本心 の商品レビュー
平野さんの本は、内容が濃く、いつも没頭して読む でも、比喩が過剰なのと、登場人物が「自分自分」していて、あまり好きなタイプが出てこないのが、、 それでも、舞台が2040年、「自由死」「格差社会」「VF」など、設定がとても面白かった こうなるだろうな、ならないでほしいなと思う...
平野さんの本は、内容が濃く、いつも没頭して読む でも、比喩が過剰なのと、登場人物が「自分自分」していて、あまり好きなタイプが出てこないのが、、 それでも、舞台が2040年、「自由死」「格差社会」「VF」など、設定がとても面白かった こうなるだろうな、ならないでほしいなと思う近未来だった
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人間の本心なんてものは その時々の社会の情勢によって形作られる 必然的なものにすぎないのだろうか そういった意味では〈母〉に「母」の本心を求める行為をナンセンスだと言い切ることはできまい 他社も自己もそれぞれにおいて、 個々の本心など理解することはできない それでもなお根幹...
人間の本心なんてものは その時々の社会の情勢によって形作られる 必然的なものにすぎないのだろうか そういった意味では〈母〉に「母」の本心を求める行為をナンセンスだと言い切ることはできまい 他社も自己もそれぞれにおいて、 個々の本心など理解することはできない それでもなお根幹にある軸のことを 我々は「本心」と見做し、呼称するべきなのだろう
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2040年近未来の日本の話 自由死が認められる世界で起きる新たな社会問題が前提で物語は展開する。構想の緻密さに驚いた。 ベースがどんよりしてるから、正直進みづらかったけど何度も行を読み直して時間をかけてゆっくり読みたい作品だった。
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重ための物語だけど2040年にはそんな世界にもなってるんだろうな、と思った。そう遠くはない未来の話。
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近未来の日本の設定がディストピア。この小説は過酷を生きるであろう未来人に対する作者からのエールだとかなり勝手に思っている。
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難しかったけど読み応えあってよかった 感想書くの難しいけど、自由死とかVRで死者をモデルにしたアバターを作って話すとか普段考えないことが出てきて面白いなと思った
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すごく刺さった文章 「何のために存在しているのか?その理由を考えることで、確かに人は、自分の人生を模索する。僕だって、それを考えている。けれども、この問いかけには、言葉を見つけられずに口籠もってしまう人を燻り出し、恥じ入らせ、生を断念するように促す人殺しの考えが忍び込んでいる。...
すごく刺さった文章 「何のために存在しているのか?その理由を考えることで、確かに人は、自分の人生を模索する。僕だって、それを考えている。けれども、この問いかけには、言葉を見つけられずに口籠もってしまう人を燻り出し、恥じ入らせ、生を断念するように促す人殺しの考えが忍び込んでいる。勝ち誇った傲慢な人間たちが、ただ自分たちにとって都合のいい、役に立つ人間を選別しようとする意図が紛れ込んでいる!……僕たちが「生きていていいのか」と問い詰める側に立ってしまえば、終わりじゃないか、と。」 「僕は、雀の目に、この世界がどう見えているのかは知らない。その全身に、この世界がどう感じ取られているのかも。しかし、人間である僕と、まるで違うことだけは確かだった。それぞれに、この世界を、自分の生存に必要な方法で認識している。僕と雀とが、この世界を真に等しく享受するのは、死後、僕たちの種に固有の認識システムが破壊されて、宇宙そのものと一体化する時だろう。だとすれば、僕に今、あの木の緑が、あのように美しく見えていることには、僕が生きていく上で、必要な意味があるのだった。」 「僕は子供が、ただ自分の好きな色のビーズだけを、好きな順番で糸に通してゆくように、記憶の中から、楽しかった思い出だけを取り出して、過去から今に至るまでの僕という人間を作り上げるだろう。僕は僕自身よりも、僕の夢を愛するだろう。しかしそれとて、乏しいよりも豊富であってほしいに違いなかった。」 今までは生きる意味を問う時間が多かったが、そのことによって自分の自尊心を傷つけ、死を連想させていたのだと、気付くことが出来た。「!」によって問うこと自体間違っている!と強く訴えているのだと。生きる意味など必要なく、ただ美しいものを美しいと認識できる生に感謝したいと思えた。そして懊悩や苦痛の経験をしても、そんなことは忘れて、楽しかったことや嬉しかったこと、幸せだった記憶をより美しいものとして記憶の中に保管し、その夢を生涯を持って愛したい。そう思えた。
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本心とは、デジタル大辞泉によると以下のとおり 1 本当の心。真実の気持ち。 2 本来あるべき正しい心。良心。 3 たしかな心。正気。 4 本来の性質。うまれつき。 本書の物語の舞台は、近未来。今の世の中と比べそう遠くはない未来であると感じた。自由死という概念の賛否についても考え...
本心とは、デジタル大辞泉によると以下のとおり 1 本当の心。真実の気持ち。 2 本来あるべき正しい心。良心。 3 たしかな心。正気。 4 本来の性質。うまれつき。 本書の物語の舞台は、近未来。今の世の中と比べそう遠くはない未来であると感じた。自由死という概念の賛否についても考えてみたが、私は反対。自殺を肯定しているように感じるから。 自由死の賛否は、さておき、どうも主人公の母に対する感情が過剰過ぎるような感じがしたこと、三好に対するモヤモヤとしたやりとり等を見ていたら、自分には合わない性格の持ち主だなと感じてしまい、それからは、主人公の行動1つ1つに、難癖をつけながら、なんとか読了した。本心を伝えることは、そんなに難しいのだろうか、主人公はあれこれと考え過ぎなのではないだろうか。 本心とは何かをとことん考えさせられる小説である。
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物凄く心に残った一節。 『僕に今、あの木の緑が、あのように美しく見えていることには、僕が生きていくうえで、必要な意味があるのだった。』 いつか宇宙の一つになって消えてしまう存在でも、自分が何かを見て美しいと感じる事や、幸せだったと過去を思い返すこと、将来に希望を持つことは、今こ...
物凄く心に残った一節。 『僕に今、あの木の緑が、あのように美しく見えていることには、僕が生きていくうえで、必要な意味があるのだった。』 いつか宇宙の一つになって消えてしまう存在でも、自分が何かを見て美しいと感じる事や、幸せだったと過去を思い返すこと、将来に希望を持つことは、今この時間を生きている自分には必要なことなのだと思える。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
生きることに関しての哲学的な表現が多く、理解のために何度も行をなぞることが多かったです。 全体を通して、どんよりと曇りがかったような重い雰囲気で、若干読んでいて気が滅入る感じでした。 仮想空間やアバターの話は、そう遠くない未来には実際に有り得そうと思います。
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