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梅雨物語 の商品レビュー

3.5

46件のお客様レビュー

  1. 5つ

    6

  2. 4つ

    16

  3. 3つ

    13

  4. 2つ

    4

  5. 1つ

    2

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2023/08/17

「世にも奇妙な物語」の雰囲気に思いっきり蘊蓄をトッピングしたような中編集。 私は蘊蓄大好きだから本作も楽しめました。「ぼくとう奇譚」の虫の蘊蓄にはゾッとさせられましたが。これ全部先生が元から知っている知識で書いたなら相当すごいと思う。最後のキノコのお話が読了感がよく、ラストがあの...

「世にも奇妙な物語」の雰囲気に思いっきり蘊蓄をトッピングしたような中編集。 私は蘊蓄大好きだから本作も楽しめました。「ぼくとう奇譚」の虫の蘊蓄にはゾッとさせられましたが。これ全部先生が元から知っている知識で書いたなら相当すごいと思う。最後のキノコのお話が読了感がよく、ラストがあの話で良かった。

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2023/08/10

3つの短編集。 「皐月闇」はちょっと説明が長くてテンポ悪かったかなぁ。 「くさびら」が個人的に好みだった。

Posted byブクログ

2023/07/31
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

【皐月闇】 語り手の元に現れた自殺した兄の俳句集を持ったかつての教え子。 その俳句にはおそろしい秘密が隠されていて。 兄が犯した罪の告白であれ?そんなもの?と思わせておいてから語り手へのどんでん返し、さらには認知症すらトラウマによる局所的な健忘であるというオチ。 とても面白かった。 随所に伏線があって、なおかつ読み進める度に伏線は分かりやすくなる(次第に思い出しはじめているという描写かな?)ように書かれているのが細かい。 さらに認知症というピースがいい仕事をしてた。語り手が犯人であるパターンって割と知っているはずの出来事を無視して違和感になってしまうことが多い気がしてるけどこれなら忘れているから説明が着くし納得出来る。語り手が本来は全てを知っている犯人でありながら読者と同じくまっさらで何も知らない立場での語りを許される。 ただ強いて言うなら本当にまっさらな読者には「兄が自殺した」「兄と瞳の婚前旅行」「婚前旅行で失踪、死んでしまった」という前情報が逆に余計な思い込みを生んでしまってアンフェアな気もする。 いや、それこそ「というのも実は嘘でミスリードです」という部分を省いた連用止め……ってコト?! ミスリードにしては断定情報だとおもわせすぎかな、とは思った。 ホラー要素:ミステリが1:9くらい。 【ぼくとう奇譚】 昭和感がまたホラーの恐怖、不気味さを引き立たせていてよかった。 それでいて登場人物の正体やどんでん返し、伏線などもしっかりしていて雰囲気だけではなく楽しめた。 キャラも引き立っていてこれはシリーズとして読みたい。 不気味な感じもあったしおどろおどろしさもあったけど読後感はすごい爽やか。 ホラー要素:ミステリ要素は8:2 【くさびら】 妻と息子が家でをした家で実在しないキノコが現れる。従兄は精神病を疑うし探偵や義母まで現れて。 正直語り手が犯人だと思ってた。従兄だけ見えてなかったのか。 妻が自分の好きだったキノコで警告していたのも、妻の言っていたことをちゃんと覚えていたから何度も危機を察知できた語り手も、なんとも言えないラストだった。 ハッピーエンドではないしちゃんと悪い人は捕まったから胸糞では無いし、でもせつない気持ちになった。 誰も幸せになれなかったな。 ずっと幻影のキノコを中心に話が進んでいく中で最後の決め手で本物のキノコが出てくるのは胸熱だった。 生者が死者を忘れるんじゃない、死者が生者を忘れるのだ。とても良かった。 ホラー要素:ミステリ要素が4:6くらい。 全体的にストーリーは文句のつけどころがない面白さだった。 ホラーという宣伝で買うと少し物足りないかも。二話目は堂々とホラーだったけど。 ファンタジー要素が主軸だけどストーリーの本質はミステリ。 次からは作者買いしそう。

Posted byブクログ

2023/07/29
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

好みのホラーだった! 虫とか、キノコとか、サイコー過ぎる! 貴志さんの「天使の囀り」もかなり好き♡ 「くさびら」のラストシーンの美しさに心を打たれました。

Posted byブクログ

2023/07/25

ねっとりとした印象の三作品。最も先生らしく好きなのは昭和初期テイストの二話目。一、三話目はミステリ色強く特に一話は俳句を嗜む自分のハートを射抜いたが、総合して★4。

Posted byブクログ

2023/07/18
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

幻想・ホラー・ミステリーを混ぜたようなお話が3編入っている小説。 タイトルの通り、どの話も雨が降っている描写があってしっとりとした雰囲気。 自分好みの話ばかりで面白かった!どれも好きだけど、一番好きなのは"ぼくとう奇譚"かな。 皐月闇…一番目の話。俳句の意味を解き明かしていくストーリーで暗号解読のようなミステリー要素と、ちょっとしたどんでん返しもあり楽しめた。女の執念は怖い。 ぼくとう奇譚…二番目の話。こちらはミステリーではなく、幻想とホラー(怪奇?)を混ぜたような感じ。昭和初期の時代設定のおかげで遊郭の雰囲気が幻想的で美しい。でも逆にそれが恐ろしい。 日斉さん普通に有能やん。最後の真相を語るところは鳥肌ものでした。日震さんは何者なのだろうか…。 タイトルの"ぼくとう"はラストの方で意味が分かって、あ、そうなんだ?と思った。あと女の執念は怖い。 くさびら…三番目の話。なぜかキノコが見えるようになった男の話。実際想像するとキノコが部屋にビッシリって気持ち悪いと思うけど、キノコという単語のおかげなのかそこまでホラー感はなかった。頭のおかしくなった男の話で怪奇小説か?かと思ったけど、最後の方は流れが変わり、ちゃんと(?)探偵が活躍してミステリーの話となり、真犯人を追い詰めるところがあってよかった。まさかキノコの話からいい話で終わるとは思わなかった。 キノコの種類がいっぱい出てきてちょっと勉強になった。女の執念(というより思念か?)がなせた業。女の執念はすごい。

Posted byブクログ