夜果つるところ の商品レビュー
※ 物語全てがまるっと不思議というよりも、 部分的に絵画のようであったり、 詩のようであったりしていて、 どこか浮世離れした幻想的な物語。 対になる『鈍色幻視行』を読めば、 この形容し難い非現実感にしっくりくる 言葉が当てはめられるのか。
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鈍色幻視行の作中作とゆう作品なのですが、知らずにこちらから先に読んでしまいました。 まあこっちから読んだなら、鈍色幻視行がどんな内容なのか想像するのも面白いし、登場人物と共感できるかも。 物心つく前から人里離れた堕月荘とゆう館で育てられたビィちゃんには3人の母がいるとか、湧き上...
鈍色幻視行の作中作とゆう作品なのですが、知らずにこちらから先に読んでしまいました。 まあこっちから読んだなら、鈍色幻視行がどんな内容なのか想像するのも面白いし、登場人物と共感できるかも。 物心つく前から人里離れた堕月荘とゆう館で育てられたビィちゃんには3人の母がいるとか、湧き上がる思いを上手く言語で表現できない子供視点で語られる物語は要領を得ないことが多くって、アウトラインが曖昧でファンタジーの世界を彷徨っているようです。 娼館に幽閉されているようで、幽霊が見えたり殺人があったりと不気味に血生臭いし、気の振れた生みの母からは悪魔と罵られたりで因縁渦巻いていそう。 出入りする人たちは文化人や貴族に軍人とか革命組織のアジトになっているような設定が見えてきて大混乱。 時代錯誤か改ざんされた記憶なのか、薄ぼんやりとした霧に覆われているような物語でした。
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恩田陸『鈍色幻視行』の劇中作(既読) 同作の中でふんわりとネタバレ・解釈について触れられているので、こちらから先に読んだ方が純粋に楽しめた気も? 昭和の作品という事で、文体もそれを意識しているように思えるのが面白い 序盤は少々読みづらさもあったが、崩壊へと向かう後半のたたみかけは...
恩田陸『鈍色幻視行』の劇中作(既読) 同作の中でふんわりとネタバレ・解釈について触れられているので、こちらから先に読んだ方が純粋に楽しめた気も? 昭和の作品という事で、文体もそれを意識しているように思えるのが面白い 序盤は少々読みづらさもあったが、崩壊へと向かう後半のたたみかけはドキドキしながら読みました 試みは面白かったと思います
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図書館にて。 たまたま本棚にあったので手に取ったが、何か文体が違う気がして違和感、と思ったら別人が書いたという体で書かれた小説だったのね。 対になっている小説も読んでみたい。
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鈍色幻視行の中の核となる小説! 墜月荘での主人公の生活を自ら回想。人々が集う夜の館でおこるなげき、許されぬ愛、絶望、問い、淡い恋、死、幽霊たちを主人公目線で語る。 「墜月荘には途切れることのない緊張感がある」 「墜月荘自体が、この世のものではなかったのではないか」 「思い出はあ...
鈍色幻視行の中の核となる小説! 墜月荘での主人公の生活を自ら回想。人々が集う夜の館でおこるなげき、許されぬ愛、絶望、問い、淡い恋、死、幽霊たちを主人公目線で語る。 「墜月荘には途切れることのない緊張感がある」 「墜月荘自体が、この世のものではなかったのではないか」 「思い出はあたしのもの、あたしだけのもの誰にも評価なんかさせない」 「生きることはすざましいことだ」 いろいろな登場人物のセリフが刺さります。 死を見つめ、生きることを考え、せつなさを感じる、そして夢を見ているようなそんな小説でした。千早茜さんの「魚神」を思い出しました。 鈍色幻視行で船を選んだのは、途切れることのない緊張感を演出するためなのかも。
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よかった イメージはネバーランドにちかい感じがする 淡々としてるのに風景が想像できるのがすごい 最後まで頭おかしいだけなのかそうじゃないのかわからないのがすごい
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淡々とした筆致の中で進んでいく物語 人物描写が淡泊なので イメージがわきづらかった また物語の進むスピードが速いので 僕の読解力ではついていけなかった
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『鈍色幻視行』の作中作。 『鈍色幻視行』の登場人物達が魅せられた作品。 表紙を捲り、数ページ捲ると、“飯合梓”の作品としての表紙が現れたり、奥付けもまた然り。 『鈍色幻視行』の登場人物達のようなコアなファンからしたらワクワクの作りになっています。 なんとも、怪しい淫靡な世界観で...
『鈍色幻視行』の作中作。 『鈍色幻視行』の登場人物達が魅せられた作品。 表紙を捲り、数ページ捲ると、“飯合梓”の作品としての表紙が現れたり、奥付けもまた然り。 『鈍色幻視行』の登場人物達のようなコアなファンからしたらワクワクの作りになっています。 なんとも、怪しい淫靡な世界観でした。いや、淫靡なんて言葉を用いてはいけないのかもしれないな、とも思います。様々な愛の形が描かれていたのは間違いないです。 そこに政治だの思想だの革命だのが入り組んでいて、さらにこの世のものではない異形のものも現れ、この世界観にのめり込む者、映像化したいと思う人はいるでしょうね。そして、映像化の企画があがる度に頓挫する‥‥確かに、今作を読むとそれは有り得るのかもしれない‥‥そんなタブーの色合いを感じさせる物語でした。 『鈍色幻視行』とセットで読むべき作品。 私も魅せられました。
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映画を観ているような美しさと残酷さを併せ持ったお話。 ラストの展開で一気に話がひっくり返るのが面白かった〜!
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謎多き作家「飯合梓」によって執筆された、幻の一冊。心に闇を抱えた登場人物が、2.26事件を思わせるクーデーターに巻き込まれていくお話。主人公の子ども視点で見た大人達の妖しさ、人間の心に潜む狂気が物語全体に流れる退廃的なムードと相まって一気に物語の世界に引き込まれた。『鈍色幻視行』...
謎多き作家「飯合梓」によって執筆された、幻の一冊。心に闇を抱えた登場人物が、2.26事件を思わせるクーデーターに巻き込まれていくお話。主人公の子ども視点で見た大人達の妖しさ、人間の心に潜む狂気が物語全体に流れる退廃的なムードと相まって一気に物語の世界に引き込まれた。『鈍色幻視行』にまた戻りたくなる
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