荻窪メリーゴーランド の商品レビュー
初めて歌集という読み物を読みました。 が、すごく良かった! ◼️良かった点 ・短歌って聞くと、読むのにハードル高い感じしたけど、本書は恋愛、ミステリーのストーリー展開でとっつきやすい。 ・エロティックな歌、狂気な歌など普段の自分なら、共感しづらき歌が割と心地良く読めた。(木...
初めて歌集という読み物を読みました。 が、すごく良かった! ◼️良かった点 ・短歌って聞くと、読むのにハードル高い感じしたけど、本書は恋愛、ミステリーのストーリー展開でとっつきやすい。 ・エロティックな歌、狂気な歌など普段の自分なら、共感しづらき歌が割と心地良く読めた。(木下さんが詠む歌の方が同じ男性目線だからか歌の内容が理解しやすかった) ・31字という限られた文字数の中、削ぎ落として綴られる凝縮されたエッセンスのような一句が、読者に歌に込められた意味を想像させ、掻き立ててくれる。 なんか本書を読んだばかりのレビューで、勢いで書いてしまったけど、わかりづらいな笑 一言で言うなら新ジャンルの面白さでした。 そして、現代の短歌集は今後も読んでみたくなりました。 自分はジャケットに惹かれて特装版を購入しましたが、絶対特装版をおすすめします。 特装版には作者たちの首評と、物語の内容についてが触れられた小冊子が付属するからです。 正直これ読まないと「よくわかんなかったな…」で終わりかねないと思います笑 (小冊子を読まずに作者の意図を読み解くとしたら3周して辿り着けるのかどうかかな?自分は3周でも無理かも) ◼️気に入った歌 ・「いつか海辺に住みたい」に「ね」を添えてふたりの夢をひとつ増やした ・音楽も香りも売っている場所で声も匂いもほしい、と思う ・本棚にふたりの過去を並べれば「海辺のカフカ」上上と下下 ・脱がすときわずかに腰をベッドから浮かせてくれるやさしさが好き ・お揃いでつけていたキーホルダーのスーモまだひとりで生きていた ・伝票にふれている手にぼくの手を重ねて明日を変えてみたいよ ・恋愛は羽で数えよ井の頭公園に百羽のスワンたち ・「恋人はいますか?」なんて言えなくて代わりに訊いた「また会えますか?」 ・地下をゆく電車にも窓はついていて、なくてもいい恋なんてなかった ・どの恋もきみにやさしくあるための予習だったな 十の深爪
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
短歌はもちろん虚構力がすごくて夢中で読んだ 来年の夏また読みたい ・君を撮るためのカメラがあたたまる太腿のうえ 海まで遠い ・海よりも近くに君がいる夏は海を見ようとするだけでいい
Posted by
1ページ31字で、2名の筆者が織りなすストーリーに完全に浸かりました。 読めば読むほど分かるし分からない。面白い。 自分の過去を結びつかせ、忘れていた過去を好きになれる本。 6.8.16.31.46.56.68.85.105.141.144.147.159.160199 好き...
1ページ31字で、2名の筆者が織りなすストーリーに完全に浸かりました。 読めば読むほど分かるし分からない。面白い。 自分の過去を結びつかせ、忘れていた過去を好きになれる本。 6.8.16.31.46.56.68.85.105.141.144.147.159.160199 好きなフレーズ
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
木下龍也さんと鈴木晴香さんの共作の現代短歌集。 2人の短歌が物語のように、夏のデート→同棲→結末、と、ストーリー仕立てになっています。 特に気に入ったのは 『君を撮るためのカメラがあたたまる太腿のうえ 海まで遠い』 『本棚にふたりの過去を並べれば「海辺のカフカ」上上と下下』 勉強不足のせいか、1回目はあまりピンと来なかったのですが、2回目、3回目と目を通すと、全体が見えてきてゾゾゾとしました。他の方のレビューを読むと、もっと深い仕掛けがありそう。わからなかった短歌をちゃんと読み解きたくなりました。 31文字でこんなに想像を膨らませるなんて、コスパならぬ文字パが高い!
Posted by
これはすごい。 ひとつひとつの短歌を切り取っても素敵なんだけど、 短歌のかけあいで綴られる物語は、まるで映画のよう。 少しずつ違和感が出てきて、「?」と思っている間に急展開。最後は予想外の結末へ。 最後まで読んでから違和感のあったところを読み返すと、「そういうことか!」と二度読ん...
これはすごい。 ひとつひとつの短歌を切り取っても素敵なんだけど、 短歌のかけあいで綴られる物語は、まるで映画のよう。 少しずつ違和感が出てきて、「?」と思っている間に急展開。最後は予想外の結末へ。 最後まで読んでから違和感のあったところを読み返すと、「そういうことか!」と二度読んでわかるおもしろさ。
Posted by
幸せな日々からのかすかな違和感。すれ違い。 互いの気持ちの遠さが交互に掲載された短歌で表現されている。 最後まで読んだあとに読み返したくなる。
Posted by
特装版を購入。 特装版で読める【たくらみの告白】で木下さんと鈴木さんがどういう視点でで相手の短歌を受け取ったのか解説をしてくれている。 明朝体が鈴木さん、ゴシック体が木下さん。それぞれ女性のSと男性のKの視点で話が進む。短歌を読むという体験だからこそ、仕掛けられる違和感があって、...
特装版を購入。 特装版で読める【たくらみの告白】で木下さんと鈴木さんがどういう視点でで相手の短歌を受け取ったのか解説をしてくれている。 明朝体が鈴木さん、ゴシック体が木下さん。それぞれ女性のSと男性のKの視点で話が進む。短歌を読むという体験だからこそ、仕掛けられる違和感があって、文字では書かれていない感情を想像させられる。 【たくらみの告白】を読んだ前と後では、それが正解というわけではないけど、最初と違う視点と世界が見えた。狂気の中の美しさ。
Posted by
木下龍也さんと鈴木晴香さんが紡ぐ虚構のラブストーリー。短歌としてはもちろん物語としても衝撃のラストで「え?」って思ってしまった。
Posted by
盲の熱情に目を奪われて、気づけばその終わりまで見届けてしまっていた。はじめにくる花火のように、恋は鮮烈で有限で、火が着いた時から終わりを予感せずにはいられない。やさしさと激しさと、いつまでも続くような後悔を抱き合わせて、くるくると、恋は回りだす。短歌ならではの余白や、不意打ちに翻...
盲の熱情に目を奪われて、気づけばその終わりまで見届けてしまっていた。はじめにくる花火のように、恋は鮮烈で有限で、火が着いた時から終わりを予感せずにはいられない。やさしさと激しさと、いつまでも続くような後悔を抱き合わせて、くるくると、恋は回りだす。短歌ならではの余白や、不意打ちに翻弄されながら読んだ。特装版ではこの恋に仕掛けられたたくらみの一部が明らかにされているのでぜひお手にとっていただきたい。ページを捲り終えて、その終わりを認識してからまた開きたくなる。いつかの恋を思い返すように。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
すごく良かった 歌人の木下龍也さんと鈴木晴香さんが短歌で紡ぐたくらみに満ちた恋愛ミステリー。 鈴木さんの歌は明朝体で、木下さんの歌はゴシック体で表記されている。 恋愛中の本好きの二人が、海行って花火見て、同棲して…ん?なんか変だぞ? 今まで短歌を読んできて想像していたストーリーと微妙にズレてきて、物語は一気に不穏さを増してくる。 今まで読んでいたものは何だったの? あれは、誰だったの? 普段短歌に親しみのないひとでも、恋愛小説読み、ミステリ読みには楽しめるんじゃないかと思う。 短歌というものは限られた音数に言葉を当てはめるため、そのぶん削ぎ落としている言葉が多い。 それゆえ、想像の余地が大きく、1首1首がミステリめいている。 畳み掛けるように展開していく物語に、ページを捲る手が止まらなかった。 考察系が好きな方にもぜひ。 特装版もあり、グッズ展開もしている。 特装版にしか無い小冊子読みたい!
Posted by
- 1
- 2