刑事何森 逃走の行先 の商品レビュー
「逃女(とうじょ)」ー ベトナム人技能実習生 「永遠(エターナル)」ー パパ活 「小火(しょうか)」ー 高齢者ホームレス 3つの事件が収められている。 どれも貧しく孤独な女性が加害者の事件で、事件によって現代社会の現状を訴える作品。 実際の事件や事象が書かれているので読みやすい...
「逃女(とうじょ)」ー ベトナム人技能実習生 「永遠(エターナル)」ー パパ活 「小火(しょうか)」ー 高齢者ホームレス 3つの事件が収められている。 どれも貧しく孤独な女性が加害者の事件で、事件によって現代社会の現状を訴える作品。 実際の事件や事象が書かれているので読みやすい。先2篇は小説というより作者の思いを書いたという印象が強かった。3つ目は1と2を受けて少し長く書かれているので小説感があって良かった。 作者の丸山さんはとっても優しくて良い人だなぁと分かる。弱き者が冷遇され見捨てられる国の制度への憤り、一個人ではどうする事もできないことへの虚しさ。作家として伝えたいという強い思いが作品になっている。ただ、現実要素が強いから主人公の何森刑事の考えというより作者の考えという感じがしてしまう。前半は小説というよりニュースを知った感想のような…。 個人的には長編にして、3つ目の感じ(読者に提唱する形)で、もう少し小説っぽさがあった方が読み応えが出るように感じた。
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