刑事何森 逃走の行先 の商品レビュー
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デフ・ヴォイスシリーズのスピンオフですが、本作ではろう者や手話については書かれていません。純粋に特定の社会問題を題材としています。 リアリティがあるだけに、正直、すっきり万事解決!とはいかないので、もやもやしたりするのですが、フィクションの中に現代の社会問題がうまい具合に織り込まれていて、色々と考えさせられる作品だと思いました。何森刑事は定年を迎えるため、最後の事件とのことなので、読後は何だか寂しくなりました。
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もうこのシリーズお気に入り。 オーディブル2024 135冊目。 コロナ禍での移民の人について書いてあったけど、確かに日本人も苦しい中、移民の人はもっと大変な状況だし借金もあるしっていう感じだったんだな
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外国人技能修習生の妊娠、非正規滞在外国人の仮放免、コロナ禍下での女性の失業と貧困。罪を犯さざるを得なかった女性たちの社会的背景を、彼女らを追う何森刑事が浮き彫りにしてゆく。 スポットを当てられた女性たちの問題は、どれも既視感のあるものばかり。その時々には、憤りを感じているものの...
外国人技能修習生の妊娠、非正規滞在外国人の仮放免、コロナ禍下での女性の失業と貧困。罪を犯さざるを得なかった女性たちの社会的背景を、彼女らを追う何森刑事が浮き彫りにしてゆく。 スポットを当てられた女性たちの問題は、どれも既視感のあるものばかり。その時々には、憤りを感じているものの、日々右から左に流れてゆく新しいニュースに埋没していた。外国人技能修習生の問題についてもそうであるが、「社会全体として難民問題に関心を寄せる人が少ない」との言には、ただただ耳が痛い。せめて、関わることのある留学生や外国人研究員には、寄り添える人間でありたいと気持ちを新たにする。 ぶっきらぼうな物言いは相変わらずなものの、回を追うごとに何森の弱者に向ける目が優しいものになってゆくのが嬉しい。デフ・ヴォイスシリーズ一作目での聾者への軽率な行動を思えば、荒井の影響を強く受けているのは明白で、人は虚心を心がければいくつになっても成長できるのだな、とわが身を顧みる。 「法律も決まりも、人がつくったものだ。先に法律や決まりがあったわけじゃない。まず人がいるんだ。だから、決めるのも人だ。つまり、お前だ。これからどうすればいいか決めるのは、お前自身なんだ。」 法律・制度の限界への憤りと職務のはざまでジレンマに苦しむも、最後に何森がとった行動は、かつて非行を繰り返していた少年時代に、少年係の刑事から受けた言葉に背中を押されてのものだった。相棒のみゆきに「全身刑事」とまで評された何森が定年直前に至って、刑事としてではなく、人間としての判断に従ったことは、定年後の何森の生き方を示唆するものであるに違いない。次作が待ち遠しい。
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デフヴォイスの初期に出てきた何森刑事はデリカシーがなくて嫌な感じのおじさんってイメージだったけど、回を重ねるごとにイケオジになっていってる気がする
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オーディブルにて。 今回は海外の日本在住者に関する事件に関して。 個人的には、今までの障害者に関する話よりは興味が少ない分この評価になってしまったのであって、話の展開自体は前と変わらない。 残念ながらこれでデフ・ヴォイスシリーズを読破したので、また自分に合う本を探す旅が始まる…。
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何森さん、定年だったんですね。 今現在問題になってることをタイムリーに入れ込んだ短編。 問題になってるものの詳しく知らずにいた事もあったりしたので読んでて勉強にもなった。
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刑事何森シリーズ第2弾 実際に起きた社会問題が 基盤となっているので とても考えさせられる 昔気質の何森刑事だけど 凝り固まってしまってる訳じゃなく 毎回 理解しようと アップデートしようと している姿勢がとてもいい 残念ながら 刑事としての何森は最後らしい… でも 「間宮の当て」 が気になるので 今後また 彼のストーリーが読めるのを期待したい
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「デフ・ヴォイス」スピンアウトの何森刑事の続編。非常に難しい話ばかりの3作。こういう問題、何とかしていかなくてはいけないんだけど、そういう立場じゃない人でも救いが必要な人、世の中に沢山いるんだよな。本当に難しい・・・
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ベトナム人の技能実習生が上司を刺して逃亡した。刑事の何森はその行方を追ううちにその奥にある問題に直面する。 「デフヴォイス」シリーズの何森が主人公の話。入管やホームレスなどの問題が描かれていて、重たい内容だけど、ぐいぐい読ませる。
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