やがて訪れる春のために の商品レビュー
認知症の疑いのあるハルばあちゃん。 話が進んでいくと、たまにハルばあちゃんの話が 本当だったりもするから、 実は元気で認知症なんかじゃないよと言ってくれればよかったのになぁ。 大好きな人がいつも元気だったのに、 元気がなくなったり、今まで違う様子だったりするのを見るのはつらい。...
認知症の疑いのあるハルばあちゃん。 話が進んでいくと、たまにハルばあちゃんの話が 本当だったりもするから、 実は元気で認知症なんかじゃないよと言ってくれればよかったのになぁ。 大好きな人がいつも元気だったのに、 元気がなくなったり、今まで違う様子だったりするのを見るのはつらい。 まめ子も元気になってほしくて、お庭に帰ってきてほしくて と願って色々と試行錯誤しているんだろうなあと思った。 認知症の悲しい所は、当人もその周りの人も変えてしまうこと。 忘れたくて忘れるわけじゃない。 ハルばあちゃんの心の叫びを聞いたとき涙が出た。 ハルばあがまめ子のために色々としてくれていた形跡が 庭のあちこちにあった描写があって、そこでも涙が出た。 老いは悲しいし怖い。 でも老いは、いつか自分にも親にも子供にもやって来る。 その老いに対してどう向き合っていくか、 とても大事なことだなと思った。 やがて訪れる春(ハル)のために なのかとタイトルを読み直して ふっと心が温かくなった。 色々な事を考えさせられる本でした。
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おばあちゃんが施設に入るとき、孫の私達にはなんの発言権もなかった。そして親の番になっても子供らが平等に口出しできる訳ではないんだよなぁ。。危なくて1人で生活させられない、って 家を奪っていいものか、色々身につまされる話だった。でも「今の自分にできること」をやろうとする真芽の姿は多...
おばあちゃんが施設に入るとき、孫の私達にはなんの発言権もなかった。そして親の番になっても子供らが平等に口出しできる訳ではないんだよなぁ。。危なくて1人で生活させられない、って 家を奪っていいものか、色々身につまされる話だった。でも「今の自分にできること」をやろうとする真芽の姿は多くの人にとってひとつのヒントとなることだろう
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祖母であるハルは自分に重ねると母親がそれに近い年齢ですので両親と実家のことを重ねながら読み進めました。そこに若い主人公がもがきながらも夢に向かって道を切り開いていく物語。読みやすく奇をてらうような展開は少なめですがそれが家族の繋がりと夢に向かう若者を優しく包んでいるように感じます...
祖母であるハルは自分に重ねると母親がそれに近い年齢ですので両親と実家のことを重ねながら読み進めました。そこに若い主人公がもがきながらも夢に向かって道を切り開いていく物語。読みやすく奇をてらうような展開は少なめですがそれが家族の繋がりと夢に向かう若者を優しく包んでいるように感じます。 実家に帰省する機内で読みはじめ、実家から戻ってくる機内で読了。私の両親と実家を思い出しながら努力の末に夢叶う主人公の姿にちょっとウルっとしたのでした。
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やがて訪れるハルの為にというエンディング、淡淡と進む物語にうってつけだってこと。海が見える家が大好きで、特徴の無い主人公がたくさんの経験と人と恵まれて、成長するのが好きだなってこと。ジロ翁が地主でまめ子に幸福をもたらすとか、夢に向かってとうとう実現させて、この後も続いて行く佐倉の...
やがて訪れるハルの為にというエンディング、淡淡と進む物語にうってつけだってこと。海が見える家が大好きで、特徴の無い主人公がたくさんの経験と人と恵まれて、成長するのが好きだなってこと。ジロ翁が地主でまめ子に幸福をもたらすとか、夢に向かってとうとう実現させて、この後も続いて行く佐倉の生活が未来を感じる。ハルさんがとうとう帰れず施設に移るとか、もうちょっと元気で居させて欲しかったよ、あずさに弟に実在してたじゃんかボケてない、ほんと明日は我が身。千葉県舞台も浦安市に住んでたので思い入れが強い。
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やがて訪れる春のために。 続きがあるなら読みたい。 オープンガーデン&カフェの今後も気になる。 我が家のベランダでもお花を育ててるから、お花のお話も楽しかったし、周りの人たちとの関係もとっても良かった。 心が温かくなるお話。
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大人になるにつれ考えることは、仕事、他人の評価ばかり。 小さな幸せってよく見ればたくさん溢れてるのだろうけど、どうしても見つけられなくなる。 そんな自分の背中を押してくれるような物語だった。 世間ではマイナスに捉えてしまうことも、マイナスだと思えばマイナス。それをプラスにしていく...
大人になるにつれ考えることは、仕事、他人の評価ばかり。 小さな幸せってよく見ればたくさん溢れてるのだろうけど、どうしても見つけられなくなる。 そんな自分の背中を押してくれるような物語だった。 世間ではマイナスに捉えてしまうことも、マイナスだと思えばマイナス。それをプラスにしていくのも考え方、行動次第なのかと感じた。 『庭』を中心にした物語でたくさんの花、季節の巡りを感じられ、登場人物も実は良い人ばかり。とても温かな物語だった。みんながこれからも幸せでありますように!
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想い出の庭をもう一度。 家主が帰れないのなら仕方のないことかもしれないが、人が住めるように綺麗にしたことは気にかけないのか。 これから始まる新しいものは、色んな人の憩いの場になり素敵な景色を見せてくれるだろうな。
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家族と庭の再生物語。 良かった…。素敵な読書時間でした♪ 元花屋の幼馴染みの助けを借りながら、入院したハル婆が帰る日のため、荒れ果てた庭の再生に取りくむまめ子。 その過程で関わるようになった人たちとの交流。 少しずつ庭に花が綻び、いつの間にか子供から大人まで人が集まる場所へと変...
家族と庭の再生物語。 良かった…。素敵な読書時間でした♪ 元花屋の幼馴染みの助けを借りながら、入院したハル婆が帰る日のため、荒れ果てた庭の再生に取りくむまめ子。 その過程で関わるようになった人たちとの交流。 少しずつ庭に花が綻び、いつの間にか子供から大人まで人が集まる場所へと変わっていく。 まめ子のハル婆の想い出に想像をめぐらせ、四季の花を愛でながらの読書。 ハル婆の想いを知って、胸に込み上げるものがありました。 読後は、温かいものでじんわり心が満たされます。 表題も秀逸!
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荒れ果てた祖母の家の庭を手入れする真芽。 庭の花が季節ごとに咲き、ハーブや樹木が育ち、実をつけていくにつれて、真芽のまわりに、一緒にいて心地よい人たちが増えていく。 認知症の祖母の本当の思いを知ったり、母を思う娘の気持ちを知ったり、幼なじみのやさしさにふれたり、寂しさを感じて...
荒れ果てた祖母の家の庭を手入れする真芽。 庭の花が季節ごとに咲き、ハーブや樹木が育ち、実をつけていくにつれて、真芽のまわりに、一緒にいて心地よい人たちが増えていく。 認知症の祖母の本当の思いを知ったり、母を思う娘の気持ちを知ったり、幼なじみのやさしさにふれたり、寂しさを感じて生きている子どもと知り合ったり、思い込みで人を判断していたと反省したり。 真芽の心の傷が庭とともに癒され、みんなが庭に集い、おいしいものがいただける素敵な空間ができた。祖母の庭になぜたくさんの種類の植物や木が植えられていたのか、その理由がわかったとき、孫を思う優しさというものの大きさを感じた。 また、やがて訪れる春のために、真芽も訪れる人達もこの場所でいい時間を過ごせるだろうなと思う。 近くにこんな場所があればなぁ。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
小さい頃から祖母と共に過ごしてきた村上真芽。あるきっかけで家族ともども祖母の家から引っ越すことに。それからは大人になっても祖母と共に過ごしてきたその家を訪れることはなかった。そんなある日、祖母が入院したとの連絡、会いに行くと、庭が心配だから見てきてくれないかと頼まれる。しかし、久しぶりに訪れたその家の庭は荒れ果てて、以前祖母が作り上げてきたお花や木々であふれていた庭は跡形もなく、家の中でさえ、信じられないほどだった…。どうやら認知症の症状も出ていると母から知らされる…、そんな祖母にまた素敵なお花や木々を見てもらいたくて真芽は幼馴染の友らとの協力を得て、庭を少しずつきれいにしていこうと決心する。やがてそれが自分が今まで描いてきた夢につながっていく。 祖母の認知症のことが他人事ではなく、年を重ねていくたび、人は記憶をなくしていくのだろうか。。こんなにも生活が乱れてしまうのだろうか…という不安も伝わってくる…。ひと(自分)は記憶でできている、その記憶がなくなってしまったら、自分ではなくなってしまうんじゃないかという不安、、、怖くなる。忘れたくて忘れてるわけじゃない…という悲痛な祖母(ハル)の言葉も心に突き刺さってくる。けれど、生きてる間に築いてきた風景や記憶は、本人だけでなく、本人が忘れてしまっても、家族や友人、お隣さんなど、いろんなところで引き継がれていくことができる。ということもこの本では教えてくれる。最後まで読み進んでいくと新しい春が訪れていた。
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