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未明の砦 の商品レビュー

4.5

130件のお客様レビュー

  1. 5つ

    74

  2. 4つ

    36

  3. 3つ

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2024/05/28

※ ボリューム、内容、共に読み応え十分ですが、 それ以上に気持ち的にも考え方的にも いろいろな部分で感じ入ることができた 読んでよかった一冊でした。 『幻夏』以上に好きかもしれません。 ーーーーー 超富裕層や政治家、官僚やエリート社員など、 特権枠にいる人間だけが利益を得、権力...

※ ボリューム、内容、共に読み応え十分ですが、 それ以上に気持ち的にも考え方的にも いろいろな部分で感じ入ることができた 読んでよかった一冊でした。 『幻夏』以上に好きかもしれません。 ーーーーー 超富裕層や政治家、官僚やエリート社員など、 特権枠にいる人間だけが利益を得、権力を 我がもの顔に使い支配する体制側の人間。 一方で搾取し虐げられ、使い捨てにされ、 そんな状態に疑問を抱くことすらなく、 諦めることが当たり前な状態に慣らされ 非正規労働者として末端で生きる人間。 理不尽や不合理に疑問を抱いたとしても 抗うことを諦め、不公平を受け入れるように しつけられ、飼い慣らされてきた若者が、 ある夏のひと時をきっかけに、自分たちが 人間であることに気づき、行動を起こして 日常を変えていく。 戦前の政府の行い、戦後の社会と法律の変化、 日本における労働者環境と海外との違いなど、 意識して目を寄せてこなかった史実や事実を 四人の若者が、それぞれの感性で興味の先を 切り分けながら自らの考えを深めいく様子は まるで水を得た魚や新芽の様で瑞々しいです。 また刑事の目を通して彼らを追走しながら、 これまで持っていた自分の殻を揺さぶられ、 刺激されるのでとても引き込まれます。 社会の労働問題と人間の尊厳への意識が、 年齢や性別、立場を超えて混じり合って 変化していくとても深い話。

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2024/05/27

のほほんと生きている自分を恥ずかしく感じました。 無知は恥でもあり、罪でもあるような。 衝撃的なストーリーでした。

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2024/05/25

登場人物が多く出で、みなが葛藤しながら日々戦っている様子が、熱かった。 日曜劇場みたいな。 ドキドキしながら主人公たちと共に戦いながら読んだので、達成感がハンパなかった。 終わり方がまた熱かったなぁ… 読後、爽やかな風が吹きました。

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2024/05/24

私的には、犯罪者と同じくらい楽しめました。この方は、きちんと色々な事を知っている方なのだと思います。ドラゴン桜の様な感じで、一般市民に気付かれては困る事が書いてあるので、考えられる日本人にはかなり刺さる内容だと思います。 ただ、ちょっとお高いので文庫が出ないと友達には中々勧められ...

私的には、犯罪者と同じくらい楽しめました。この方は、きちんと色々な事を知っている方なのだと思います。ドラゴン桜の様な感じで、一般市民に気付かれては困る事が書いてあるので、考えられる日本人にはかなり刺さる内容だと思います。 ただ、ちょっとお高いので文庫が出ないと友達には中々勧められないのが残念です。

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2024/05/22

大手自動車メーカー〈ユシマ〉に対し、非正規工員の矢上・脇・秋山・泉原の4人が、労働者の権利を訴えるため反旗を翻す。 不遇な労働環境で、弱い立場の労働者が我慢をして働く現状を改めて考えさせられました。権力のある者に従い、あった事をなかった事にしてしまう残酷さがとてもリアルです。大手...

大手自動車メーカー〈ユシマ〉に対し、非正規工員の矢上・脇・秋山・泉原の4人が、労働者の権利を訴えるため反旗を翻す。 不遇な労働環境で、弱い立場の労働者が我慢をして働く現状を改めて考えさせられました。権力のある者に従い、あった事をなかった事にしてしまう残酷さがとてもリアルです。大手の会社だと警察や政治とも関係があり、その大きな権力に立ち向かうには困難を極めますが、4人が労働組合について勉強し、闘っていく様子を背中を押すような気持ちで読んでいました。どんな立場でも労働者の権利があり、声を上げていくことが改善に繋がるのだと気付かされる作品でした。

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2024/05/19

いやぁ、深い 何も知らず、教えられず、機械のように働き生きてきた若者が 労働とは何かを学び成長し、「よき労働者」になるために戦う物語 疾走感⇔メッセージ性 「犯罪者」<「幻夏」<「天上の葦」<「彼らは世界に~」<「未明の砦」 顕著に発表順にメッセージ性が強く感じます(笑) ...

いやぁ、深い 何も知らず、教えられず、機械のように働き生きてきた若者が 労働とは何かを学び成長し、「よき労働者」になるために戦う物語 疾走感⇔メッセージ性 「犯罪者」<「幻夏」<「天上の葦」<「彼らは世界に~」<「未明の砦」 顕著に発表順にメッセージ性が強く感じます(笑) 疾走感が好きな私としては今回は星4つで。

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2024/05/15
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

優れたエンタメって普遍性や先見性を持つと聞くが、この作品もまさに。 紅麹の問題が起こった時、真っ先に思い出したのは『犯罪者』だった。太田愛さんに感服。 弟の仕事場を覗いているみたいだ。 自動車工場の期間工。無期雇用契約。実態を聞いてみたらほとんどそのままだった。 主人公グループも権力側の人間も、ちゃんと感情移入できる精巧さ。 私のお気に入りは脇。「おい、わ〜き〜!」とツッコミたくなる。なんで毎度、一人で全部食うんだおまいは。まぁ生い立ちのせいなんだけど、そういう細かい部分の性格の創り込みがリアル極まりない。でもおにぎりを分けられるようになってホロリ。 運動を起こすことの困難さも、それを何とか乗り越えようとする作戦も予測できないアクロバティックさですごく面白い。 国や企業や大きな組織が、邪魔な人間を排除しようとすればこういうやり方がある事。それを知る意味は大きいと思う。自ら奴隷にならないために。 社会ではどんな人間も殆ど替えがきく。「替えがきかないのは大切な人」というセリフは、グッときた。 行動が継続するためには純然たる怒りがめげない原動力となる。 社会への憎しみを育てるのではダメだ。 自分の頭で学び、考え、自己陶酔の為ではない社会変革を志し、闘って欲しいという著者の願いを感じる。無気力や自己卑下に負けず、待遇の差による目先の憎しみに負けず。同胞の屍を登って息をつくような生活をしないで生きて行けるように。またその屍の1つにならなくて済むように。 私達の持つ権利は、先人たちの命がけ闘いが勝ち取った見えない宝であるということ。そして継承するためには今闘わねばならないということ。権力の思惑に操られる危険を忘れないこと。ちっぽけな力しかないのならば、集まらなければ立ち向かえない。集まるならば賢明でなければまとまれない。 私は社会運動とか、ネット署名とかは、胡散臭さを感じてしまうので好まないけれど、この本を聴いたことで、忌避するよりももっとよく見定めようと思えた。矢上たちのように自分でゼロから調べて、心から賛同できるならば、ひとりの大人として行動しよう。

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2024/05/14

『未明の砦』— 権力に立ち向かう若者たちの闘い 太田愛氏の『未明の砦』は、労働者と権力の対立を描いた社会派青春群像劇です。この作品では、大手自動車メーカー「ユシマ」に対する非正規雇用の若者たちの闘いが描かれています。共謀罪による初の容疑者として逮捕されようとする矢上達也、脇隼人...

『未明の砦』— 権力に立ち向かう若者たちの闘い 太田愛氏の『未明の砦』は、労働者と権力の対立を描いた社会派青春群像劇です。この作品では、大手自動車メーカー「ユシマ」に対する非正規雇用の若者たちの闘いが描かれています。共謀罪による初の容疑者として逮捕されようとする矢上達也、脇隼人、秋山宏典、泉原順平の4人が主人公で、彼らは完璧な監視下から逃れ、自由を求めて行動を起こします。 物語は、警察の動きを察知して逃亡を図る若者たちと、その裏にある陰謀を追う刑事・薮下の視点で進行します。四人の若者たちは、過去の夏期休暇で過ごした千葉県の笛ヶ浜の「夏の家」を目指し、その場所が物語の鍵を握っています。逃亡の中で彼らが見せる決意と行動は、読者に強いインパクトを与えます。 この作品は、労働者の権利や労働基準法、労働組合などのテーマに深く切り込み、社会問題に対する鋭い視点を提供しています。権力に対するアンチテーゼとしての若者たちの行動は、現代社会における不条理や不平等に対する問いかけを含んでおり、読む者に深い考察を促します。 『未明の砦』は、権力と闘う若者たちの物語を通じて、社会の不平等や労働者の権利について考えさせる一冊です。太田愛氏の筆致は鋭く、登場人物たちの内面描写も丁寧で、彼らの苦悩や希望がリアルに伝わってきます。労働問題や社会正義に興味がある人々にとって、必読の作品と言えるでしょう。

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2024/05/11
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

オーディブルにて。 登場人物多くてオーディブルやと追いづらかったけど、太田愛さんっぽくて面白かった。 日本では弱い立場だからって我慢することが当たり前になってるけど、集まって声を上げなければ一生その環境や関係は変わらない。 そして私が今安定して働けて生きていけている環境にも感謝。

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2024/05/11

鎌田慧さんの「自動車絶望工場」彷彿。先日、その会社、純利益5兆円なんてニュース流れていたが、正社員以外にも分配されているのかなあ。「権力が本気になった時の怖さ」高度成長期以降の日本経済経済、政治の歪み、出鱈目さ、「自分の目先しか考えない人間が上から下までわんさか増えたおかげで、ほ...

鎌田慧さんの「自動車絶望工場」彷彿。先日、その会社、純利益5兆円なんてニュース流れていたが、正社員以外にも分配されているのかなあ。「権力が本気になった時の怖さ」高度成長期以降の日本経済経済、政治の歪み、出鱈目さ、「自分の目先しか考えない人間が上から下までわんさか増えたおかげで、ほとんどもう戦時中」とさりげなく指摘する鋭い視点。しかも脚本手がけていただけに、読者引き込む展開もスリリング。“日本絶望工場”はインバウンドで訪れる外国人に奉仕して生きていくしかないのかなぁ。

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