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夜果つるところ の商品レビュー

3.6

124件のお客様レビュー

  1. 5つ

    17

  2. 4つ

    44

  3. 3つ

    38

  4. 2つ

    9

  5. 1つ

    3

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2024/02/10

24/02/10読了 鈍色幻視行の、四十一節まで読んでからこちらを読んで、戻った。我ながらいい判断とおもう。

Posted byブクログ

2024/02/10

鈍色幻視行を先に読んでからこちらを読むことにしたが、特に鈍色の方を読んでいなくても成り立っているお話であり、呪いが感じられるものでもなかったので、なんとなく拍子抜けした感がある。

Posted byブクログ

2024/04/06
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

墜月荘で暮らす「私」の回顧譚。 3人の母、墜月荘にやってくるお客達ー。 飯合梓によって書かれた「鈍色幻視行」作中作の単行本化。 カバーの裏!こういう趣向好き。 この1冊でも確立しているし、どっちから先に読むかで印象も変わって面白そう。 昏く幻想的な話。「鈍色~」の作中では母恋いもの、アイデンティティ探し、報われない愛の話と言われていたけど、どれが一番近いだろう? 事故死を引き起こすような不吉な雰囲気のものではなかったかな。

Posted byブクログ

2024/01/29

『鈍色幻視行』のカップリング小説なのだが、予約が回ってくるのがずいぶん時間がかかってしまったため、どう関与していたのかすっかり忘れてしまっていました。結果、鈍色~を読んでいなくてもコレ単体で成り立つ、昭和の遊郭を舞台にした耽美的な(?)小説でした。最後の最後にいろいろ種明かしがあ...

『鈍色幻視行』のカップリング小説なのだが、予約が回ってくるのがずいぶん時間がかかってしまったため、どう関与していたのかすっかり忘れてしまっていました。結果、鈍色~を読んでいなくてもコレ単体で成り立つ、昭和の遊郭を舞台にした耽美的な(?)小説でした。最後の最後にいろいろ種明かしがあってまずまず面白かったです。 『蜜蜂と遠雷』を超える作品がなかなか出てこないのがもどかしいところ。

Posted byブクログ

2024/01/27

恩田陸さんの作品では3作品目を読了した。この作品は、私にとって新たな作品世界との出会いとなった。読み始めて、いつの時代のどのような状況だろうかと、謎めいた感じがして、想像の世界に入り込めなかった。過去にこのような現実世界があったのだろうか、そのように想像させられていた。それが逆に...

恩田陸さんの作品では3作品目を読了した。この作品は、私にとって新たな作品世界との出会いとなった。読み始めて、いつの時代のどのような状況だろうかと、謎めいた感じがして、想像の世界に入り込めなかった。過去にこのような現実世界があったのだろうか、そのように想像させられていた。それが逆に、読み進めて、この作品世界を知りたいという欲求にもなった。 主人公はビイちゃん。子供なのだが、年齢は明らかではない。ビイちゃんとは呼び名で、本名も分からない。このことも、後の展開への伏線となっていく。冒頭で、母親が3人いるという、特異な設定へと誘われた。時代や状況など、はっきりとした場面設定が示されてなかったことによって、このビイちゃん目線での不思議な世界へと自然と入り込んでいた。3人の母親は、和江、莢子、文子であった。和江は産みの母、莢子が育ての母、文子が名義上の母。それぞれの母親としての意味はどういったことなのだろうと疑問に思いながら、興味をもって読み進めた。それぞれの母親とビイちゃんとのつながりは、少しずつ明らかになっていくのだが、それが本当なのかは分からない感じで、混沌とした世界であった。そのような中、ビイちゃんは母親を感じることがなく生活を送っていた。それも、この作品世界を特別な世界と感じさせられる要因となっていた。そのような中、物語の終わりにむかって、この設定と関係の背景が徐々に明らかになっていく。 作品の舞台となる墜月荘は不思議で奇妙で妖艶なものを感じた。部屋や外観が和風と洋風と中華風、黒の瓦葺き、造りは煉瓦、コンクリート、木造からなり、壁の色は紫がかった灰色、山中の館で際立つ妖しい色。部屋の窓は八角形で、各部屋とつながる回廊に欄干があり、それは中華風。池の上に張り出した座敷、離れのレストラン、和風と洋風の混在。庭は、枯山水、バラ園、菖蒲池、稲荷と統一感がないことが、一層の神秘性と妖しげな雰囲気を醸し出し、作品世界を現実から離れた世界としての想像が広がる。この世界は幻か亡霊か、現実世界にはない世界にいる感じがずっとする。 莢子が名付けたビイちゃんという呼び名。ビー玉から名付けたところに、ビイちゃんへの思いのなさを感じつつ、莢子はビイちゃんに勉強を教えていた。このことは、この館の中で過ごすことに当てはまらない不思議な感覚があった。なぜ勉強なのだろう、しかも館の中で、私の疑問は膨らみつつも想像世界を楽しんでいた。 奇妙な館である墜月荘では、残虐な場面や血が流れる場面も描かれていて、尋常ではない独特の世界へと誘われる。また、墜月荘にある月観台という場所から、交流部と呼ばれる部屋が一望でき、そこからみる状況の描き方が独特で、現実とはかけ離れている様子をより一層感じた。これも、恩田さんの詳細で丁寧な表現に、私がはまっている感じなのだろう。登場人物も独特で素性がわからない。名前と通称が入り混じって描かれていることも影響があるのだろう。私の想像を広げるそれぞれの登場人物の個性が際立つ。物知りの子爵、軍人の久我原、作家の笹野、浅黒で長身のなめくじ、物静かで無表情の匕首、成金の凍み豆腐、そして集団の呼び名であるカーキ色たち、墜月荘の用心棒の種彦とマサ。それぞれが個性的であり、想像の世界がどんどん広がる。個性的な登場人物による残虐なシーンもあり、それが現実離れした独特な世界を際立たせている。見てはいけない世界を覗いているような錯覚を得る。そのような中で、ビイちゃん目線での世界観だからだろうか、救われないモヤモヤとした感情が蠢くが、一方でそれがこの作品世界の魅力とも感じる。今まで読んだ恩田さんの作品との違いに、その魅力も感じる。この世界を描きたいという恩田さんの熱量も感じる。 ラストに向かって、ビイちゃん呼ばれた理由や、その素性が明らかになり驚愕する。この作品は『鈍色幻視行』との作品のつながりがあるということなので、『鈍色幻視行』を読むことが楽しみになった。新たな恩田さんの作品の魅力を充分に味わった。

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2024/01/24

鈍色鈍行を読む前に読んだ。 不思議な恩田ワールド全開。淡々とした展開で読みやすいが、感情移入はしにくい。 墜月荘に暮らす私は死相や死者が見え、そいつらをスケッチするのが好きだ。 墜月荘では、よく来る客たちがいて、恋愛のもつれがあったり、革命があったり。そして私は自分の出生の秘密を...

鈍色鈍行を読む前に読んだ。 不思議な恩田ワールド全開。淡々とした展開で読みやすいが、感情移入はしにくい。 墜月荘に暮らす私は死相や死者が見え、そいつらをスケッチするのが好きだ。 墜月荘では、よく来る客たちがいて、恋愛のもつれがあったり、革命があったり。そして私は自分の出生の秘密を知る。

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2024/01/24

大正?昭和初期?の空気感が静かに、でも鮮やかに感じられる。 読み始めてから、これが別作品の作中作品で、作者的には元の作品から読むのがオススメだと知ったけど、そのまま読了。 この作品がどんな物語の中で息づいているのか、元の作品が早く読んでみたい。

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2024/01/23

お耽美だった。すごく好みの一冊だけど、時々世界観を壊す言葉があるのが気に掛かった。ピンクのネオン、とか。「ページ」を一文中に二回も入れちゃう所とか。鈍色から先に読めと言われて読んだので、根幹のネタバレがあって、それを確認する様に読んだ。

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2024/01/20

「夜のピクニック」とか「終わりなき夜に生まれつく」とか「夜」が好きな作家さんだな。3人の母親がいるという主人公が住んでいるのは普通ではない環境だった。いったい自分は何者なのか?『墜月荘』が終わりを迎える時、明かされる出生の秘密。そしてまた終わらない夜の中で主人公はしたたかに淡々と...

「夜のピクニック」とか「終わりなき夜に生まれつく」とか「夜」が好きな作家さんだな。3人の母親がいるという主人公が住んでいるのは普通ではない環境だった。いったい自分は何者なのか?『墜月荘』が終わりを迎える時、明かされる出生の秘密。そしてまた終わらない夜の中で主人公はしたたかに淡々と生きていた。

Posted byブクログ

2024/01/19
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

鈍色幻視行より先に読んだ。 最初はよく分からず退屈だったけど 墜月荘が遊郭だとわかった辺りから面白くなってきた。 どんな作品でもそうだけど 昔の遊女はなんだか楽しそう。 外の世界と隔離されてるのがいいのかな。 現代はSNSで他人の生活をのぞけてしまうから どうしたって病むよな 笹野お嬢さまの結末には何だかスカッとしてしまったが 笹野がダメになっちゃったのは寂しかったな。 和江は兄の事好きだったのかな? 文子の事ももうちょっと知りたかったな。 久我原は魅力的!笹野も子爵も。 私の顔が綺麗なのは羨ましい。 綺麗じゃなくても周りの人の態度は変わらなかったのかな お母さんと同じ人好きになるのは最悪! 無理無理! 裏切られた気分になってしまうよ! 私に迎えが来なかったのが現実で辛かった。 特別で居させてくれよ〜 過去に引っ張られちゃう気持ちもわかる。 後半は勢いに任せて読んだから またしっかり読みたい。 鈍色幻視行は2店舗まわったけど売り切れだったので ネットで購入!届くの待ち!

Posted byブクログ