うどん陣営の受難 の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
ある会社の代表を決める選挙にまつわるお話。 選挙といっても主人公が選挙活動に勤しむということはなく、支持していた候補者が落選するところから物語は始まる。 決選投票に残ったふたつの派閥が進めるいろんな選挙活動に心をかき乱される様子がメインで描かれ、選挙が終わってつまらない毎日に戻っていくところでお話が終わる。 正直、この物語を読んだ前と後で、何も変わらなかった。 ただただ、知らない人の人生のごく一部を見た。それだけ。 全体的に淡々と話が進んでいくので、そこまで盛り上がり要素もない。 でも、なんだろう。うっすら違和感というか、気持ち悪さがある。 この物語の主人公が考えてることがあまり理解できなくて、会社にいてもあんまり関わりたくないタイプだなとか、この会社選挙期間中いつもこんな感じなんだったらやばすぎるなとか。 最近、津村さんの『つまらない住宅地のすべての家』という本を読んだのだが、あのお話に出てくるとある家の薄暗さと近い感覚な気がする。 とはいえ、この気持ち悪さ嫌いではないのよね…
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なんやろう、この可笑しみは。 これが津村ワールド? おもしろかった。タイトルもいいなぁ。 社内派閥のあれこれ。 対立する藍井戸氏と黄島氏の二陣営のどちらでもない、第三位候補の緑山氏を推している「緑の会合」。 って言っても、いつもみんなでずっとうどん食べてるし! みんな、どんだけ...
なんやろう、この可笑しみは。 これが津村ワールド? おもしろかった。タイトルもいいなぁ。 社内派閥のあれこれ。 対立する藍井戸氏と黄島氏の二陣営のどちらでもない、第三位候補の緑山氏を推している「緑の会合」。 って言っても、いつもみんなでずっとうどん食べてるし! みんな、どんだけ“うどん”が好きなん!! 得票数獲得のための対立する陣営の足の引っ張り合い、探り合いが嫌な感じ。そして面倒臭いなぁ…。 社内政治の攻防とともに何気なく描かれているポンコツなパソコンとの攻防。 思わず吹いてしまう場面、共感する部分があってクスリとなります。 投票前の特殊な状況を、おかしみを感じる絶妙なタッチで描かれていて、ゆるい面白さが好みでした。
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こんな仕事以外のことで面倒臭い(とは言え自分たちの働く環境に関わってくるので面倒臭がってたらいけないというのもまた煩わしい)会社嫌だな、と思いつつ、とにかくうどんが食べたくなりました。
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そもそも何の会社なのか分からないし、なんで会社の代表を決めるのに選挙なのかも分からないけど、なんだか無さそうなありそうな世界の中での、ありそうな人間関係を淡々と描いていて、津村記久子先生らしさを感じました
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(2024/06/07 1h) 津村記久子著ということで手に取り、事前情報を何も入れずに読了。 U-NEXTが出版してるということにびっくり。デジタル媒体で目にすることが多いロゴを、アナログ紙面上で見ることが新鮮。かつ、ちいちゃくて可愛い。 表紙にタイトルを書かず、イラスト...
(2024/06/07 1h) 津村記久子著ということで手に取り、事前情報を何も入れずに読了。 U-NEXTが出版してるということにびっくり。デジタル媒体で目にすることが多いロゴを、アナログ紙面上で見ることが新鮮。かつ、ちいちゃくて可愛い。 表紙にタイトルを書かず、イラストをメインとして据えるスタイルの装丁。箔押しもオシャレ。好き。 内容としては100 ページの中で繰り広げられる選挙戦の人間模様が表紙イラストのようなコミカルさで軽やかに描かれていて、さっくりと読めた。 津村記久子の本を読むのはこれで2冊目。 次は長編をもう1冊、手に取りたい。
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つくづく、こんな小説書けるの津村さんしかいないなぁと思わせる内容。面白かった。ギリギリありそうでなさそうな。小さな思惑やらなんやら渦巻いていてモヤモヤ湯気が立ち込めるよ。うどんイズジャスティス。読んでて楽しかった。
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コメディのように楽しい話だった。 映画にしても楽しめそうな短いながらもキャラクターたちが 立っている小説だった。 私もうどんは好きだ。
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四年ごとに開かれる会社の代表選挙。上位二名による決選投票は接戦と予想。キーとなるのが三番手候補の支持者たち。まあいろんなことを仕掛けてくる。運動員の送り込み、ハラスメント手前の圧力、上司からの探り…。 コミカルなんだけどちょっと怖いよ。ゾクっ。人間社会の縮図。優しい言葉で近づいて...
四年ごとに開かれる会社の代表選挙。上位二名による決選投票は接戦と予想。キーとなるのが三番手候補の支持者たち。まあいろんなことを仕掛けてくる。運動員の送り込み、ハラスメント手前の圧力、上司からの探り…。 コミカルなんだけどちょっと怖いよ。ゾクっ。人間社会の縮図。優しい言葉で近づいて、弱いところに漬け込んで、手のひらを返す。おいしく平和にうどんを食べたいだけなのにな。
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手に取ったときに、あれ?こんなサイズなの?とびっくり。最近では珍しいタイプでした。お話は、本当にくだらなくて、実際にこんなことをしている会社は嫌だな、という気持ちの方が、感想として残ってしまいました。私も緑の会でうどんを食べていたい。 2024/2/26読了
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あらすじ わたしの働く会社では、4年に一度、会社の代表を決める選挙が行われる。私の応援する緑山さんは決選投票まで行かずに落選。ちなみにこの党は現地採用の人たち(地域の伝統的な帽子をかぶっていて、夜型)が中心。会の集まりでは毎夜おいしいうどんが出る。私は現地採用ではないが、なんと...
あらすじ わたしの働く会社では、4年に一度、会社の代表を決める選挙が行われる。私の応援する緑山さんは決選投票まで行かずに落選。ちなみにこの党は現地採用の人たち(地域の伝統的な帽子をかぶっていて、夜型)が中心。会の集まりでは毎夜おいしいうどんが出る。私は現地採用ではないが、なんとなく会に出席している。決選投票に向けて、他の党では不穏な動きが始まる。スパイのように会社内で立ち回り、票を稼ぐべく、困っている人に近寄る人、相手の候補者の高額会食をリークしたり、パワハラ音声をばらまく人。私の懇意にしてる先輩にも近寄る人々がいた・・・。 《感想》中編1編。薄ーい本だと思っていたら、もとはU-nextオリジナル書籍として書き下ろされ、その後電子書籍化し、普通の本になったらしい。 架空の会社を舞台にしていて、不思議ワールド。まるで公職選挙のように、会社内で動き回る。党員じゃなかったら、備品の調達も遅くなるような場面もあった。そんな中で主人公は色々不安に思ったり、先輩を心配したりしながら日常を送る。最寄りのスーパーは金曜日肉が安いので、豚肉が切れてしまったり、やたらとうどんを食べたり。メインのストーリーが面白いのはもちろんだけど、不思議だったり、不穏だったりしても普通に日常を送る描写が細かいところが好きだ。
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