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梅雨物語 の商品レビュー

3.6

44件のお客様レビュー

  1. 5つ

    6

  2. 4つ

    17

  3. 3つ

    12

  4. 2つ

    4

  5. 1つ

    1

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2024/09/01

3つの短編だけど、それぞれがなんか不穏な空気に満ちていておもしろかった。梅雨物語というようにじめじめとしたべたつくような怖さ。 「皐月闇」「ぼくとう奇譚」「くさびら」

Posted byブクログ

2024/07/31

既視感のある内容、そして、想像をそんなには越えないエンディング…なのに、ついページをめくりたくなる作品でした。 肩の力を抜いて読めました(なかなかに不穏な内容ではありますが)

Posted byブクログ

2024/07/20

句集から紐解かれる犯罪の話(皐月闇)、遊郭の夢で命の危機に陥る話、家にキノコが生える話、のホラーミステリ。不穏な香りと想定より悪くなるだろう予感にゾワゾワする。皐月闇がね、闇深くて色々考えてしまう。薄々感じるんやけどそれでもここからだからこそ?って困惑する。

Posted byブクログ

2024/07/19

梅雨の時期に梅雨物語を読む、というポーズのためだけに手に取ったがまーこれが面白いこと!3話収録。『皐月闇』→俳句が題材。13の句を解釈すると謎が解ける、という何とも斬新な構成。夏井先生ばりの辛口講評を読み進めると..ほう!と唸る事間違いなし。オチは早々に読めるのに面白いのが凄い。...

梅雨の時期に梅雨物語を読む、というポーズのためだけに手に取ったがまーこれが面白いこと!3話収録。『皐月闇』→俳句が題材。13の句を解釈すると謎が解ける、という何とも斬新な構成。夏井先生ばりの辛口講評を読み進めると..ほう!と唸る事間違いなし。オチは早々に読めるのに面白いのが凄い。『ぼくとう奇譚』→蝶が題材。夜な夜な黒い蝶の夢を見る男には後ろめたいことがあって。これはざまーみろだ。『くさびら』→キノコが題材。奇天烈な話でついていくのが大変と思いきや、私が無駄に持っていたキノコの知識が今ここで活きるとは歓喜。

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2024/07/02
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

三遍の収録、2篇目で脱落。  1編目…俳句を教えていた老齢の元教師の家に昔の教え子が尋ねて来て、俳句の解説を頼まれる。認知症になっている元教師の犯罪が明らかになっていく

Posted byブクログ

2024/06/29

ホラーミステリ3編。どんどん絶望に向かっていく追い込まれる恐怖。本人が悪いのだけれど切なさややるせなさを感じた。少し難しく感じた部分もあった。

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2024/06/22

初貴志祐介さん作品。三話の中でお気に入りは皐月闇。俳句の蘊蓄がとても興味深い。ストーリーを追いながら知識を増やす事ができる、これが読書の醍醐味だと思う。他の作品も読んでみたい。

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2024/06/14

雨月物語や狂言などに題材を取ったミステリ中短編集。どの話にも身勝手で下衆な男が出てくる。 『皐月闇』は、俳句の謎を解いていくミステリ。死んだ兄が残したという句集を持ち込んで謎を解いて欲しいと頼んできたかつての教え子菜央といっしょに語り手の作田は俳句から菜央の兄の心情を読み解こう...

雨月物語や狂言などに題材を取ったミステリ中短編集。どの話にも身勝手で下衆な男が出てくる。 『皐月闇』は、俳句の謎を解いていくミステリ。死んだ兄が残したという句集を持ち込んで謎を解いて欲しいと頼んできたかつての教え子菜央といっしょに語り手の作田は俳句から菜央の兄の心情を読み解こうとするのだが、作田の記憶はあやふやで── 『ぼくとう奇譚』 昭和初期の東京、美武は黒い蝶に誘われる不思議な夢を見るようになる。このままでは死ぬと千里眼の行者に言われ、美武は札を貼った堂に籠ることになるが──『雨月物語』の『吉備津釜』を元にしたお話。 『くさびら』 軽井沢で暮らす杉平は2週間前に喧嘩した妻と子が家を出ていき一人で暮らしている。そんなとき家の庭に突然キノコが大量に生えてくる。しかし、従兄弟で精神科医の鶴田にはそんなものは見えず、杉平の正気を疑い出す。狂言『くさびら』を思わせるお話で、実際杉平の知り合いの山伏が茸封じの祈祷を始めるが、全然太刀打ちできないといった場面が出てくる。義母に依頼されて妻と子を探す探偵が現れたり、ミステリではあるのだが、キノコ、幽霊…と関係のないような話が意外な様相へと物語を運んでいく。キノコにまつわるあれこれの話がとても面白い。菌(くさびら)神社という神社の存在も初めて知った。

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2024/05/03
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ホラー:ミステリ:スピリチュアル=5:3:2くらいの短め中編3編。 面白かった編 ・「皐月闇」 俳句ミステリ?「こんなんで何が分かるの?」「何これ読めねぇルビ振ってくれよ~」と思った所からまさかの!ドヤ顔解説の前提が崩れて反転する構造にすっごい転がされた。と同時にこんな形の復讐って空しくならないのかな、でも小鳥を捕らえる蜘蛛に歌を見出しちゃう娘だから、嬲ることそのものが半分娯楽化してるのかな、というかそっちも闇が深くてあっちもこっちもタイトル通り無明じゃーん…。 面白かったけどもっと絞ってもいいかと思った編 ・「ぼくとう奇譚」 普段なるべく知らない単語が出たら検索するようにしてるんだけど、絶っ体コイツは画像見たら寝られなくなる奴!って確信するくらいキモさ爆発のスリルでした。 惜しかったのは直前の「皐月闇」と身勝手な記憶喪失と性癖が被る所、洋風の呪いと和風の幻惑とをキチキチに詰め込んだ所。あれもこれも入れたい!気持ちは分かるけど、何時代の話だったか混乱するので本命以外はバッサリ切ってもよかったんじゃと思ったりしなくもなかったり。 総評 最後の「くさびら」以外は因果応報よね~、と思いながらも悪意の不気味さおぞましさは流石でした。毎度怖くて上手い。類作??の「秋雨物語」もあるみたいなのでそっちも読んでみようかな。

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2024/04/17
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

生者と死者をつなぐホラーミステリ三編がおさめられた一冊。 俳句を読み解いていく「皐月闇」は、解釈を聞いているうちにだんだん怖くなってくる。記憶に問題がある主人公と、丁寧だけれど妙なところのある元教え子。元教え子への視線が気持ち悪いと感じていた。徐々に導かれていく真実に納得。 黒い蝶の呪いを書いた「ぼくとう奇譚」は、昭和初期の時代の雰囲気を存分に味わえた。過去の罪により呪われていると知っていても、夢の中で妓楼に通い馴染みの花魁を選ぼうとする愚かさ。不気味に朽ちていく妓楼も悪夢でしかなく、何が起きるのかと惹きつけられた。 庭に生えてくるキノコの恐怖を書いた「くさびら」は、主人公が妻子を殺したのかと思っていたら、非常に切ないお話だった。オカルトじみていたけれど、愛する家族に守られていたというラストが良かった。 どれも面白かった。

Posted byブクログ