自分疲れ の商品レビュー
頭木さんの本は以前読んだことがあるので、重なっている部分もあったが、面白かった。 いつもたくさんの本が(マンガ、映画なども)紹介されていて読みたくなるが、今回も三木成夫や繁延あづさ、大和ハジメなど、すごく読みたくなった。 サブタイトルが「ココロとカラダのあいだ」となっていて、心と...
頭木さんの本は以前読んだことがあるので、重なっている部分もあったが、面白かった。 いつもたくさんの本が(マンガ、映画なども)紹介されていて読みたくなるが、今回も三木成夫や繁延あづさ、大和ハジメなど、すごく読みたくなった。 サブタイトルが「ココロとカラダのあいだ」となっていて、心と体の関係や、そのコントロールの難しさ、境界の問題など、読書だけでなく実体験に基づいて語られている。 三木成夫によると体は内臓系(いわゆるハラワタ)と体壁系(手足、頭を含む、ハラワタ以外)に別れ、内臓系の中心が心臓で、体壁系の中心が脳である。「心」の漢字は心臓の象形文字である。「胸が熱くなる」とか「肚の底から」というように心(感情)は内臓に根差したことばである。「頭」は体壁系で、「頭が切れる」と言うように判断や思考力を示す。なんてところがとても面白かった。 心は千々に乱れるものだと皆理解しているが、体だってパーツによってそれぞれバラバラの衝動がある、という経験はなかなか普通に暮らしていると実感できない。が、赤ちゃんに歯が生えてくると噛みたがるのも、あれはむず痒いからだと思っていたが、「噛みたい」という顎の衝動が歯が生えることで芽生えたからというのもあるのではないかと思った。 イラストは『ベルリンうわの空』の香山哲。不気味かわいい絵が最高。 とても良い読書経験だった。
Posted by
自分とはココロなのか、カラダなのか・・・。 ゆるい感じの文章だけど内容はとても深い。 すごい面白かった。おすすめ。
Posted by
自身の難病経験や文学からの引用で解きほぐす身体論。自分を支えるこころとからだを様々な観点から分かりやすく語ります。頭木弘樹さんの著作は過去に読んでおりどれもおすすめですがこれもとてもよかった。巻末の作品案内だけ読んでも十分楽しめます。
Posted by
この春創刊した人文書の新シリーズ「あいだで考える」の一冊目。文庫よりひと回り大きい判型で手触りよく軽く、「10代以上すべての人に」と銘打って、ふりがなたっぷり、二色刷り150ページ。「岩波ジュニスタ」「ちくまQブックス」と同じような狙い(読みやすい仕様での本格読書へのスモールステ...
この春創刊した人文書の新シリーズ「あいだで考える」の一冊目。文庫よりひと回り大きい判型で手触りよく軽く、「10代以上すべての人に」と銘打って、ふりがなたっぷり、二色刷り150ページ。「岩波ジュニスタ」「ちくまQブックス」と同じような狙い(読みやすい仕様での本格読書へのスモールステップ)を感じる。 「自分」というものほどじつはよくわからないものはなく、それはいったい心にあるのか体にあるのか、ひとつしかないのか、心と体はどういう関係なのか、心にしろ体にしろ思い通りにできないことも多いけど一生つき合い続けなければならない「自分」とはなんなのか、古今東西の本やアニメ・映画などからのエピソードや台詞を引きながら、自らの経験もまじえて考えさせてくれる。 そして、白か黒か、AかBかのような両極端ではなく、なにごともグラデーションのあるものなのではないか、そして(心と体の件に限らず)無理に白黒はっきりさせたり分類して名前をつけて「わかろう」とするのではなく、あいまいでよくわからないままよく観察したり受け入れるということも大事だということをおしえてくれる。 本文で引用/紹介した作品+その他のおすすめ作品のリストが巻末についている。 頭木弘樹さんの本はこれまでに何冊か読んできていてどれもおすすめだけれど、これからは、最初にこれをおすすめするとよさそう。
Posted by
自分の心と体を社会がどう評価するか、これが、自分の疲れの原因なのだろう。人の評価なんて関係ない、俺は俺と言いながら、やっぱり、気になる。 そういう、心の考え方が現実と理想の違いが疲れさせるのだろう。
Posted by