違国日記(11) の商品レビュー
この物語は朝と槙生さんの自己受容、他者理解、孤独感、他者からの受容感を描いた作品だと思っています。 朝は両親を事故で亡くしてから槙生さんと暮らし始めますが、過去の記憶から本当に自分が両親に愛されていたのかが分からなくなります。 愛されていたのかが分からないこと、は自己が受容さ...
この物語は朝と槙生さんの自己受容、他者理解、孤独感、他者からの受容感を描いた作品だと思っています。 朝は両親を事故で亡くしてから槙生さんと暮らし始めますが、過去の記憶から本当に自分が両親に愛されていたのかが分からなくなります。 愛されていたのかが分からないこと、は自己が受容されているかが分からないに言い換えることができます。 人が自己を受容できるためには、他者から受容されているという経験が重要となります。また基本的信頼は母子関係により培われ、これが他者からの受容感と生きることへの積極的関与に繋がります。 朝は他者からの受容感が低く、孤独感をもっており、槙生さんも同様です。 この作品は朝と槙生さんがお互いを受容し合い、他者からの受容感と感謝・安らぎ感を持つことで自己の存在価値意識を獲得する物語だと言えます。 自己の存在価値意識は自己受容の一部分です。 朝と槙生さんの自己受容は不完全であり、作品内でも度々でてきますが内的世界の奥底に孤独感や疎外感を感じています。そして、孤独感や疎外感を感じながら生きている人は、他者に対しても閉鎖的・防衛的な姿勢をとり、自尊感情も持てず、自己の存在価値や人生における自分なりの意味や目標を見出せないまま、日々の生活に空虚感を感じながら生きています。 そして、朝と槙生さんが物語を通してどのように自己を受容し、他者からの受容感や獲得していくのかについてです。 朝と槙生さんは共同生活を通じて、対話を行います。朝は記憶と記録から両親に愛されていたのかを探ります。 槙生さんも朝との対話を通じて姉の記憶や記録から過去と向き合います。 自分と他者が別の人間であること、つまり姉と朝が別の人間であることを徐々に受容していきます。 対話によって朝と槙生さんはお互いを1人の人間であると認識し、受容していきます。と、同時に他者感情の「わかりにくさ」を受け入れることで他者理解を深めます。 やがて自分1人だけのものだと思っていた孤独感は他者からの受容によって共有され、地続きであるということを認識します。 朝と槙生さんは共同生活によって自己と他者を理解し、受容する機会を得たことで弱さや欠点を持ったありのままの自分が他者に受け入れられているという実感、自分にとって重要な他者から受容された経験、他者からのゆるぎない受容感によって自己の内的世界に自己の存在意義のベースが築かれ、そのことによってその後の人生を自己や他者、世界への信頼感と共に、困難に立ち向かっていく勇気も得られたのです。 それがラストの「言葉が足りない」に全て内包されていました。 「あの日、あの人は群をはぐれた狼のような目でわたしの天涯孤独の運命を退けた。」 にて、孤独を抱えたわたしたちを包みこんだのです。
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自分の子供の部分は朝に、大人の部分は槙生に共感した。 「私が何に傷つくかは私が決めることだ あなたが決めることじゃない」これに詰まってる。
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泣いた。正直、槙生が苦手だった。難しい言葉ばっかり使って、全部分かってるみたいなとこが気に入らなかった。頭のいい人の会話、なんかむかつく。けど、うらやましい。まさに朝がそんなふうに思ってたけど、同じだった。私には何にもないって。共感出来る。 でも、生きてるだけで尊いのかなって。き...
泣いた。正直、槙生が苦手だった。難しい言葉ばっかり使って、全部分かってるみたいなとこが気に入らなかった。頭のいい人の会話、なんかむかつく。けど、うらやましい。まさに朝がそんなふうに思ってたけど、同じだった。私には何にもないって。共感出来る。 でも、生きてるだけで尊いのかなって。きっと自分が探せてないだけで見つけられてないだけで、自分にしかないものがあるはずで、自分を肯定することが大人になるってことなのかもしれないね。 出会えてよかったです。ありがとうございました。
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愛するという事自体が 恐怖に打ち克つ行為だろ わたしはあなたの 船を押して 岸に残る者になろう わたしはあなたの 錨となって海に沈もう 波を切り裂く舳先となろう あなたがいつかすっかり 忘れて構わないものになろう あなたの見るその黎明は わたしたち皆が見るのだから
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【あいしてるでは言葉が足りない】 朝の名前の由来「必ず来る新しくて美しいもの」を彷彿とさせ明るい未来に向かっていく、この作品にふさわしい最終巻だった。人と人とは分かり合えない。自分のことすらきちんと分かっていないのに、自分とは違う人の気持ちなんてわかりようがない。だからこそ、人間...
【あいしてるでは言葉が足りない】 朝の名前の由来「必ず来る新しくて美しいもの」を彷彿とさせ明るい未来に向かっていく、この作品にふさわしい最終巻だった。人と人とは分かり合えない。自分のことすらきちんと分かっていないのに、自分とは違う人の気持ちなんてわかりようがない。だからこそ、人間には言葉があって、言葉にしないと伝わらない想いがあるのだけれど、心から大切な人に対する気持ちは「言葉でも足りない」のだ…槙生の朝に捧げた“ある物”も含め、心地良い余韻がたなびく。とにかくこの作品に出会えたことに今は感謝したい。
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漫画喫茶にて読破!若干駆け足気味で読んだので、抜けてるところがあるかも。 女性向けなのに恋愛描写が主でない作品は珍しく、それだけで何となく読み易く、特別感がある。 姪である“アサ”を通して、今は亡き姉をそして自分そのものと向き合う主人公(小説家)の話。 アサはアサで、思春期の同世代にまみれた学校という枠組みの中、精一杯悩んだり喜んだりしながら転げ回り、生きている。 結果、ラストも双方それなりに上手い感じの関係性に落ち着いて、互いの人生繋がりがあるまま仲良くやっていくんだろうなと、思わせる描写で〆。 楽しかったです。
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大人が読んでも正直難解で、ゆっくり時間をかけて読む物語だと思います。 ただ、読んでいくうちに、誰もが一度は感じている「生きる」ことについて、深く、深く考えさせられる。 年齢が違えば、感じること、思うことが変わって、「私」について時を経ても立ち止まり、考えさせてくれる物語だと思いま...
大人が読んでも正直難解で、ゆっくり時間をかけて読む物語だと思います。 ただ、読んでいくうちに、誰もが一度は感じている「生きる」ことについて、深く、深く考えさせられる。 年齢が違えば、感じること、思うことが変わって、「私」について時を経ても立ち止まり、考えさせてくれる物語だと思います。
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※このレビューにはネタバレを含みます
他者との交流をテーマに、朝と槙生の共同生活を静かな筆致で描く長編。大きな事件に頼らず、言葉にできない感情の揺れや会話の行間で読ませるのが魅力でした。山場は控えめでも、ラストのやりとりが積み重ねを確かな温度で回収してくれます。 登場人物の関係性をじっくり見たい人、対話劇の余韻が好きな人におすすめ。 もっと詳しいエピソード解説や画像つきの感想はブログでまとめています: https://mangadake.hatenablog.jp/entry/841
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全巻読み終わって。 自分から見ればうまくやってるように見える人たちも、それぞれの形の孤独を抱えて悩みながら生きているんだろうと思った。 家族であったって どんなに近しい友達であったって 自分とは別の人間であって、 自分とは違う物の考え方をしている。 その人の感じ方はその人だけ...
全巻読み終わって。 自分から見ればうまくやってるように見える人たちも、それぞれの形の孤独を抱えて悩みながら生きているんだろうと思った。 家族であったって どんなに近しい友達であったって 自分とは別の人間であって、 自分とは違う物の考え方をしている。 その人の感じ方はその人だけのものであって、 誰も本当に理解することはできないし、 誰にも責める権利はない。 自分の当たり前 大多数の当たり前が当たり前じゃない人もいるんだということを意識できる人が増えると、 世の中はきっともっと息がラクにできる場所になるんじゃないかと。 自分はこれを高校生くらいの時に読みたかった。 いつ読んでも遅いということはないと思うけれど。
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一年前に初めて読んだ時に 心が救われた作品をもう一度読み直した。 人が抱える想い、感情は言葉では表現し難く、 ましてそれを他人が理解するなど到底できず、 だからこそ人は尊く その築きあげるものの儚さが美しい。 この作品の感想を一言で表すなんてことも 私にはできないので読んでも...
一年前に初めて読んだ時に 心が救われた作品をもう一度読み直した。 人が抱える想い、感情は言葉では表現し難く、 ましてそれを他人が理解するなど到底できず、 だからこそ人は尊く その築きあげるものの儚さが美しい。 この作品の感想を一言で表すなんてことも 私にはできないので読んでもらいたい。 そして、各々の捉え方で考えてみてほしい。
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