心臓の王国 の商品レビュー
ブクログの感想読んで手に取ってみた。 最初は青春モノのライトノベルかと思ったけど、言葉の使い方やスピード感で読まされた。 カズオ・イシグロの「わたしを離さないで」に負けないほどの矛盾への挑戦で、このタッチでここまで書ける作家に驚いた。 「本当」の自分って何だろ。 見せることので...
ブクログの感想読んで手に取ってみた。 最初は青春モノのライトノベルかと思ったけど、言葉の使い方やスピード感で読まされた。 カズオ・イシグロの「わたしを離さないで」に負けないほどの矛盾への挑戦で、このタッチでここまで書ける作家に驚いた。 「本当」の自分って何だろ。 見せることのできる自分、見せることのできない自分、作り上げる自分、どれもひっくるめて一つになっているのが結局「本当」の自分で、自分の中でもまとまらないまま、揺れながら生きていく。そして、やっぱり誰かにわかって欲しい。そんな中でも、存在に関わる想いを持ってしまった人は、いつもどんな時もその想いを切り離すことができなくなる。その人にとっては、その想いが満たされることを祈りながら過ごすことが「本当」を生きることになる。
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そうか、これが「ブロマンス小説」ってやつか。 偶然の出会い。でもあの日、あの時、お互いが見つけ、見つけられた、それが全てなんだな。 なんか、ちょっとワケアリで風変わりな「留学生」神威。なぜか神威に懐かれた鋼太郎。二人の「せいしゅん」が始まった夏の日。 「しゅぽっ!」という合言葉に、胸が痛い。心ではなく、左側の、ここが痛い。 すっとこどっこいな17歳バカ騒ぎ青春小説かと思って読んでいると胸の左側を滅多切りにされる。 うっすらと想像はしていた。心づもりもあった。でも、まさか、と。 あの日、彼を見つけた彼が、彼に見つけられてもいたんだと知る、それだけが救い。
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17歳、夏。 『せいしゅん』ってどうやるんだ……?」 竹宮ゆゆこさんの才能、爆裂! 爆笑!号泣!戦慄!の、最強のブロマンス! 「せいしゅん」は眩い「青春」だけでなく 命に真っ向から向き合い 正しさを追い求める瞬間「正瞬」となり それこそが生きてる瞬間と「生瞬」に変換されて 描...
17歳、夏。 『せいしゅん』ってどうやるんだ……?」 竹宮ゆゆこさんの才能、爆裂! 爆笑!号泣!戦慄!の、最強のブロマンス! 「せいしゅん」は眩い「青春」だけでなく 命に真っ向から向き合い 正しさを追い求める瞬間「正瞬」となり それこそが生きてる瞬間と「生瞬」に変換されて 描き出されていく。 戻らない時間という人生が深く刻まれるように、 読む者の胸の奥深くを突く至高のブロマンス小説! 止まらないドキドキが ポンプのように心臓に愛を届け どの心臓も愛おしくなる。 この小説を愛を込めて処刑したい! そんな想いに駆られます。 始めは、爆笑モノの青春小説でいながら、 心臓を鷲掴みにされる衝撃のラスト、 とんでもなくガッツリ突き刺さります。 竹宮ゆゆこさんの最高傑作!
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最後の150ページ、それまでとの転調がすごくて、一度本を閉じた。ページをめくるのが怖かった。 このまま、恐ろしい結末を迎えたら、どうしよう。 でも、読み終わって本を閉じた時、「大丈夫。生きていける。だから、生きよう」そんな風に清々しい気持ちだった。
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主人公鋼太郎は高校2年生の17歳。夏休みのある日、バイトからの帰りの道すがら、「せいしゅん」がしたい17歳、アストラル神威と出会う。いかにも怪しい変な彼が、夏休みが終って鋼太郎のクラスに転校してきて…。 果たしてアストラル神威の願い「せいしゅん」をするは叶うのか。また、アス...
主人公鋼太郎は高校2年生の17歳。夏休みのある日、バイトからの帰りの道すがら、「せいしゅん」がしたい17歳、アストラル神威と出会う。いかにも怪しい変な彼が、夏休みが終って鋼太郎のクラスに転校してきて…。 果たしてアストラル神威の願い「せいしゅん」をするは叶うのか。また、アストラル神威とは何者なのか。 これは鋼太郎とアストラル神威の高校を舞台にしたブロマンスである。 たまたま書店を覗いていたら、『とらドラ!』でお世話になった竹宮ゆゆこ先生がハードカバーの新刊を出したんだと思い、どんな本何だろうと興味をもって購入した本です。 読んでみて思ったのは、竹宮ゆゆこ先生らしい作品だなと思いました。 主人公鋼太郎とアストラル神威は、境遇や環境から妙に大人っぽい高校生だなと思うところがあるキャラクター。でも、学校にいったら素で年相応の良い意味でアホな高校生っていう感じ。 周りに集まってくる友達も面白くて良い奴が多いし、親も大変なのに、独特のキャラクターで良い人っていう感じのキャラクターが多い印象です。 また、文章や会話もライトノベル調で、笑わせてくるところはしっかり笑わせてきます。 第二章の「タケフジ」の下りは電車で読んでいて笑いをこらえるのに必死でした。 高校の時って、何もなかったよなぁ?と思ってましたけど、そういえば、友達同士でくだらないバカなことをやってたなと思い出しました。あれ、確かに高校2年生の特権ですわ。 また、第三章は考えもので、泣けたし、結構、テーマが深いというか、重たい感じがしました。 ただ、最後は良かったなと思う反面、そこまで笑って泣かせてくれたのに、そういう風な展開なんだ?という感じには個人的には思ってしまいましたが、それだけアストラル神威というキャラクターにのめり込んでしまったのかな?と思いました。 ちょっと、最後が物足りないなと思いはしましたが、笑って泣いて大いに楽しんだ作品でした。 さて、そんな私が今作品で思ったのは、「出会いは運命を変える」ということです。 本作品、主人公がアストラル神威と出会ったからこそ高校生活が変わります。 おそらく、アストラル神威が主人公の高校に転校してこなければ、本作品のようにハチャメチャなまさに「せいしゅん」と呼べるような奇跡的な高校生活はなかったはずです。 そら、どの本もそれそはそうだろう?と思うのですが、実はそんなことってあまり意識する機会ってないと思います。 この物語が出会いが運命を変えるんだなぁと意識してしまうのは、主人公があの時、出会ってなければみたいなことを多く思うからというのも原因だと思うのですが、アストラル神威と出会ってなければ、普通に得られたであろう主人公の未来も読んでいて容易に想像できてしまうところにあると思います。 アストラル神威と出会った主人公にとって良かったこともあれば、悪かったこともある。アストラル神威と出会わなかった主人公が得たであろ未来と失った未来がある。 本作品は、主人公が失った未来も大きかったんじゃないかと強く思ったので、「出会いは運命を変える」ということを思いました。 また、結構、重たいテーマがのしかかってます。 それは「ドナーとして臓器を提供する側される側」の心情。 このテーマは重すぎて、今の私では答えが出せないなと思いました。 本当の自分なんていうのはわからないし、凄く純粋で綺麗な感情もあれば、汚い感情もあるし、自分を守るために自分を殺さないといけないときもある。 私も高校の時は、今思い返してみても何が面白かったのかわからないようなアホなことを友達とやってはしゃいだりしてましたけど、そんな友達をたまに鬱陶しく思ったり、嫌いだなと思ったりするような汚い感情をもったし、クラスに馴染むために自分を抑えたりしてましてね。 そんな懐かしい高校時代を思い出し、なんだかんだ言って私の高校生活は楽しかったなと思えた、そんな作品でしたということで締めくくりたいなと思います。
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第一章、第ニ章は単なる青春小説そして第三章は衝撃の世にも恐ろしい告白小説、すんなり読んでいたら結末はあっと驚く衝撃度100%の最高傑作、あなたも読んでじっくり味わって下さい。
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