世界はなぜ地獄になるのか の商品レビュー
新書ということで橘さんの他の単行本と比べるとちょっと堅めの印象。ただ、相変わらず、数々の文献やファクトデータに基づいた氏の考察はさすがな切れ味。 この最新刊は後半の社会正義の章の内容が、自分的にはちょっと難しい、というか、理解しづらい感じでした。 ”ユーディストピア”の生き方...
新書ということで橘さんの他の単行本と比べるとちょっと堅めの印象。ただ、相変わらず、数々の文献やファクトデータに基づいた氏の考察はさすがな切れ味。 この最新刊は後半の社会正義の章の内容が、自分的にはちょっと難しい、というか、理解しづらい感じでした。 ”ユーディストピア”の生き方、は超高齢化な日本のシニアにとっては関係する話なのかどうか。。。(とシニアの入口に立つ自分に照らして思ったりしました ^^:)
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キャンセルカルチャーの考察で、今回は中間報告と言う位置付けではないだろうか。非常に面白いし、価格以上の価値はあるが、いつもに比べると切り口も結論も切れ味が足りないように感じた。これは橘玲にはかなりの期待を込めて読み始めるから、それの裏返しだ。
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変質する社会正義を例示しつつ多面的に解説した著作。いつもの橘節で慣れていると読み易い。個の正義=社会正義と勘違いする輩が続出する必然性を鋭く指摘している。
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性別や人種といった大きな差別がなくなったことにより、より微妙な領域の差別がクローズアップされ、「リベラル」な人々によるキャンセルが蔓延していると指摘する内容。ここに真正面から取り組むには、あらゆる事実を洗い出し自分なりの見解を組み立てていく必要があるが、すべての領域でそんなことを...
性別や人種といった大きな差別がなくなったことにより、より微妙な領域の差別がクローズアップされ、「リベラル」な人々によるキャンセルが蔓延していると指摘する内容。ここに真正面から取り組むには、あらゆる事実を洗い出し自分なりの見解を組み立てていく必要があるが、すべての領域でそんなことをする余裕などほとんどの人にはない。その中での処世術は危うい人には関わらない、無視することだ、という主張だった。 寂しい結論だが、どこに地雷があるかわからない人にとっての現実解はここなのだろうか、と考えさせらせた。
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昨今のトランスジェンダーをめぐる議論や事件を見ていて、なぜ世界がこのような方向に舵を切っているのかとても興味を持っていた。 この本は改めて、なぜ今の時代にジェンダーや人種の問題が更に厄介で扱いづらい話題になっているかと言うことをとてもわかりやすく説明している。 端的に言うと、この...
昨今のトランスジェンダーをめぐる議論や事件を見ていて、なぜ世界がこのような方向に舵を切っているのかとても興味を持っていた。 この本は改めて、なぜ今の時代にジェンダーや人種の問題が更に厄介で扱いづらい話題になっているかと言うことをとてもわかりやすく説明している。 端的に言うと、このような状況になることで儲かる人々がいるというのも一因だと理解できた。 一方で、差別などの意識についてはなかなか一筋縄で解決することはなく、むしろ根本的な解決など不可能ではないかと思ってしまうような感想を持った。 この先、世界はどのような結論を下すことになるのだろうか。
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#世界はなぜ地獄になるのか #読書記録 爽やかな島旅に持ってくる本じゃない。 自分の正義感が汚いものに感じる。 世界が地獄に見える。 リベラルへの冷静な冷たい考察。平和な世の中で、心からの正義ではなく、自分のアイデンティティを見つけるために、主張するために、自分を正義にするた...
#世界はなぜ地獄になるのか #読書記録 爽やかな島旅に持ってくる本じゃない。 自分の正義感が汚いものに感じる。 世界が地獄に見える。 リベラルへの冷静な冷たい考察。平和な世の中で、心からの正義ではなく、自分のアイデンティティを見つけるために、主張するために、自分を正義にするために、どんどん細分化され、露呈していく差別、不平等に対して声をあげている? ある意味自認して自省する機会としながらも、飲み込まれないようにもしたい。 地獄だな。
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2023.08.19 デジタル、ネットの世界の恐ろしさは、いったん「発信」されてしまったものは未来永劫残り続けるということ、過去がとつぜん襲いかかってくる恐怖が常にある、そんな時代に生きている。 「若気の至り」という言い訳は、それこそ死ぬまで許されないそんな世の中に生きていること...
2023.08.19 デジタル、ネットの世界の恐ろしさは、いったん「発信」されてしまったものは未来永劫残り続けるということ、過去がとつぜん襲いかかってくる恐怖が常にある、そんな時代に生きている。 「若気の至り」という言い訳は、それこそ死ぬまで許されないそんな世の中に生きていることを自覚させられた。 この社会で生きていくうえでの「一般人の」金言は「沈黙は金」ということにつきる。
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世界が上手くまわるためには全員が寛容になって少しでも考え方が異なる人に理解を示そうとすることだと、確かにその通りだと思う。 ただ今の仕組みとしてはそのキャンセルカルチャーを止める要素は一向にないように感じる。
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【比べるとそうなる】 ちょっとしたことでもすぐに炎上する時代です。 身分を明かさず、あまり深く理解していなくても、正論をここぞとばかり言える状態は「快感」を与えるということです。 「正論で糾弾できる」喜びです。 さらに、糾弾する本人にマイナスリスクは無いことが、より激しく糾...
【比べるとそうなる】 ちょっとしたことでもすぐに炎上する時代です。 身分を明かさず、あまり深く理解していなくても、正論をここぞとばかり言える状態は「快感」を与えるということです。 「正論で糾弾できる」喜びです。 さらに、糾弾する本人にマイナスリスクは無いことが、より激しく糾弾できる要素となっています。
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行き過ぎたキャンセルカルチャーに強い違和感を感じていたため、本書のテーマはとても興味深かった。リベラルは総じて人の暮らしを良くしていくが、キャンセルカルチャーを生む土壌になってしまうのはよく分かったが、本書の結論はマイノリティを避けるあるいは面倒くさい人がいることを織り込んでバラ...
行き過ぎたキャンセルカルチャーに強い違和感を感じていたため、本書のテーマはとても興味深かった。リベラルは総じて人の暮らしを良くしていくが、キャンセルカルチャーを生む土壌になってしまうのはよく分かったが、本書の結論はマイノリティを避けるあるいは面倒くさい人がいることを織り込んでバランスよく過ごせ、とのことでモヤモヤは全く晴れなかった。(筆者も解が無く、解を出すのがなぜ難しいかまで言及してくれてるので異論があるわけではない) あとトランス女性に2タイプいて、女性嗜好のパターンの存在がトランスジェンダー問題を難しくしているのは初めて知った。
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