自分疲れ の商品レビュー
自分疲れというメインタイトルより、ココロとカラダの間というサブタイトルの方が実態に近い気がする。全てはグラデーションではという問いかけ、古典から現代までの数々の例示が面白い。語り口調の文章が読みやすく、一気読みしてしまった。
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すべての世代の自分が生き続けている、という考え方がとても良い。過去を振り返るといろんな自分がいて、どれも自分ではあるけれど、その中でもどのときの自分が一番自分らしい自分なのかをわかっていないとだめだと思っていた。自分とは何かを一言で説明できないとだめだと思っていた。でもそんなこと...
すべての世代の自分が生き続けている、という考え方がとても良い。過去を振り返るといろんな自分がいて、どれも自分ではあるけれど、その中でもどのときの自分が一番自分らしい自分なのかをわかっていないとだめだと思っていた。自分とは何かを一言で説明できないとだめだと思っていた。でもそんなことはなくて、どのときの自分も自分の中で生き続けている。こういうときがあった、のではなく、今の自分にもそれが生き続けている。そう考えると全てのことに意味がある。結局自分のことを考えて疲れるけど私は自分のことをぐるぐる考えるのが好きだったりする。もう少し若いときに読みたかった!
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どこまでが心でどこまでが体か、自分とはどういう人間なのか。 分からないし、分けられない、ということがさくさく書いてある。 引用してあるたくさんの本も、ぜんぶ面白そう。
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※このレビューにはネタバレを含みます
最終章から 「私たちは、じつはかなり決まりきった範囲でしか、心と体を動かしていない」「まだまだ未知の領域がある」 という視点にハッとした。 これまで生きてきた中で固まっているものがあるかもしれないとまず自覚することが、柔軟さや生きやすさに繋がるかもしれないと感じたことを覚えておきたいと思った。
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“生きづらさを感じない者は、何も気づかず、何も考えずにすむ。”(p.108) “白と黒のあいだには、白に近いグレーから黒に近いグレーまで、たくさんのグレーがある。コーヒーと牛乳のあいだには、さまざまな割合のカフェオレがある。サンドイッチの上のパンと下のパンのあいだには、さまざ...
“生きづらさを感じない者は、何も気づかず、何も考えずにすむ。”(p.108) “白と黒のあいだには、白に近いグレーから黒に近いグレーまで、たくさんのグレーがある。コーヒーと牛乳のあいだには、さまざまな割合のカフェオレがある。サンドイッチの上のパンと下のパンのあいだには、さまざまな具がはさまっている。これをまるごと無視しては、もったいないだろう。”(p.139)
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面白い。考え方が面白い。それを色んな文学などを例に理路整然と攻めてくる。心と体、白と黒どちらかではなく、間、グラデーションという捉え方。 三島由紀夫と太宰治のくだりも面白かった。 私はあなたの文章が嫌いですと、わざわざ太宰に言いに行き、きてくれるということは本当は好きなんですよ...
面白い。考え方が面白い。それを色んな文学などを例に理路整然と攻めてくる。心と体、白と黒どちらかではなく、間、グラデーションという捉え方。 三島由紀夫と太宰治のくだりも面白かった。 私はあなたの文章が嫌いですと、わざわざ太宰に言いに行き、きてくれるということは本当は好きなんですよ。と言われて激怒する話笑。 内臓とこころ 三木成夫しげお ウツ婚!死にたい私が生き延びるための婚活 石田月美 隠悩録 筒井康隆 僕と彼女のペケ3つ 森永あい 山と獣と肉と皮 繁延あづさ 記憶する体 伊藤亜紗 面白くて眠れなくなる植物学 稲垣栄洋ひでひろ 弱いロボット 岡田美智男
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途中間を開けながら読了〜 自分に疲れた俺にとって「これだ!!!」と思える、大袈裟なことは書いていなかったが、俺にとっての「これだ!!!」は俺が俺の生活の中から、もがきながら、ぼうっとしながら見つけるものだよな。 読みやすくて、優しくて、すてきな本でした。
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心と体について語るのに、色々な話が引用されていて、とても面白かったです。特に首から上と首から下が入れ替わるインドの伝記が印象に残りました。 頭木さんは本や漫画、映画といった幅広い作品に触れていて本当にすごいなと思いました。 あとがきに、「自分の考えを一方通行で提示するのではなく、...
心と体について語るのに、色々な話が引用されていて、とても面白かったです。特に首から上と首から下が入れ替わるインドの伝記が印象に残りました。 頭木さんは本や漫画、映画といった幅広い作品に触れていて本当にすごいなと思いました。 あとがきに、「自分の考えを一方通行で提示するのではなく、読者にも一緒に考えてもらって良い一冊にしたい」という主旨が書いてあり、とても好感を持ちました。 「自分」というものを考える時、僕は思わず「体」ではなく「心」の方ばかりに目がいっていました。でも、体が感情を作っているという文章をみたとき、体あってこその心なんだと思えました。例えば、ある男性を目の前にして胸がドキドキしている…その後で、そうか!私は彼のことがスキなんだ!と解釈する。 体も心もとても大切なのだと改めて感じることができ、また自分とはなんなのかを考えられる素晴らしい作品でした。
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もっと著者の主張が強いタイプの自己啓発系の本かと思ったけど、色んな本やコンテンツを引用しながら読者の思考整理を手助けしてくれるような本だった。 ずっと自分から逃げられないならどう付き合ってく? 心と体の関係って? 心と脳はどう違う?みたいな問い。 劇的な主張やエポックメイキング...
もっと著者の主張が強いタイプの自己啓発系の本かと思ったけど、色んな本やコンテンツを引用しながら読者の思考整理を手助けしてくれるような本だった。 ずっと自分から逃げられないならどう付き合ってく? 心と体の関係って? 心と脳はどう違う?みたいな問い。 劇的な主張やエポックメイキングな言葉が散りばめられてるわけではないのだけど、そこが心地よかった。 夏目漱石や寄生獣を読みたくなった。 自分疲れの処方箋にはならないのだけど 少し自分疲れの正体に近づいた気がした。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
自分の本体は「体」なのか「心」なのかについて、考えてみようよ!という本。文学や科学やアニメやマンガなどを引用して、「自分とは何か」について考察を深める。著者は消化器系の病気をされていて、「自分の中にも大腸があること」や「食事をとって、排泄をコントロールできるのは当たり前のようでいて、実は凄いこと」などということを考える。 「なぜ大小便を漏らすと社会は冷たくなるのか」とかとか、そういうことも書いてある。 計画通りに動けない自分に苛立ち、私はこの本を手に取った。自分らしく生きられてないなとか考えたこともあったけれど、著者が言うには「本当の自分なんてものはなく、そのときどきの自分がいるだけだ」ということ。つまり、自分の奥底に「本当の自分」が眠っているわけではなく、思い通りにいかない今の自分も「本当の自分」なのだということか。 最終的には「心か体かではない。その間にある。なんでも白か黒かつけてしまわない方がいい。もっと曖昧にグラデーションで物事を考えていこうよ」と着地している。
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