神に愛されていた の商品レビュー
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自分にとって神にも等しい人への想いが何一つ伝わらず、結果的に全てを奪う形になってしまった天音。 殺意を抱くほど憎き相手に、全てを懸けて愛されていたことに気が付いたのは、死に導いた後だった冴理。 救いようがないくらいひどいすれ違いの物語だったのに、読後感は悪くなかった。 最後の最後で、報われない愛などなかったと思わせてくれたからかもしれない。 著者の他の作品も読んでみたいと思った。
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読み終わったあと、とっても大好きな作品になっていました。 悲しくて愛しい…そんな気持ちになるお話でした。
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嫉妬や嫉みが書かれているが、それが汚くなく美しさも感じた。神だと思ってしまうくらいに人を憧れられる生きる希望があるなら逆に失う怖さもでてくる。自分の人生を懸けてでも人を崇めることは幸せなのだろうか。やはり人を神と思い込んでしまうのは危険な気がする。でも美しい物語だった。
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内容の重さと裏腹に、ライトで読み易い文体。a面b面からなる二部構成で、二人の視点から綴られる。小説家の苦悩、才能の残酷さが丁寧に描かれていた。作者の後書きを読んで、これが決してフィクションではなく、実体験の伴ったリアルなんだと感じられた。そのリアルに、純粋すぎる"神&q...
内容の重さと裏腹に、ライトで読み易い文体。a面b面からなる二部構成で、二人の視点から綴られる。小説家の苦悩、才能の残酷さが丁寧に描かれていた。作者の後書きを読んで、これが決してフィクションではなく、実体験の伴ったリアルなんだと感じられた。そのリアルに、純粋すぎる"神"への信仰という狂気のエンタメ性を乗せることで、フィクション小説へと昇華させた手腕は凄いと思う。
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※ もし命の期限を変えてしまうほど衝撃を 受ける小説に出会ったなら、その作者を 神だと思ってしまうのかもしれない。 恋も愛も超えた憧れは、神への崇拝にも 似ていて、その高すぎる純度ゆえに人を 盲目なまでに献身的にさせて狂わせてしまう。 でも想いが深くて強すぎるために、 緊張と...
※ もし命の期限を変えてしまうほど衝撃を 受ける小説に出会ったなら、その作者を 神だと思ってしまうのかもしれない。 恋も愛も超えた憧れは、神への崇拝にも 似ていて、その高すぎる純度ゆえに人を 盲目なまでに献身的にさせて狂わせてしまう。 でも想いが深くて強すぎるために、 緊張と興奮でうまく伝えられず、 思えば思うほど空回りしては誤解を生み、 どんどん絡まっていく様子はもどかしくて 仕方がない。 才能への嫉妬や羨望、足掻いても届かない ことへの絶望もそこに登場人物が本当に 生きているかの様に生々しく思える。 希望と絶望、愛と憎しみ、そして光と闇。 真逆の対比が鮮烈でした。
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小説家という孤独とそれを愛した人達、魅了された人達の話。遠回りのようで真っ直ぐな人達のかけ違え。綺麗な文章だった。
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とてつもない執着と執着、そして愛と愛。 神に愛されるって結局一体なんだろう。 人によっていろいろな感想が浮かぶだろうと思う。 でもこれは紛いなくハッピーエンドだと言えるなぁ。 それにしても小説家って本当に身を削る仕事だなと思う。 そして私はやっぱり小説に救われて生きてきて、救われながらこれからも生きていくのだろうな。 ありがとうございます。
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自分より若くて素敵な同性の部下、後輩が次々出てくる世代の女にぶっ刺さる、刺さりまくるお話。 ラストにかけて、本を読んでて久しぶりに号泣してしまった。泣きすぎて鼻呼吸が一切出来なくなって死ぬかと思った。 どちらにも幸せになってほしかったけど、幸せになってたらこの読了感は味わえない...
自分より若くて素敵な同性の部下、後輩が次々出てくる世代の女にぶっ刺さる、刺さりまくるお話。 ラストにかけて、本を読んでて久しぶりに号泣してしまった。泣きすぎて鼻呼吸が一切出来なくなって死ぬかと思った。 どちらにも幸せになってほしかったけど、幸せになってたらこの読了感は味わえない。最高だった。
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どんでん返し系だが、予想通りといった内容。 ただ話のまとまりがよく伏線は綺麗に回収される。 ここまでタイトル通りの作品はなかなかないような気もするし、ラストがとても綺麗で好み。
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辛い生活の中で小説を愛し小説家になる事しか考えられず夢を叶えた主人公。そんな主人公と同じ高校の同じ同人会出身の3つ年下の天才小説家。主人公は圧倒的な実力の差を見せつけられ、デビュー年齢が同じ彼女に恐ろしい程の劣等感を抱く。彼女のデビューの後、順調だった小説家としての毎日がどんどん...
辛い生活の中で小説を愛し小説家になる事しか考えられず夢を叶えた主人公。そんな主人公と同じ高校の同じ同人会出身の3つ年下の天才小説家。主人公は圧倒的な実力の差を見せつけられ、デビュー年齢が同じ彼女に恐ろしい程の劣等感を抱く。彼女のデビューの後、順調だった小説家としての毎日がどんどん狂い出し主人公は書くことが出来なくなってゆく。発売時の帯にはヒューマンミステリーとか狂気とかの言葉が踊っていたようだが、実際はミステリーでもなんでもない。ただ小説の手法の問題としてラストにあれはそういうことだったんだという腑に落ちる要素はあるけれどポイントはそこじゃない、この小説は青春小説で少女小説だ。 既視感があると思ったのは山田詠美がかつて様々な短編で描いていたような少女と少女の捩れた関係性の話と同じものを描いていたからだと読後1日たって気がついた。 たった一人についての思い、それが愛情であっても恨みであっても、その事が自分を強くもし縛りもし生活の全てになってしまう事の狂おしさよ。 心の軸から湧き出してくる感情の醜さよ。 そんな少女の苦しさに満ちている小説でありました。 で、小説家の話なのでプロの小説家として生きるという事はなんとも削られることなのだろうとも思えて尊敬致しました。
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