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私労働小説 ザ・シット・ジョブ の商品レビュー

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44件のお客様レビュー

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2024/02/07

生まれや仕事、性別などを起因とする差別は長い伝統があるイギリスだからこそ、強い。 主人公は、それらの負の力への反抗心を行動で示していて、あまりの差別に読んでいて嫌な気持ちになりつつも、最終的にはすっとした。 特に、鏡に口紅で捨て台詞を書いて出ていったとこは、痛快だった。 奥さんは...

生まれや仕事、性別などを起因とする差別は長い伝統があるイギリスだからこそ、強い。 主人公は、それらの負の力への反抗心を行動で示していて、あまりの差別に読んでいて嫌な気持ちになりつつも、最終的にはすっとした。 特に、鏡に口紅で捨て台詞を書いて出ていったとこは、痛快だった。 奥さんはきっと下の階には降りないから、まだあの旦那さんは同じことやってるのだろう。 人として強くありたい。 弱い人に優しくありたい。 自分に好きでありたい。 チャカのお母さんのように。 「自分のソウルによくない仕事はやめるべき」 ソウル!魂かー。 パブロの言う 「本当に人間がすべき仕事」や 「シット ジョブ」くそみたいに報われない仕事の、地位が向上され、満たされて、生きていけたら、報われる世界になったら、最高だよねっ。

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2024/02/06

とても興味深く読了。 イギリス、階級社会というのは知ってたけど今なお”シット・ジョブ(クソのような仕事)”と呼ばれる仕事があることを知った。 金銭的にも報われず、社会的にも軽視されてる仕事。 日本にも3K (きつい、汚い、危険)と呼ばれる仕事はあったけど(今もある)単一民族だから...

とても興味深く読了。 イギリス、階級社会というのは知ってたけど今なお”シット・ジョブ(クソのような仕事)”と呼ばれる仕事があることを知った。 金銭的にも報われず、社会的にも軽視されてる仕事。 日本にも3K (きつい、汚い、危険)と呼ばれる仕事はあったけど(今もある)単一民族だから人種による差別はないしね。 著者は過去に底辺託児所(このネーミングも差別的)で働いてた経験があるそうなのでよりリアル。 そう、自伝的小説とあった。 私もあとがきにあったようにこのシット・ジョブという言葉が未来にはなくなり過去のものとなることを祈らずにいられない。

Posted byブクログ

2024/02/05

今までのノンフィクション作品の、キモみたいなものを集めてフィクションの短編集にしました、みたいなものだった。 自身の経験に裏付けられているだろう内容。 イギリスでは労働者階級なるものがあって、ヒエラルキーが形成されているようだが、現代にも根深く残っているんだろうか。 日本でも介護...

今までのノンフィクション作品の、キモみたいなものを集めてフィクションの短編集にしました、みたいなものだった。 自身の経験に裏付けられているだろう内容。 イギリスでは労働者階級なるものがあって、ヒエラルキーが形成されているようだが、現代にも根深く残っているんだろうか。 日本でも介護や保育系の職種は薄給のイメージがあるが、もっと高級でもいいと常々思っている。 一番印象的だったのは、「失礼は金になる」というワード。真理をついてるなと思った。

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2024/02/03

人生綺麗なものばかりじゃないと思っているが、それがよく現れている小説。荒くて激しい。でもそれが真実。 人間が生きていくためには、どこかで「他者のケアをする仕事」が必要になる、必ず必要な仕事なのに低く扱われてしまう、そのことを考えさせられた。

Posted byブクログ

2024/02/03
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

なんか急に核心をついたりするので、驚いた。 〈第三話 売って、洗って、回す〉 何も考えず、何も感じない。 それは全体のPIECE(欠片)になることによって得られる究極のPEACE(平和)。 〈第五話 ソウルによくない仕事〉 あなたが自分を愛してないのが仕事のせいなら、やめたほうがいい。自分を愛するってことは、絶えざる闘いなんだよ 自分のソウルによくない仕事はやめるべき 〈第六話 パンとケアと薔薇〉 ケアというのには双方の人間が必要なんだ。ケアする方とされる方、双方の人間がいてポジティブな精神的電波が生まれる。この電波こそが、人間が今日まで生き延びてきた原動力になったというは人もいる

Posted byブクログ

2024/01/31

ブレイディみかこさん、初の自伝的小説。 イギリスに渡り、シット・ジョブ(くそみたいに 報われない仕事)を幾つも経験した彼女ならではのヒリつく言葉に胸を突かれた。 一話「1985年の夏、 あたしたちはハタチだった」 年齢と美醜で判断されて、失礼な...

ブレイディみかこさん、初の自伝的小説。 イギリスに渡り、シット・ジョブ(くそみたいに 報われない仕事)を幾つも経験した彼女ならではのヒリつく言葉に胸を突かれた。 一話「1985年の夏、 あたしたちはハタチだった」 年齢と美醜で判断されて、失礼な言葉や態度を許容することで、お金を貰っているあたし。 「水商売の女を彼女にしている自分」は「女子大生や昼間の仕事をしている女を彼女にしている自分」より「下」になる、という意識が男全般の中にあることをあたしたちは知っている。 三話「売って、洗って、回す」 "誰か"を演じ続ける仕事をしていると人は自分を愛せなくなってしまう。 いっそ思考や感情のない"機械"の一部になれば 恍惚だと感じるなんて…主体性のかけらもない。 五話「ソウル(魂)によくない仕事」 他人に低く見なされるから自分が低い者になった気がするなら断固闘うべき! 自分自身が人間として低い者になっていく感覚があるなら直ちにその場から離れるべし! 介護士だった母親の話は切ない(六話) 「低賃金で重労働で病院のヒエラルキーの底辺にある仕事を呪いながら、母は、本当はあの仕事が好きだったのだ。向いていたから。報われない仕事が向いているなんて!」の言葉にやるせなさを覚えた。 物価上昇の中、シット・ジョブへの不安と怒りが広がっている。 医療従事者のストライキを伝える映像も記憶に新しい。 英国の労働現場で何が行われているか、人々の思いを知るきっかけとなった。

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2024/01/29

「私」労働小説と題するように、作者の経験「も」元にした短編集。 長年階層社会である英国の労働者階級に暮らす作者が見る、かの国(と日本)の階層(区分けは本当にさまざま)の狭間で起きるshitな出来ごと。 どの編も主人公たちが顔を上げ、前を向き、人生に立ち向かおうとする姿で閉じら...

「私」労働小説と題するように、作者の経験「も」元にした短編集。 長年階層社会である英国の労働者階級に暮らす作者が見る、かの国(と日本)の階層(区分けは本当にさまざま)の狭間で起きるshitな出来ごと。 どの編も主人公たちが顔を上げ、前を向き、人生に立ち向かおうとする姿で閉じられるが、書かれるエピソードが本当にshitで、もやもや感が抜けない。

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2024/01/26

癖の強い文体だがスラスラと読めた。勢いというか、荒削りな乱暴さがある。粗野だとか、下品だとか暴力的であるとかではない。パワーがある。そういう意味での乱暴さである。 様々な仕事を経験して主人公が見ていくものは実に興味深い。感じていくものなども興味深かったが、個人的にそこまで刺さらな...

癖の強い文体だがスラスラと読めた。勢いというか、荒削りな乱暴さがある。粗野だとか、下品だとか暴力的であるとかではない。パワーがある。そういう意味での乱暴さである。 様々な仕事を経験して主人公が見ていくものは実に興味深い。感じていくものなども興味深かったが、個人的にそこまで刺さらなかった。

Posted byブクログ

2024/01/26

労働をして、対価を貰う。何がシットジョブとなるか、やってみないとわからんと、後が辛くなるよね。賃金とは何ぞやと考えさせられるわ。

Posted byブクログ

2024/01/22
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

著者の視点、興味深い 惹き込まれて一気に読んでしまった 搾取される仕事とは 自分が愛せなくなる仕事 自分が愛せなくなる仕事はすぐに離れるべき どんなに生活がかかっていても 我慢しないほうがいい ケアする仕事 人間にしかできない仕事 もっと評価され対価があっているべき 著者の母親のエピソード 介護士で働いていた頃、 家ではとんでもない仕事の悪口について娘に話していたが、 職場の人からの評価は、天使のような人 過去に友達から 介護士の兄について聞いた話を思い出した 家での悪態がひどい兄で でもとっても可愛い同僚の彼女がいて 彼女に対してもあまり優しくないようで 不思議に思い、兄のどんな所がいいのか?と彼女に聞いたら 職場のお年寄りには、本当に優しい人なの 的なことを言っていたと 友達の話は聞いてから10年以上経つが、 なぜか忘れられずにいた まだ若かった私は、きっとショックをうけたのだろう どっちが本当の彼なんだろうって 人にはいろんな顔があって当然かもしれない 少しだけそう思えるようになってきた

Posted byブクログ