラストシーンを気持ちよく終わらせていな...

物語の新鮮さや登場人物等の思想に感動しつつも、、つねに生きる意味、死とはどうあるべきかを考えさせれる小説でした。登場人物ひとりひとりに価値があり、その人物を知ることにより自分の思考が広がるのように感じました。 この小説の好きなところは、無理にラストシーンを気持ちよく終わらせていないところ。この小説のテーマは結論づけられるものではないし、むしろ人それぞれこれからも考えていく必要があること。 それにしても、今の分人主義の平野さんがよーーく表現されている小説だなと思いました。 色々ある主人公ですが、、さいごに 「最愛の人の他者性と向き合うあなたの人間としての誠実さを、僕は信じます。」 という言葉をかけられて、それにとても救われました。 あ、とても面白いです! ほんとに、、 いつもながら素晴らしい表現力とアイデアには感嘆です。どんな風に映画化されるのか楽しみです。

Posted byブクログ

2024/01/29

自由死、VF、社会格差。 それぞれに十分重たいテーマに、主人公が母親の死を通じて対峙していく。 バーチャル世界に自分の理想郷を投影しても、結局はそれを形作る自分がリアルな世界で感じている不条理さが滲み出してしまうから、自ずと自分と向き合ってひとつひとつのわだかまりを紐解いていかざ...

自由死、VF、社会格差。 それぞれに十分重たいテーマに、主人公が母親の死を通じて対峙していく。 バーチャル世界に自分の理想郷を投影しても、結局はそれを形作る自分がリアルな世界で感じている不条理さが滲み出してしまうから、自ずと自分と向き合ってひとつひとつのわだかまりを紐解いていかざるを得なくなる。苦しい自分との向き合いの時間をへて、最後には未来を期待する気持ちが芽吹いて終わるエンディングが良かった。 テーマが難しくて、きちんと内容を理解できているかはわからないけど、とても読み応えのある本だった。

Posted byブクログ

2024/01/28

正確に、本心を曝け出して、分かち合える人って本当にいるのだろうかと考えながら読んでいました。 また自問自答を繰り返す事が生きてるって!感じられる事に気づけました。

Posted byブクログ

2024/01/28

最愛の母をVRで再現する場面から始まり、「もう十分」と語り自由死を望んだ母の本心を解明していく。冒頭はバーチャルフィギュアという、今後ありえるかもしれない未来を想像させられたが、それよりも、生と死の背景にある格差社会という大きな存在が、そう遠くない未来でも付きまとってるというのは...

最愛の母をVRで再現する場面から始まり、「もう十分」と語り自由死を望んだ母の本心を解明していく。冒頭はバーチャルフィギュアという、今後ありえるかもしれない未来を想像させられたが、それよりも、生と死の背景にある格差社会という大きな存在が、そう遠くない未来でも付きまとってるというのは、考えさせられる節がありました。 母の死という喪失体験を経てVRで再現した〈母〉と過ごした時点から、その後の、大切な人と出会い、それでも多くの葛藤を経験したことで、明らかに朔也は「成長」していました。このことが印象的です。 愛する人でも所詮は他人。自分の知らない一面も必ずある。当然ながら本心を知ることはできません。そんな他者性を理解していても、自分が想像できる限りの本心の最適解を見つけ出そうとする。それは無駄なこと?他者性と向き合うとする誠実さに価値があって、それ以上、以下もないと思います。もし最愛の人が死んでも、その人は自分が死ぬときまで永久に自らの「心」に居続けると、私は信じてます。 この一冊が、自分の死生観を大きく変えることになったかもしれない、、。生きるってなんだろう、辛いことばっかの人生で生きる意味ってあるのか、など自問自答ばっかしてた。それでも、自分はそんな悲観的な部分も肯定して、それでも必死に、前向きに、これからも生きていくんだろうなと思います。

Posted byブクログ

2024/01/21

最愛の人の他者性とどのように向き合うのか。 どれだけ親しい人であっても、その人の本心を知り得ることは不可能である。たとえ本人であっても自身の本心を100%意識的に把握することは難しいだろう。このような他者性を前提とした時に、人は他者とどう向き合うべきだろうか。他人のことは分から...

最愛の人の他者性とどのように向き合うのか。 どれだけ親しい人であっても、その人の本心を知り得ることは不可能である。たとえ本人であっても自身の本心を100%意識的に把握することは難しいだろう。このような他者性を前提とした時に、人は他者とどう向き合うべきだろうか。他人のことは分からないと突き放すのは簡単だ。でも、もし自分の大切な人から、自身への理解を諦められたら、寂しさを感じるだろう。「理解してほしい/理解したい」という気持ちと、「他人に私は理解できない/私は他人を理解できない」という気持ちのバランスの難しさを感じた。 「自由死」と「自然死」 死の自己決定権は尊重されるべきものなのか、とてもセンシティブな問いだと思う。自由死は共感しないが理解はできる。あまりにも過酷な現実の中では、死が救済になり得るのではないだろうか。自分が指定する環境で、好きな分人で死を迎えられることは、幸福権なのか。しかしそれを許してしまうと、外部構造によって自由死に追い込まれてしまうケースが発生してしまう懸念があるのではないか。難しい。

Posted byブクログ

2024/01/20

感情の言語化が上手な作家さんだなと思った。 主人公の繊細な心の変化を巧みに描写している。 優しいが、主張が少なく、自分の気持ちを押し殺してしまう彼は、損をしてしまうことが多いと思う。 しかし、同時にその性格が多くの人を救えると思う。 この物語は未来を想定して描かれているが、す...

感情の言語化が上手な作家さんだなと思った。 主人公の繊細な心の変化を巧みに描写している。 優しいが、主張が少なく、自分の気持ちを押し殺してしまう彼は、損をしてしまうことが多いと思う。 しかし、同時にその性格が多くの人を救えると思う。 この物語は未来を想定して描かれているが、すごくリアルだと感じた。 彼のように綺麗な心を持った人は、ひょんな事から多くの人から称賛され、突然の支援を貰えることは十分にあり得ることだと思う。 善い行いも悪い行いも、常に誰かに見られているということを忘れてはいけないと思った。 ★印象に残ったフレーズ 「家族任せになったら、弱い立場の人は、家族に迷惑がかかるって、自分を責めます。死にたいんじゃなくて、いなくなった方がいいって考えてしまう。」

Posted byブクログ

2024/01/17

格差が広がる2040年代の日本 「僕」は、突然の母の死に失意しVF(ヴァーチャル・フィギュア)を作成することに。 生前、母は「もう十分」という言葉で自ら死を選ぶ「自由死」を望んでいた。 最愛の母が、自由死を望んだ理由は何なのか? 文章の1行1行が「僕」の心を丁寧に描いていく。 ...

格差が広がる2040年代の日本 「僕」は、突然の母の死に失意しVF(ヴァーチャル・フィギュア)を作成することに。 生前、母は「もう十分」という言葉で自ら死を選ぶ「自由死」を望んでいた。 最愛の母が、自由死を望んだ理由は何なのか? 文章の1行1行が「僕」の心を丁寧に描いていく。 閉塞感に満ちた世界でも、生きることを肯定的に捉え、希望を与える愛に満ちた作品

Posted byブクログ

2024/01/16

近未来の2040年、母を事故で亡くした29才の主人公朔也は寂しさからVF(バーチャルフィギュア)で母を作ってもらう。 彼の仕事は「リアルアバター」依頼者のために現地に赴き、ヘッドセット越しに現実感を提供する。 近未来、本当にこんな世界が広がるのかもしれない。 そんな設定の中で描か...

近未来の2040年、母を事故で亡くした29才の主人公朔也は寂しさからVF(バーチャルフィギュア)で母を作ってもらう。 彼の仕事は「リアルアバター」依頼者のために現地に赴き、ヘッドセット越しに現実感を提供する。 近未来、本当にこんな世界が広がるのかもしれない。 そんな設定の中で描かれるのは生きている人間は常に変化し続けている、ということ。 彼の出生の秘密にも現代らしさが窺われ、現実に悩み続ける人も多いのだろうと案じられる。

Posted byブクログ