神に愛されていた の商品レビュー
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話の展開が常に予想できてしまうものの、作家(東山)と若き作家(白川)が見事にすれ違っていく歯痒さを覚え、一気に読了。 自分より若く才能もあり、本も売れているとなれば、こいつさえ居なくなれば…と考えるのは当然だと思う。しかし、東山は、白川に全てを奪われて憎しみを覚えながらも彼女の本を買い続け、その才能にひれ伏していた。単純に凄いと思う。私だったら嫌いな奴とはなるべく関わるまいとして避けて生きていくだろう。 白川の思考回路に、どうしてそうなるのかとツッコミたくなるところもあったが、実際、かねてからの憧れの人にやっと会えたときに平常心を保てるかと問われれば自信はない。 東山に小説を書いて欲しい、ただそれだけのために生きていたのに、逆に自分が原因で東山が書けなくなったと知った白川が哀れでしょうがない。 東山と小説を遠ざける者は何人たりとも葬り去るというスタンスを最期まで貫いた点に感服する。 白川のように生涯をかけて追いかけたい作家がいるというのは、羨ましい限りだ。
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面白かった。 最近思うけど、面白くて、一気に読んでしまうが、 読んだ〜っ‼︎という感じになる本がほんとに少ないと思う。 私が年齢を重ねたせいかもしれないが。 世阿弥最後の華のように、読み終わったあとの読みごたえを感じる作品ではない。 キャッチーで、エンタメ。映画化とかされやすそう。この方の他の本を読んだことがないので、こういう時書き方なのか、わざとこうしているのかわからない。 最近、2つの視点から物語を書く手法が流行っているけど、創造力の低下が招いたことなのか、小説として本当に必要なのか?私にはわからない。 ダークサイドならダークサイドで良いと思う。
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装丁とタイトルが気になり、何となく手に取って面白そうだから読み始めました。 詩的な流れるような文体がそうさせるのか、手を止めることなく一気に読み終えました。 帯に「女にだけわかる狂気」とあるように、二人の女性作家の嫉妬や狂気が描かれますが、女性向けの小説ということでもなく、物を創り出す仕事をしている人であれば、創作における心の闇の部分に対して、性別に関わらず共感できるでしょう。 後半は驚くべき罪の告白もあり、闇はさらに広がりますが、最後には二人の作家の心のすれ違いがや誤解が融けていき、闇の中に一筋の光が差し込むような、かすかな美しさを残して終わります。 神に愛されたかったあの人に向けて、冴理どんな物語を描いていくのでしょうか。 いい作品でした。
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初めて読む作家さん。題名に惹かれたので手に取った。まず、装画がとても素敵!パラパラめくると字が少ない! 題名から重厚な文章を期待したけれど、文は割とポップだった。ライトノベルのよう。なので、若い作家さんなのかな?とも思ったけど、登場人物の名前やキャラ設定が、割と平成初め頃な感じ...
初めて読む作家さん。題名に惹かれたので手に取った。まず、装画がとても素敵!パラパラめくると字が少ない! 題名から重厚な文章を期待したけれど、文は割とポップだった。ライトノベルのよう。なので、若い作家さんなのかな?とも思ったけど、登場人物の名前やキャラ設定が、割と平成初め頃な感じの雰囲気だったので、ちょっとパンチの効いた中堅の作家さんという印象を受けた。 筋は面白く、どんどん先を読みたくなった。作家さんが本を書く大変さが少し垣間見れたので、小説を書いたこともない一読者が、あーだこーだ感想言うのはなんか申し訳ない気がした。ミステリーとは言えない気がした。 ドラマ化すると良さそう。天音役は、恒松祐里さんが直ぐに浮かんだ。冴理役は今ひとつぴったりくる方が思いつかなかったけど、鶴田真由さんとか?若い時代は別の俳優さんを起用してもらって。 嬰役を柄本佑さんのような色気あり、雰囲気あり、そして演技上手な俳優さんに演じてもらったらしまっていいなぁ、なんて一人で楽しく考えてました。 読者の感想なんて、お気楽で申し訳ないなぁと思いつつ…
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すんごかった。最後の一文が目に入った瞬間にトリハダが立って「うわぁ、すごい。」と言葉に出た。 漫画にも映画にもできない、この面白さは読書ならではだと思う。 全てが計算し尽くされていたし、読み進めながら何度も振り返りに戻った。戻るたびに、自分が何気なく読み進めた文章が際立って、遠...
すんごかった。最後の一文が目に入った瞬間にトリハダが立って「うわぁ、すごい。」と言葉に出た。 漫画にも映画にもできない、この面白さは読書ならではだと思う。 全てが計算し尽くされていたし、読み進めながら何度も振り返りに戻った。戻るたびに、自分が何気なく読み進めた文章が際立って、遠い稲妻のように光った。 終盤に差し掛かって【誰が誰に愛されたのだろう】【誰の神だろう】【タイトルは天使に愛されていたではないのか】と疑問が湧いたが、そんな自分の考えが浅すぎて震えた。 間違いなく、神に愛された一冊だった。
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面白くて一気に読んでしまった。 天音の冴理に対する想いは下手すると異常な愛になるんだけど、それを感じさせずむしろ純粋さがあって良かった。 とはいえ、冴理からみた天音はとてもひどい女性なのだけど。 好きな京都の街もちょこっと出たし、文芸部のメンツも可愛らしくてほっこりした。 同年代の美人作家の登場。 しかも高校、大学の後輩で冴え渡る才能ときたら冴理じゃなくても絶望してしまう。 ラストは読了感よかった。 茉莉も報われて良かった。
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帯に「女にだけわかる狂気」とあり、どろどろしたミステリーを期待してしまったが、すれ違う恋物語だった。 天音の崇拝とも言える執着は異常なものの、読みやすい文体のせいか狂気というよりも健全な方へ導いてあげたファンとして、しかし当の本人にはその愛は伝わらなくて、という切なさ。 天音のやっていることだけを考えると異常なのだが、それを"狂気"と呼ぶには違和感がある。別に狂ってる訳じゃなくて、神として執着してしまっているだけなのだから。 もっと闇が欲しかった。
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読み始めて数ページで、その世界観に惹き込まれ、一気に読んだ。 途中、「もしかして…?」と伏線と『雨』の正体に気付いたけれど、気付きながらも夢中でページをめくった。 あ、あの時のあれはそういうことか、ああ、これも…と切なくなる。捉え方次第でこうも変わってしまうのか。 全て読み終わった後で、それぞれの視点からまた読み返したくなった。 全て分かった上で改めてタイトルを見ると切なくて堪らない。
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大きく二部構成になっているが、一部目のストーリー内に張られた伏線がすべて非常にわかりやすい。 そのため、答え合わせパートとなる二部目に新鮮味はなく、失速したままストーリーが終わる印象。 帯文負けしている。 普段全くミステリーを読まない人なら、それなりに楽しめるかもしれない。
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天才が秀才に抱く激重な愛情が最高すぎる。 後半の、前半へのアンサーが特に好きでした。 愛し方がわからなくて「こうだ!」って行動したら秀才のコンプレックスを刺激してしまって。 なのに自覚がない。 なにも伝わらない。 それで逆に秀才が引いてしまって、「あれれ?なんで?」ってなってる天才のサイコパスみにたまらなくなりました。才能に全振りしてしまったが故にその他が欠損しているかんじ、とても好きです。 授賞式で、緊張しすぎて素の自分になってしまって笑顔がつくれず塩対応になっちゃったのも不器用かわいい。自分がさりの一番になりたくて同じ作家になったのに、幸せを考えた結果、好きでもない男と結婚しちゃうところが本末転倒すぎて泣けてきました。 ぜんぶ裏目に出てて……。 それでもちゃんと、最後にはさりちゃんに想いは届いてたからよかったねとなりました。 対比の描き方が気持ちよかったです。
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