食欲人 の商品レビュー
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学生時代はコンラート・ローレンツ(動物学)やリチャード・ドーキンス(進化生物学)などが結構好きでした。 当時は「人間はなにか」というテーマで卒論・修論を書いておりましたが(哲学専攻)、テーマ設定の時点で哲学独自で論を進めるのも難しく、こうした分野の本を結構読みました。 本書についても、当初は類似の方向かなあと思っていました。つまり、動物の行動や特性から人間にも共通する性質を読み取る、というものです。 ・・・ まあ私の読みはそこまで外れたものではありませんでした。 筆者らは、バッタをはじめ各種動物を色々と観察し、人間も含めた動物がタンパク質欲を持つことを発見しました。 もちろん、食物は純粋にタンパク質だけではなく、脂質や炭水化物、あるいは食物繊維などが含まれています。どの動物も必要タンパク質量を満たすのに最適な食物を(自動的に)とるというのです。その際、高たんぱく質食を取れる場合は脂質や炭水化物不足でも食事を止め、逆に低たんぱく質食しか手に入らない場合、カロリーオーバーでもタンパク質をとるべく食べ続けるというものでした。 更には、食餌の取り方によって、寿命を延ばす・生殖しない、寿命は短い・子孫を増やす、というスイッチ/閾値まで分かってきたというのです。 ・・・ これ、すごくないですか。タンパク質量が最重要ダイエット指標となると。 まだ頭の整理が追い付いていませんが、炭水化物抜きダイエットや肉食のみダイエット、絶食ダイエットなど色々ありましたが、幾つかはひょっとしたら間違っているかもしれない可能性が出てきたかもしれませんね。いや、痩せられるのかもしれませんが、その副次的な影響があるようですね。 ・・・ 更に、本書の白眉たる点は、どういう食事が良いのか、というものについても述べている点ですね。 これはいわゆるホールフードという、加工度が少なく多くの栄養素が含まれる食品ですね。 で、更に良いのは、逆にどういうものが良くないかという所にまで言及していることでしょう。 ここにきて、やや左翼的?陰謀論的?な流れですが、個人的に大好物なトピック。 意識的か無意識的か、グローバル食品会社は加工食品にタンパク質を極力入れず、食物繊維を除き、脂質と炭水化物ばっかりの超加工食品を作っていると。 人間の食欲のドライバーがタンパク質量だとすれば、こうした超加工食品はタンパク質欲を満たすことが出来ないので、どんどん摂取すると。更に食物繊維を含まないため口当たりよく人には美味しく感じるということ。 かつて『食べてはいけない』という書籍がありましたが、30年後に科学の世界からも超加工食品が良くない点が裏付けをされたといっても良いでしょう。 またこうした食品会社が米国政府に圧力をかけて政府のアナウンスの形を変えていることも語られていました。 ・・・ ということで、生物学・栄養学の折衷的な本でした。 私の好みにドンピシャな内容でしたが、きちんと理解するためにまた時間をおいて再読したいと思います。 なおビジネスパーソン的には、これをコンディショニングの本として読むべきでしょう。どういう食事で自らをコントロールするか。多くのダイエット本がありますが、本書もその参考として良いと思います。
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序盤のほうのバッタ、ゴキブリ、クモの話をしているあたりが特におもしろくガンガン読めた。 繁殖、長寿それぞれ求められる摂取ターゲットが異なるという話のとこあたりが最も興味深かった。 各章、各段落タイトルでネタバレされるのがくやしかった。 1分に1度バッタの行動を記録し続けると聞...
序盤のほうのバッタ、ゴキブリ、クモの話をしているあたりが特におもしろくガンガン読めた。 繁殖、長寿それぞれ求められる摂取ターゲットが異なるという話のとこあたりが最も興味深かった。 各章、各段落タイトルでネタバレされるのがくやしかった。 1分に1度バッタの行動を記録し続けると聞いて気が遠くなる
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一つのことを明らかにするために科学者たちが大変な検証を行っていることがノンフィクションで読むことができます。
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帯が「LIFE SPAN」作者のデビッド・A・シンクレア博士だったので見つけた途端、手に取ってました。博士は面白くてイッキ読みしたそうで。 最近日本でも、老いない研究が注目されているけれど、この本も「食」を通して、どんなバランスが人間の長寿につながるのか、バッタやマウス、オラウー...
帯が「LIFE SPAN」作者のデビッド・A・シンクレア博士だったので見つけた途端、手に取ってました。博士は面白くてイッキ読みしたそうで。 最近日本でも、老いない研究が注目されているけれど、この本も「食」を通して、どんなバランスが人間の長寿につながるのか、バッタやマウス、オラウータンなどの実験動物を通して気の遠くなるような細かい調査を行い、長い年月をかけて完成させた「今のところ」の集大成です。 研究者は本当に好きじゃなきゃ続けられないなと頭が下がります。お金もかかるしモチベも素晴らしい。体を張ってます。 タンパク質や炭水化物の重要性がバランス的にどのあたりなのか、実際にこれを此位と書いてあるわけではないですが、比率別に実験してどれが長生きするのか、詳しく書かれています。 とても興味深くあっという間に読み終えました。
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食べることは本能だと思いがちだが、その単純さを疑う一冊である。人はなぜ食べすぎ、なぜ迷うのか。 著者は動物たちの食行動に目を向け、栄養を正確に選び取る知恵を学ぶ。自然界では「欲」は制御され過不足は少ない。 人間社会はどうだろう。加工食品と情報があふれ、食欲はしばしば操られる...
食べることは本能だと思いがちだが、その単純さを疑う一冊である。人はなぜ食べすぎ、なぜ迷うのか。 著者は動物たちの食行動に目を向け、栄養を正確に選び取る知恵を学ぶ。自然界では「欲」は制御され過不足は少ない。 人間社会はどうだろう。加工食品と情報があふれ、食欲はしばしば操られる。足りないのは意志ではなく、環境の設計だという鋭い指摘がなされる。 何をどれだけ食べるかは生き方の縮図でもある。腹を満たす前に暮らしの仕組みを見直せと促している。
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食生活におけるタンパク質の比率を意識するべき、という非常にシンプルな主張。生き物にとってタンパク質が重要であることを、科学的なアプローチで検証された内容が纏められています。 人間を含めた生き物が、本能的にタンパク質を優先的に摂取する一方で、食品メーカーの利潤最大化という資本主義の...
食生活におけるタンパク質の比率を意識するべき、という非常にシンプルな主張。生き物にとってタンパク質が重要であることを、科学的なアプローチで検証された内容が纏められています。 人間を含めた生き物が、本能的にタンパク質を優先的に摂取する一方で、食品メーカーの利潤最大化という資本主義の構造が、人間の食習慣を歪めた一つの要因であるという主張は、非常に納得のいく内容でした。
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人間のタンパク質を摂取したいという欲求は強力で、満たされない場合に、脂肪や炭水化物の過剰摂取に走ってしまう。 商品価格は、タンパク質が多いほど高額(健康的なものも安くない気がする)になる。 健康的な身体やスタイルが、豊かさの象徴になりつつあると。また、不健康な人は医療費がかかって...
人間のタンパク質を摂取したいという欲求は強力で、満たされない場合に、脂肪や炭水化物の過剰摂取に走ってしまう。 商品価格は、タンパク質が多いほど高額(健康的なものも安くない気がする)になる。 健康的な身体やスタイルが、豊かさの象徴になりつつあると。また、不健康な人は医療費がかかって余計に格差が広がっていくのではないかなと。 あとは、研究者の方々の根気強さには脱帽です。
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後半の加工食品へのネガキャンは置いておくとして、新しい考え方で面白かった。 生活の中で、明らかに足りているはずの塩分が欲しくなるのは何故だろう?ということを知りたくて読んだので、しょっぱいものが食べたくなったら「タンパク質欲しい!」のサインと考えて、とりあえず牛乳を一杯飲んでみようと思った。 何か食べたい!となったらタンパク質を意識すること、炭水化物と繊維をしっかり食べること、油脂を取りすぎないこと、くらいを実践してみようと思った。 無駄なものを省くだけでバランスが良くなる、というのが、言われてみれば確かに!と思った。
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生物は自分に必要な栄養をどうやって判断し摂取しているのか。 考えてもみなかった謎だったけれど、とても面白かったです。 そして、どうして人間は自分の食欲を制御できずに肥満になっていくのかについて、なるほどなぁ〜と。 様々な研究があり、いろんな考えた方がある。 一概に食品添加物や超加工食品がすべて悪いとはいえないし、この便利な世界を今更放棄することもできないけれど、あきらかに人工的な食事に頼るのではなく、健康に生きられるにはどんな食べ物を選べばよいのかを考えるきっかけになりました。 と、言いつつアイスクリームもポテチもチョコだって食べちゃいますけどね。でも、体に良いか悪いかという線引きが自分の中で明確にできるようになったように思います。
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面白かった。読むべき。 後半、加工食品や食品メーカーへの警鐘強めなメッセージになっている点はご愛嬌。 ざっくりとこれ読んで知れる事は2つ。 1. 人間以外はどうやって必要な栄養素を選別して適切な食べ物を食べているのか? 2. 虫や動物は必要な栄養量に従って食料を摂取できるのに、...
面白かった。読むべき。 後半、加工食品や食品メーカーへの警鐘強めなメッセージになっている点はご愛嬌。 ざっくりとこれ読んで知れる事は2つ。 1. 人間以外はどうやって必要な栄養素を選別して適切な食べ物を食べているのか? 2. 虫や動物は必要な栄養量に従って食料を摂取できるのに、なぜ人だけは食べ過ぎるのか? 一時期クワガタを飼育ブリードしていたので特に1.は興味深かった。 クワガタの場合、どれだけ大きな個体を羽化させるか?がとても重要な要素になっており、そのために幼虫時期に食べさせるエサは何が良いのかはとても大きな関心事です。 この本で述べられているタンパク質量による食料摂取量調整は結構重要な要素なんだと思います。 幼虫を太らせるために糖質過多なエサをあげ過ぎると羽化しなかったり途中で力尽きたり。タンパク質過多だと多分早生ミニサイズになるんだろうな。 飼育している当時、この話を知っていたらこのあたりの話を考慮して飼育してみたかったです。
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