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熟達論 の商品レビュー

4.6

27件のお客様レビュー

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2024/07/13

学びと成長のプロセスと構造を、自身の体験と様々な対談で得た知見をもとに整理したもの。なかなか気づきも多く、読んでよかったと思うが、同じ著者なら、諦めということを記述した本のほうが、深い気づきに至ったと思う。それに比べると、これは手法論に近い。【2024年6月16日読了】

Posted byブクログ

2024/07/11

知り合いが読んで絶賛していたので読破。 まさに現代版「五輪の書」! 著者かアスリートなのでスポーツを例に話が進むが、スポーツ以外の分野でも熟達のプロセスは同じで、自分の現在の熟達具合(仕事諸々で)を考えさせられました。 学びを楽しみ成長したいと感じさせてくれる一作でした。夢中にな...

知り合いが読んで絶賛していたので読破。 まさに現代版「五輪の書」! 著者かアスリートなのでスポーツを例に話が進むが、スポーツ以外の分野でも熟達のプロセスは同じで、自分の現在の熟達具合(仕事諸々で)を考えさせられました。 学びを楽しみ成長したいと感じさせてくれる一作でした。夢中になれるよう学んでいきます!

Posted byブクログ

2024/07/04

GLOBISのモデレーターとして司会を務める著者に対し、スポーツ選手ながら随分仕切りや纏め方の上手い方だなと思いながら、スポーツや身体を扱う世界独特の視点での解釈や表現の仕方が新鮮で、本著についても当にそうした学びを言語化した名著との前評判から、楽しみにしていた。身体化という言語...

GLOBISのモデレーターとして司会を務める著者に対し、スポーツ選手ながら随分仕切りや纏め方の上手い方だなと思いながら、スポーツや身体を扱う世界独特の視点での解釈や表現の仕方が新鮮で、本著についても当にそうした学びを言語化した名著との前評判から、楽しみにしていた。身体化という言語化とは異なるプロセスの解剖から得るものが多い読書となった。 ー 私たちは大雑把に対象をつかんでいて、いわば強調すべき部分、ハイライトの部分だけを拾って、つなげたものを全体だと理解している。そこには身体部位の名称という言葉の限界もある。例えば、下半身を動かす場合、腰、膝、足首だけに着目しがちだが、各部位の間にも身体はある。しかし、ほとんど意識される事は無い。言葉によって身体を分けていくと、どうしても重要な部位以外が抜け落ちる。 私たち自身がデフォルメ化された世界を見ているのだ。言い表せない「部位」を型に慣らし、無意識のものにする。 ー 私たちは言語を扱うことができるが、その言語一つ一つを維持するようでは会話に集中できない。自由にその技能を使うと言う事は、無意識でもきちんと機能すると言うことを意味している。それができれば、その上に次の技能を重ねていくことができる。 ー 熟達していく過程で、私たちは夢中と言う状態に入る。熟達のプロセスで遭遇する夢中の瞬間こそが人間の生きる実感の中心だと私は考えている。 ー 上級者と初心者の違いは、雑念の滞在時間だ。ネガティブな思考でも、ポジティブな思考でも、集中を妨げる点ではどちらも雑念である。上級者は雑念が浮かび上がっても、長く滞在させず流していく。 まさに、これに囚われるのがイップスだろう。 ー オリンピックの決勝のような舞台ですが、トップスプリンター同士の足の改善のリズムがシンクロすることが知られている。リズムだけではなく、相手の動きや、話し方、考え方にも影響される。集団にいると、どんなに意識しても集団に自分が擦り寄っていくことになる。当然、常識とされるものも似通っていくのだ。孤独でいれば、集団に対しての同調から距離を取ることができる。集団の「当たり前」に影響されにくくなるのだ。 ー ずっと同じ文化の中に身を置いていると自己評価に偏りが出る。違うグループに入れば別の価値観を知ることで、徐々に自分自身の捉え方も変わっていく。複数の基準を持っているほど自分を捉えやすい。自分の個性を考えるときには、どの基準で比較をしているのかを理解しておく必要がある。 ー 行動し、試行錯誤の回数が増えれば、必ず成長していく。失敗すれば、学習の機会はいくらでも作れるが、失敗させることが最も難しいのだ。 失敗や異なる価値観、孤立により、自らをセンシングしながら相対化し、当て嵌める言語すら不要な絶対的な身体感覚を手に入れていく。 ー ロボット技術の世界にチャンク化という言葉がある。ある一連の動作が人まとまりとなって記憶されることだ。無意識で行える事はまさにこれで、実際に人間の運動もあれこれ考えながらやっていた動作が習得されると、一つのきっかけだけで一気に連動するようになる。 面白い。しかし、故に気になったのは、知的活動における熟達とは。つまり、言語化を要する熟達においても、やはり同じ論理が適用できるだろうか。話し始めてから、思考が纏まっていく、意図せず言葉が湧き出てくる、ということもある。なるほど、この点では論理や論説をチャンク化し、身体化していると言えるのかも知れない。

Posted byブクログ

2024/06/08
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

抽象的な内容が多く難しかった。 スポーツでも将棋とかでも何かを極めていくまでには、遊→型→観→心→空 という段階があるということ。 最初は遊ぶ、自由に楽しみ失敗とかしながら改善して成長する、 でもどっかで、型を身につけておかないと限界が来る。また、同じ分野の人を見て型の癖とか見ながら学ぶこともある。 そこまでは何となくあり得る進め方だが、心というのは考えにはなく印象深かった。 力を入れず脱力する部分を見つけること、それによりマラソンなら力入れない時間も増え疲れも減るし、何か別の行動を移すための準備時間も減らすことができる。合気道がまさにその考え。 確かにウルトラマラソンとか走ってる先輩を見ると腕の脱力感は大きいし、心の考えもあるのかもしれない。 他印象に残ったのは ◯若いときは筋力、体力をつけるのに力を入れるが歳を重ねるにつれて、休養のとり方が大事になる。その時々で最適なトレーニング、考え方は変わる。 ◯人は目で観てるだけでなく、五感全てで観ている。卓球であれば球の動きだけでなく、球が台に当たる音も聞き学んでいる。 ◯体力は衰えても、熟達のレベルが低下したわけでない、そのときの条件下で最も巧みなパフォーマンスを発揮できる ◯走り方とか説明するときに、具体的な行動を指示するだけでなく、例を伝えるのが大事。足を速く動かす、というのは地面が熱くて足をバタバタせざるを得ない状況を想像する、ということ。 まずは、今までに発想になかった心を意識していきたい。

Posted byブクログ

2024/05/26

精神は肉体に宿るとはいうが,肉体を如何に無意識に我々は使っているかを思い知らされる.もし,肉体を意識的に制御するのであれば,何を・何故・どのように,を論理的に積み,その論理を時間(状況や自身の成長度合い)とともに組み替え続ける,という人間的な哲学的考察を常に行い続ける必要性が理路...

精神は肉体に宿るとはいうが,肉体を如何に無意識に我々は使っているかを思い知らされる.もし,肉体を意識的に制御するのであれば,何を・何故・どのように,を論理的に積み,その論理を時間(状況や自身の成長度合い)とともに組み替え続ける,という人間的な哲学的考察を常に行い続ける必要性が理路整然と簡潔に説かれる.まるで解脱した僧侶が執筆なさったかのような印象さえ受ける.分量は多くないが,高密度な充実した現代版五輪の書.

Posted byブクログ

2024/05/07

この人の本初めて読んだけど、アスリートとしての経験やエピソードと、論理的な思考の組み合わせが面白い。しかし他に読みたい本が一気に沢山きて、やむを得ず中断。またいつか読む。

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2024/03/07

質問者のレベルを測ってそのレベルに合わせた回答をするために質問者に質問するようにしているという話に脱帽。いきなり極みを教えても届かんってことよな。

Posted byブクログ

2024/01/20

為末さんの本はどれも好きですが、これは特に良書だと思います。少し難解さがあるからこそ再読して深く読み込みたい。 終わりにあった一節↓が刺さりました。 「学び」そのものが「娯楽化」するのが熟達の道だ。

Posted byブクログ

2024/01/18

あとがきにも書いてあるように、例がスポーツ関連であることが多く、そちらの経験者の方がより共感する部分が多いのかなぁと思いました。 とはいえ、スポーツ関連経験者でなくても問題なく読み進められると思います。面白かったです。

Posted byブクログ

2024/01/14

人が学んでいくプロセスを「遊-型-観-心-空」というプロセスでどのような過程か解説してある。例がとてもわかりやすい。分かりやすいんだけれども、これが著書も書いているが、スポーツの例が多いので、知的作業の場合はどうなるのかイメージがつきにくかった。加えて、この本のサブタイトルである...

人が学んでいくプロセスを「遊-型-観-心-空」というプロセスでどのような過程か解説してある。例がとてもわかりやすい。分かりやすいんだけれども、これが著書も書いているが、スポーツの例が多いので、知的作業の場合はどうなるのかイメージがつきにくかった。加えて、この本のサブタイトルである「人はいつまでも学び、成長できる」のに対応した記述がそれほど多くなかったように思えた。

Posted byブクログ