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無限の月 の商品レビュー

3.6

43件のお客様レビュー

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2024/02/18
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※このレビューにはネタバレを含みます

二人の人格が交差していく内容 今までは空想的であったが、デジタル技術発達のおかげで 近未来的な仮想現実とまでは感じれるようになり、リアリティーが感じられる内容。

Posted byブクログ

2024/01/09
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

読書備忘録793号。 ★★★。 ネタバレですが結論から言いますよ~。 「人類補完計画」です。笑 現実社会からの延長としてのファンタジー小説です。 現実からの延長で語られるので、例によってウザいZZIは技術的裏付けが無いことに若干のイライラが。笑 ファンタジーはファンタジーらしく大陸の形とか、変な生き物とか、変な歴とか!振り切って欲しい! 中国の辺鄙な村。 新しいモノ好きな徐春洋は村の人々の便利屋。家電のWiFiコントロールなどをササッと作ってしまう何でも屋。 そんな村のWiFiネットワークが何者かにハッキングされた?ハッキングされたネットワークからは「助けてくれ!警察に連絡してくれ!」というメッセージが繰り返し流されていた・・・。 ハイ!ここで一発目クレーム。笑 この村を訪れたオランダ人写真家のグレゴリーさん。イイ感じの登場でしたが、この後のストーリーに一切登場しない。なんなん?登場する意味あったん? 場所は移り日本。 藤浪聡美とかいう女子が悪酔いしている。夫が浮気したと。夫の名前は隆。タイダルというベンチャー企業の社長。 隆が若い女を自分の家に連れ込んでいる? そもそも、目の前にいる隆は自分の知っている隆じゃない。明らかに別人。どういうこと? 当の隆は浮気を否定する。でも聡美は離婚を決意する。揺るぎない決意。 隆は諦めるが、ただ離婚するにしても何が起きたのか説明させてくれと。 そして3ヶ月前に起きた不思議な出来事が語られる。 語られた物語は一言で言えば人類補完計画。笑 隆と中国人女性張月の間で人格が同期して2人でありながら同一人物になったということが語られる。 同期した理由は、タイダルが試作したカチューシャという脳波を利活用するデバイスを隆と張月が同時に装着したことが原因のようだ。 すなわち、聡美が見た女性は浮気相手ではなくて、隆であり張月。隆は隆だけと張月。 ほぼ300Pに渡って隆が同期する張月の記憶が再生される。その物語は実はちょっと面白い。 冒頭の「助けて~!」は、隆と張月と隆の盟友木下が中国で拉致された事件で、救いを求めていたという顛末でした。 ということで、最終的に聡美は、その事象を理解(!)して隆を許す。ちょっとあり得ないですね。笑 でここからが人類補完計画!碇ゲンドウが目指した世界です。笑 聡美もカチューシャはめて張月になってみたい!と。 そして見事張月に同期! 張月への同期は次第に増えて数億人になる。この集団はホモ・コネクサと呼ばれ、ホモ・コネクサ群の総数は最終的に50億人となる。 地球上の50億人が数人の同一人格なので争いがなくなる。競争原理がなくなる。経済の衰退。ゲーム理論の破綻。 ただ、残りの数十億人の人類は個人を維持しているので世界は二分化。さて、この先に未来はあるのか。 さて。ウザいZZIです。技術的に無理がある点。 タイダルは人間の脳みそを並列接続させて仮想的なスーパーコンピュータを構成し情報処理を行うというサービスを提供するベンチャー。脳みそを提供する人々は、昼寝している間に脳を貸すことで収入を得る。脳を接続する為のデバイスは基本的に脳に埋め込むBMI(ブレインマンマシンインターフェイス)という機器。ユーザを広めるために埋め込まなくても良いデバイスとしてカチューシャを開発したんです。 んんん?まず、マンマシンインターフェイスという単語の用法を間違っている。 そして、並列接続の仕組みの問題。計算機のCPUコアにしても実際の並列コンピュータにしても、並列処理して莫大な演算をする為には、超高速な内部BUSで接続されていないと実現しない。レイテンシもスループットも光ファイバー等とは桁が違う。そもそもBUSなのでパラレル通信でしょう。シリアルもあるけど。 それを現代社会延長で語られる無線ネットワークでは実現不可能でしょう。 あと10個ほどイライラしたいけどZZIが暴走するのでやめとく。 しかしながら、デビュー作の「ゴリラ・・・」はめっちゃ面白そうで読んでみたいと思うZZI。

Posted byブクログ

2023/12/25

とっても不思議な読後感。 日本と中国の距離を超え、他人の脳が自分の脳に入り込んできてしまう。少し先の未来で、あっても不思議ではないことなのかもと思うと、SF小説を楽しく読むような気分ではいられなかった。 こういう世界、なんだか怖いなぁ。

Posted byブクログ

2024/02/17

特殊な機器を身につけることによって、男性である自分と女性である他人との意識が自分と共有される、という現象が起こる話である。 SF的要素もあるが、性同一性障害についても考えさせられた。 自分が男であることの違和感、女性でいられる間が本当の自分だと感じること。 そしてアイデンティティ...

特殊な機器を身につけることによって、男性である自分と女性である他人との意識が自分と共有される、という現象が起こる話である。 SF的要素もあるが、性同一性障害についても考えさせられた。 自分が男であることの違和感、女性でいられる間が本当の自分だと感じること。 そしてアイデンティティとは? この作者の作品はゴリラ裁判に続き2冊目だが、主人公や舞台が日本、日本人、ましてや人間に留まらないことによって、いかに普段、自分が国や性別、そのようなものに囚われすぎているのか、を知る。 しかし、これだけ世界中がネットで繋がる世の中になると、顔や声は必要なく、国も必要なく、ただ、そこには意識が存在するだけ、そんな価値観も広がっていくと感じた。

Posted byブクログ

2023/12/08

読み終えた後に巻末の作者紹介をみて以前よんだ「ゴリラ裁判の日」の作者と気づき納得。 最後の章は理解するまでに時間がかかったが 全体的には面白かった。 ゴリラもそうだったがこんな脳科学への未来に想いを馳せた

Posted byブクログ

2023/11/26

SFの要素がちょっと入りつつ、設定はファンタジーっぽいかな。伊藤計劃 ハーモニーを思い出した。 木下のスキルが最強説。

Posted byブクログ

2023/11/12

神秘的な物語を予感させるあらすじからあれよあれよと日本⇄中国を行き来する意識。 またもや波瀾万丈な彼女の半生を視る。 脳というアイデンティティの乗り物。 言語/思想を獲得して人間と同じになったゴリラのように、記憶の追体験によって「私」は別の「私」と馴染んでいく。 個人の人間ドラ...

神秘的な物語を予感させるあらすじからあれよあれよと日本⇄中国を行き来する意識。 またもや波瀾万丈な彼女の半生を視る。 脳というアイデンティティの乗り物。 言語/思想を獲得して人間と同じになったゴリラのように、記憶の追体験によって「私」は別の「私」と馴染んでいく。 個人の人間ドラマのうちは未知という感じでもなかったけど、短いエピローグで個人の枠から飛び出して割と見たことない世界観になった。 ハーモニーとかともまた違うし。おもしろ。 何かモチーフになったものとかあるんだろうか。 共通思考?分人?

Posted byブクログ

2023/11/11
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※このレビューにはネタバレを含みます

SFプラスサスペンスの様な、ジャンルで括れない作品でした。 『ゴリラ裁判の日』でもあったアイデンティティが揺さぶられどのように向き合うか、というテーマが今作ではより深く追求されているなと感じました。 単純な意識の交換だけではなく、その少し先の考えを入れているのも面白かったです。 多分作中の中国の詩のように、何度か読み返して自分に意味を染み込ませないと理解できない種類の小説だと思いました。

Posted byブクログ

2023/11/07

どういうこと?とオチが気になってあっというまに最後まで読んでしまった。 スケール大きいのかそうでもないのかよく分からない感じ。 木下が想像以上に活躍していて笑った。

Posted byブクログ

2023/11/06

最初は何がどうなるのかずっとわからないままで読み進めていて。このままで終わってしまったら最悪だなぁと危惧していたら、ピースがはまっていくかのように繋がりがみえてきた。木下さんもメアリーもすごく良い味だしていた。 記憶の同期ってなんなんだろう。イマイチ理解できないままに終わってしま...

最初は何がどうなるのかずっとわからないままで読み進めていて。このままで終わってしまったら最悪だなぁと危惧していたら、ピースがはまっていくかのように繋がりがみえてきた。木下さんもメアリーもすごく良い味だしていた。 記憶の同期ってなんなんだろう。イマイチ理解できないままに終わってしまった。

Posted byブクログ