杉森くんを殺すには の商品レビュー
友人から紹介してもらった書籍「杉森くんを〜」。書くとシャドウBANされそうなタイトルなのですが「あのときこの書籍を読んでおきたかった」と思えるような素晴らしい内容でした。子どもたちが小学校高学年になったら読んでもらいたいので、物理本で本棚に収納。
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わたしはあのこを殺さないといけない。 衝撃的なタイトルにギョッとする。中身もなかなかギョッとする内容である。主人公・ヒロの一人称なので現実世界と心の中と回想が混ざり、なかなか全貌は把握できない。最初に「杉森くんを殺す」という話をミトさんという大人にするところから始まり、しかもミトさんはその話を特に咎めないのである。どういうことだろう、という驚きからどんどんとページをめくる。半分くらいのところで、すでに杉森くんが死んでいること、しかもそれは自殺であったこと、ヒロにずっと助けを求めていたがヒロはそれを拒絶してしまった(と思っている)ことがわかる。それでは、そのすでに亡くなっている親友を「殺す」とは? 身近な人を亡くしたとき、人の心はさまざまに揺れる。納得できなかったり、誰かや自分を責めたり、亡くなった人のことを思い出したり。これはヒロが杉森くんの死を「消化する」までの心の動きを描いた物語である。適切な言葉が思いつかないので「消化」と書いたけど、つまりはグリーフの過程だ。特に自分に罪があると感じている死に関しては、この過程は大切である。自分の罪を責める気持ち、死んでしまったことを許せない気持ち、自分もキャパオーバーになりかけていたという辛い気持ち。 悲しいことではあるが、人はどんな悲しみからも立ち直る。ヒロも周囲の人と関わりながら自分の気持ちを整理した。考えを書き出したり、木工で手を動かしたりは気持ちの整理によいと聞く。ヒロは自分の中に杉森くんだけでないリトル誰かがずっといること、そのリトル誰かは自分の中にいるもので本人とは異なること、ただそのリトル誰かと一緒に生きていくことを会得する。 この物語をどのように、誰に、いつ、手渡すのかはとても難しい。しかしこの物語を届けたい人はどこかにいる。どうしようもなくなっていたら物語は読めないかもしれないので、そのちょっと前に手に取ってもらいたい。それにはこの衝撃的なタイトルもよいのかもしれない。目を引くから。読めば理由もわかるから。
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ポップな表紙と相反するタイトルで、内容は知らずに、「児童書ですが、大人のかたにも」との勧めで読んでみました。 主人公が抱える、どうにもし難い想いが、タイトルに繋がります。 表情を失くしてしまった主人公の心が、周りの家族や友達の言葉や気持ちに触れることで、自然な笑顔を取り戻していく...
ポップな表紙と相反するタイトルで、内容は知らずに、「児童書ですが、大人のかたにも」との勧めで読んでみました。 主人公が抱える、どうにもし難い想いが、タイトルに繋がります。 表情を失くしてしまった主人公の心が、周りの家族や友達の言葉や気持ちに触れることで、自然な笑顔を取り戻していく。 1人で抱えるには重すぎて、でも記憶から消し去ることはできなくて、 1人でできることはなくて、1人で抱える必要はなくて、たくさん手を伸ばしていけるように、繋いでいくしかないのかもしれない。 「依存先が多ければ、それは自立」
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これすごく良かったです!タイトルに惹かれ手に取りました。エンタメ要素の強いお話なのかと思っていましたが、いえいえ、しっかり命を扱う重いお話でした。それであっても、登場人物それぞれがいい意味でさっぱり、飄々としていて、しっかり心の葛藤も描かれている。個人的には『成瀬は天下を取りに行...
これすごく良かったです!タイトルに惹かれ手に取りました。エンタメ要素の強いお話なのかと思っていましたが、いえいえ、しっかり命を扱う重いお話でした。それであっても、登場人物それぞれがいい意味でさっぱり、飄々としていて、しっかり心の葛藤も描かれている。個人的には『成瀬は天下を取りに行く』のようなタッチに感じて、好みでした。もちろん作中のような悩みの中にある人にも、そうでない人にも響く作品だと思います。ぜひ読んでもらいたいです。
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題名に惹かれてあっという間に読み終わりました。 読み終わった後にぜひもう1回初めから読み直して見てください。 物語が180度違って見えます。すごい。すごい深い。リアル。周りの反応とか、1回目には腑に落ちなかったことが、そういうことか、ってなります。 杉森くんみたいな友だちを思い...
題名に惹かれてあっという間に読み終わりました。 読み終わった後にぜひもう1回初めから読み直して見てください。 物語が180度違って見えます。すごい。すごい深い。リアル。周りの反応とか、1回目には腑に落ちなかったことが、そういうことか、ってなります。 杉森くんみたいな友だちを思い出しました。 人間関係ってなんでこんなに複雑なのか。考えると頭痛くなってくるので、この本は児童文学だけど私にはむしろまだ早いんだと思う。 あの子元気かな。
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なかなかに衝撃的なタイトル でも、中身はとてもいい本でした 児童書と侮ってはいけません あんまり書くとネタバレしちゃう、どうしようと書きながら思っていますが つらいとき 苦しいとき 依存しすぎることもなく、誰かに助けを求められたら、そうできたなら 誰しも一度は消えたいとか思っ...
なかなかに衝撃的なタイトル でも、中身はとてもいい本でした 児童書と侮ってはいけません あんまり書くとネタバレしちゃう、どうしようと書きながら思っていますが つらいとき 苦しいとき 依存しすぎることもなく、誰かに助けを求められたら、そうできたなら 誰しも一度は消えたいとか思ったことがあるんじゃないかと思います そのときの感情がすごく思い起こされる本です つらくもなりますが 最後は温かい気持ちになれます
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タイトルに惹かれて手に取り、 冒頭「杉森くんを殺すことにしたわたしは、とりあえずミトさんに報告の電話を入れた」 で心をつかまれて一気読み、読み終わった後あらためてタイトルの良さに感じ入りました。 ヒロちゃんのように悩むたくさんの子に届いてほしい。そのためにも、このちょっと刺激的...
タイトルに惹かれて手に取り、 冒頭「杉森くんを殺すことにしたわたしは、とりあえずミトさんに報告の電話を入れた」 で心をつかまれて一気読み、読み終わった後あらためてタイトルの良さに感じ入りました。 ヒロちゃんのように悩むたくさんの子に届いてほしい。そのためにも、このちょっと刺激的なタイトルが効果的ではないでしょうか。 お友達の良子さんが本当に良い子で、この作品の重さを和らげてくれている気がしました。 腐女子の良子さん、良きです。
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※このレビューにはネタバレを含みます
かわいい表紙とそれに釣り合わない過激なタイトルが気になって読んでみた。 高校一年生のヒロは杉森くんを殺すことを決意する。父の再婚相手の連れ子で大学生のミトさんに電話で決意表明するし、ミトさんもあっさり受け止めるからびっくり。ミトさんから杉森くんを殺そうと思った理由を考えるようアドバイスされ、杉森くんとのこれまでの出来事を振り返る。物を壊されたり、嘘つきだとバラされたり、魚を解剖してサイコパス呼ばわりされたり…。あー、好きな子いじめちゃうタイプの男の子かぁと思っていたら、杉森くんはヒロの幼馴染で親友の女の子だった!しかも杉森くんは既に自殺していた! ヒロがミトさん以外にも周りに杉森くんを殺すことを臆さず公言していくのでヒヤヒヤする。杉森くんのお母さんにまでは言わなくてよかった。同級生たちからは変な目で見られたりはするけど、冷やかされたりいじめられたりはしない。良子さんも野崎くんも矢口くんもみんないいヤツで良かった。 死んでいる人を殺すっていう表現が面白い。思春期のころって自分の気持ちを上手く表現できず現実的ではないことを言ってみたり、突飛なことをしてみたりして周りを困惑させることってあるよね。半分投げやりみたいな、謎の思い切りの良さを発揮したりする。でもそんなこんなしてるうちにどこかのタイミングで周りの人たちに支えられていることに気付いたり、好きだと思ってた人が実は大したことなかったと夢から覚めたり、自分の気持ちに気付いて決着がつけられるようになったりする。ここまできたらあとは真っ直ぐ前を向いて進めるね。 ヒロはこれから先の人生で酸いも甘いも経験して少しずつ大人になっていくんだろうな。素敵な人生を歩んでね!って応援したくなった。自分が高校生の頃に戻ったような、高校生の娘を持つ親の気持ちになったような、不思議な読後を体験できた。
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本書が高学年対象なのは勿体ないと思うくらい考えさせられる作品でした。 主人公のヒロがミトさんという人に電話を掛ける場面から物語が始まりますが、最初はどういうことなのか全く掴めませんでした。しかし「杉森くんを殺したい理由」が挙げられていくなかでようやく、ヒロがどういう立場にいるのか...
本書が高学年対象なのは勿体ないと思うくらい考えさせられる作品でした。 主人公のヒロがミトさんという人に電話を掛ける場面から物語が始まりますが、最初はどういうことなのか全く掴めませんでした。しかし「杉森くんを殺したい理由」が挙げられていくなかでようやく、ヒロがどういう立場にいるのかが理解できました。 ヒロのような経験をした子どもが読むのであれば、救いにもなりうるし、解説が丁寧で分かりやすいので、大人が読んでも勉強になる一冊なのではないかと思います。
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謎の幻影、自立するための自分の守り方と人とのつながり方を学べた。多方面からじわじわ感情が動くキラキラ本!
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