青瓜不動 の商品レビュー
百物語の聞き手がおちかだった頃は、おちかの生真面目さと心の傷からか、暗い・辛い話が多かった気がする。 富次郎に代わり、百物語以外の部分でホッコリする箇所が増えた。 今回は百物語ではあるのだが、どちらかというと富次郎の心の動きに沿って話が続いている。 絵師になりたいという思いを封印...
百物語の聞き手がおちかだった頃は、おちかの生真面目さと心の傷からか、暗い・辛い話が多かった気がする。 富次郎に代わり、百物語以外の部分でホッコリする箇所が増えた。 今回は百物語ではあるのだが、どちらかというと富次郎の心の動きに沿って話が続いている。 絵師になりたいという思いを封印しつつも、抗えない描きたいという思い。 三島屋も伊一郎が戻ってきたし、富次郎自身も今後の身の振り方も含め、決断の時が迫っているのだろう。
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これでまだ1/3程度かしら。今回は聞き手の富次郎がクローズアップされた感じ。どれも怖い話なんやけどそれだけじゃないのが宮部さん。すごいね
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最近よく感じる事で時代(歴史)小説ほど、パラレルワールドはないのではないか!一本の歴史年表という幹から、様々な枝葉があり正義の味方の家康が描かれる物語もあれば、別の枝葉では策を弄し人騙して天下を獲る家康が描かれる物語もある、どれが本当か誰にもわからない!その観点から考えると、この...
最近よく感じる事で時代(歴史)小説ほど、パラレルワールドはないのではないか!一本の歴史年表という幹から、様々な枝葉があり正義の味方の家康が描かれる物語もあれば、別の枝葉では策を弄し人騙して天下を獲る家康が描かれる物語もある、どれが本当か誰にもわからない!その観点から考えると、この三島屋変調百物語は江戸時代という歴史を背景に、どんなに不思議で奇怪な物語でも全てがリアル!考えようによっては、こんなに面白い話は無い! シリーズも深まり登場人物レギュラー陣の変化や苦悩も程よいスパイスとして楽しめた。 ・土から生まれた不動明王 ・悲劇に見舞われた少女の執念が生んだ、家族を 守る人形 ・不思議な筆とその代償 ・ある里で育った男が語る不思議な故郷の物語 この恐ろしくもあたたかい、宮部みゆきワールドが何処まで続くのか楽しみで仕方ない。
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神田三島屋の〈変わり百物語〉 「青瓜不動」 おちかの助けになればと、百物語の語り手になった女性が持参したのはうりんぼ様という仏像 「だんだん人形」 店の危機を幾多にも救ってきた武者の土人形 「自在の筆」 人の生命を糧に絵を描くことのできる筆 富次郎が筆を置く決意するが、、 ...
神田三島屋の〈変わり百物語〉 「青瓜不動」 おちかの助けになればと、百物語の語り手になった女性が持参したのはうりんぼ様という仏像 「だんだん人形」 店の危機を幾多にも救ってきた武者の土人形 「自在の筆」 人の生命を糧に絵を描くことのできる筆 富次郎が筆を置く決意するが、、 「針雨の里」 様々な理由で身寄りを失った子供を引き取り、あいたしというペアで仕事をするのが習わしの村に起きた惨劇 今回も様々なひとの業が描かれているなぁと、感じました。自分の私利私欲のために、罪のない村人たちを虐げる悪代官や、理不尽な村のルールで、縛ろうとする村人たち。 今の時代も形は違えど、搾取される構図は変わらない気がします。
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「富次郎」を聞き手にしたのが良かったのかなあ。あきらかに「おちか」が聞き手のほうが面白い。「おちか」は聞き手を務める理由があったよね。 残念ながら「富次郎」はそれがなく、あくまで交代要員でしかないなと。 かなり読んできましたが、これで「宮部みゆき」さんは終わりにします。 私の「宮...
「富次郎」を聞き手にしたのが良かったのかなあ。あきらかに「おちか」が聞き手のほうが面白い。「おちか」は聞き手を務める理由があったよね。 残念ながら「富次郎」はそれがなく、あくまで交代要員でしかないなと。 かなり読んできましたが、これで「宮部みゆき」さんは終わりにします。 私の「宮部みゆき」ベスト3は『蒲生邸事件』『孤宿の人』『小暮写眞館』かな 順不同です。
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※このレビューにはネタバレを含みます
三島屋変調百物語シリーズ最新刊、九之続が到着した。前作八之続で、おちかが無事に出産するまで百物語は休止することになったが、結局出産前に再開することに。三島屋に戻ってきた長男の伊一郎は、富次郎に呆れた顔を向ける。 第一話、表題作「青瓜不動」。語り手を紹介したのは、おちかに話を聞いてもらったという巨漢の偽坊主。なお、そのエピソードは第2作に収録されている。黒白の間に現れた女は、奇妙な仏像を背負っていた。「うりんぼ様」というそうだが…。 洞泉庵というお救い小屋から来た語り手。語られるのは、簡単に述べると洞泉庵の成立過程である。辛い話もあるが、爺さんが植えるのを勧めた青瓜の力が興味深い。役目を終えた青瓜を、どう処分しているのか? 全体的にはめでたしめでたしな話だが、富次郎はなぜこんな悪夢を見たのだろう。ありがたやうりんぼ様。 第二話「だんだん人形」。富次郎と同年代の語り手が、祖父から聞いたという話。悪代官に蹂躙された村から、必死で脱出する前半は、なかなかしんどい。訴えが届き、ようやく村が平穏を取り戻した後、渡された人形とは。うーむ、確かにすごい人形だが、村を守ってはくれなかったのかと突っ込みたくなった。 第三話、短い「自在の筆」。毎回聞き手を務めた後、あるルーチンを欠かさない富次郎。一応伏せておく。恐ろしい筆に魅入られた男の話を聞き、富次郎はルーチンについて決意を固めた。このくらの長さの方がテンポがいい気がするな。 最後の第四話「針雨の里」。正直、1編が冗長に感じることもあるこのシリーズだが、本編に限ってはもっと長くてもよかった気がする。子どもの頃、語り手が過ごした里。名産品によって里の生活は豊かだったが、山の噴火によって一変。そして語り手が知った、里の真実とは。これは予想できなかった。 第四話がビジュアル的な内容だっただけに、富次郎は意欲を掻き立てられ、第三話での決意が揺らぐ。って、おいおい…。結局富次郎がどうするのかは、続編で明らかになるのだろうか。帯には思い切り書いてあるけども…。
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宮部みゆきの新作は、読むまでいつもワクワク。どの作品も必ず楽しませてくれるから。 三島屋の百物語、おいちのときは、面妖で悲壮な話で、聞くも地獄な話が多かった。 富次郎に代替わり後は、聞き手がまだ頼りないのか、救われる怪談が増えた気がする。マンネリ化せず、毎回違う怖さがある。 本当...
宮部みゆきの新作は、読むまでいつもワクワク。どの作品も必ず楽しませてくれるから。 三島屋の百物語、おいちのときは、面妖で悲壮な話で、聞くも地獄な話が多かった。 富次郎に代替わり後は、聞き手がまだ頼りないのか、救われる怪談が増えた気がする。マンネリ化せず、毎回違う怖さがある。 本当に百になるまでシリーズが続きそう。
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安定の百物語シリーズ。 今回も、誰もがもつ人の業みたいなものに直面させらて心の底が冷えてくるような話、打って変わってホッコリさせてくれる小話調、せつなくじんわり沁みてくる話など、さすがの4編。 そんな中で、おちかに代わって新たな聞き手となった富次郎の人としての成長に、ことさらフォ...
安定の百物語シリーズ。 今回も、誰もがもつ人の業みたいなものに直面させらて心の底が冷えてくるような話、打って変わってホッコリさせてくれる小話調、せつなくじんわり沁みてくる話など、さすがの4編。 そんな中で、おちかに代わって新たな聞き手となった富次郎の人としての成長に、ことさらフォーカスされていた気がした。 良くも悪くも気軽な立場で、それゆえに見たくないことは見ずに生きて来れた富次郎が、これからの人生で何を受け容れ、何を手放さないといけないのかに真剣に迷い悩む姿には素直に尊敬の念を覚えた。 でもよく考えたら富次郎ってまだ20代前半なんだよなー、すごい!
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とてもとても楽しみにしていたんだけど、今回は私の望んでいる百物語ではなくて残念。 心底震え上がったり、怖いけど優しくて、切ないけど怖くてというのが宮部さんの三島屋の百物語と個人的に思ってるので、今回は残念だったなぁ。 いやどれも良い話なんだけどね。 おちかも無事に出産したし。でも...
とてもとても楽しみにしていたんだけど、今回は私の望んでいる百物語ではなくて残念。 心底震え上がったり、怖いけど優しくて、切ないけど怖くてというのが宮部さんの三島屋の百物語と個人的に思ってるので、今回は残念だったなぁ。 いやどれも良い話なんだけどね。 おちかも無事に出産したし。でもちょっと残念。 次に期待かなぁ
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※このレビューにはネタバレを含みます
本の内容もとても面白かったけど、装丁が素晴らしいと思った。帯も和紙みたいで触り心地がいいし、挿絵も温かみがあって、話に合っていると思った。 帯の内容見て、このシリーズこれで終わり!?と早とちりしてしまったけど笑 お話は、怖いという感じではなく、ベースは辛くて悲しいお話なんだけど、それに負けずに生きていく人たちと、そんな人たちを応援するかのように不思議なことが起こる、というお話のように感じて、読んでいるこちらも元気が出た。 富次郎、もう絵を描かないの?描けるだけ才能あるんだから、描けばいいのに…と思ってしまった。
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