私労働小説 ザ・シット・ジョブ の商品レビュー
面白い。僕はイエローでももちろん面白かったけどこれはブレイディさんの視点で世界を見ているから全く別物。 ブレイディさんの強さと弱さのバランスとパンクさと繊細さが見ていて共感もできるし心が温かくなる。 短絡的だけどアルバイトの最低賃金が1500円になれば日本ももう少し生きやすくなる...
面白い。僕はイエローでももちろん面白かったけどこれはブレイディさんの視点で世界を見ているから全く別物。 ブレイディさんの強さと弱さのバランスとパンクさと繊細さが見ていて共感もできるし心が温かくなる。 短絡的だけどアルバイトの最低賃金が1500円になれば日本ももう少し生きやすくなる気がするけどな。
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「会社勤めのホワイトカラー。客に直接接する業務でなくて、コロナ禍ではリモートワーク」。そんな人が本書を読みとくのは、シンパシーかエンパシーか。自分の仕事もなくては困るかけがえのないものと、そうと思いたい、たとえ現実は違ったとしても。…「自分だけなにか違った属性に見られている」。時...
「会社勤めのホワイトカラー。客に直接接する業務でなくて、コロナ禍ではリモートワーク」。そんな人が本書を読みとくのは、シンパシーかエンパシーか。自分の仕事もなくては困るかけがえのないものと、そうと思いたい、たとえ現実は違ったとしても。…「自分だけなにか違った属性に見られている」。時々感じる職場での疎外感。”薔薇よりパン”。生活のためには稼がねばならぬ。賄ってくれる人に媚びへつらい失礼されることを売る。誰もが”シット・ジョブ”をしてる?でも、気づかねばならない。誰かを軽くみていないか?身近にいる誰かを。
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労働で得られるものとは、結局何なのか。 何かを始めるために一時的に必要な金銭を稼ぐことなのか、ポッシュに搾取されても自分の物理的な居場所が守られることなのか、ただ数をこなしている裏側で実は誰かの大切な想い出を紡でいたりすることなのか、個人が成長しようと頑張っても組織に強制的に阻ま...
労働で得られるものとは、結局何なのか。 何かを始めるために一時的に必要な金銭を稼ぐことなのか、ポッシュに搾取されても自分の物理的な居場所が守られることなのか、ただ数をこなしている裏側で実は誰かの大切な想い出を紡でいたりすることなのか、個人が成長しようと頑張っても組織に強制的に阻まれるものなのか、相手のためより自分のためにするほうが結局みんなハッピーになるのか… ダイレクトにポジティヴな電波を受け取るような仕事が、もっと価値のある仕事として世の中の共通認識になるといいと思う。
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ブレイディみかこの「私小説」。著者の経験をもとにしたフィクションということで、とても臨場感があり、リアル。 すべての短編に通底しているのは、ままならない状況に置かれている人たちへのエンパシーだ。 水商売は、失礼をお金に変えていること。 「失礼を売り、失礼を買う。失礼は金になるの...
ブレイディみかこの「私小説」。著者の経験をもとにしたフィクションということで、とても臨場感があり、リアル。 すべての短編に通底しているのは、ままならない状況に置かれている人たちへのエンパシーだ。 水商売は、失礼をお金に変えていること。 「失礼を売り、失礼を買う。失礼は金になるのだ。」 「自分のソウルによくない仕事はやめるべき」とアドバイスしてくれる下宿のお母さんに背中を押され、脱出をはかる第五話の主人公。 でもそれを選択するしかない場合もある。 シットジョブ(クソみたいな仕事)しか残されていない人たちだ。 リスペクトされ、尊厳を持って暮らせる社会。誰もが美味しいパンを食べられる社会。当たり前だったことが、今や当たり前でなくなりつつある。 作者は常に、その蔑まれた側の人たちの側に寄り添っている。 あからさまに差別され蔑まされ、いないことにされる人たちへの共感に満ちている。 大人ってそうでなくては。 ブレイディみかこはぶれないねー。
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