極楽征夷大将軍 の商品レビュー
室町幕府の開祖、足利尊氏、その弟 直義の物語である。またはその家族(兄、尊氏も) の物語でもある。 日本史の中で苦手だった辺り〜 後醍醐天皇、建武の新政、高師直、 そして南北朝時代。 この本を手にして少しは理解できた…とも言えない 自分に気が付く。 歴史の波に呑まれ揺す振られザ...
室町幕府の開祖、足利尊氏、その弟 直義の物語である。またはその家族(兄、尊氏も) の物語でもある。 日本史の中で苦手だった辺り〜 後醍醐天皇、建武の新政、高師直、 そして南北朝時代。 この本を手にして少しは理解できた…とも言えない 自分に気が付く。 歴史の波に呑まれ揺す振られザンギリ頭に惑わされそして、幾多の死を見つめる彼ら。(ザンギリ頭という表現は明治維新のモノばかりではない!) 今に続くその波は同じくして、現代人をも惑わしているのだな、と思う。 軍記物、読みにくいという先入観で始まってはみたけれど当の征夷大将軍、尊氏の魅力的な(とは言い難い?)存在がツボにはまって楽しい読書タイムを こんなに長く持てました。 そしてまた、ずっ勘違いしていたあの騎馬武者の絵は実は!とわかったのが一番の収穫でしたね。
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──人は欲で惑う。それは煩悩である。 しかし、欲が人を動かす─ この壮大な物語は、欲と無欲がテーマ。 無欲が果たして、どのようにして天下人に化けるのか。 足利尊氏、後醍醐天皇、楠木正成、新田義貞など歴史上の人物以外にも、あまり馴染みのない名前が多数登場するので追っていくのも必死...
──人は欲で惑う。それは煩悩である。 しかし、欲が人を動かす─ この壮大な物語は、欲と無欲がテーマ。 無欲が果たして、どのようにして天下人に化けるのか。 足利尊氏、後醍醐天皇、楠木正成、新田義貞など歴史上の人物以外にも、あまり馴染みのない名前が多数登場するので追っていくのも必死。 それでも読み終わった時には、もっと触れていたかったと思えた。 歴史ジャンルで無欲といえば『足軽仁義 三河雑兵心得』シリーズの植田茂兵衛が思い当たる。出自が卑しく出世欲がない点で共通する。もっと言うと、人を押し除けようという気がない。この2つの作品がもつ魅力は同じかもしれない。 無欲はガマンや清貧などとも違うようだ。それは、2人とも波を見極めるのが上手いことから分かる。波とは、人の感情や欲とも見れる。欲がないことが、冷静に欲を御する力、人を見る力を与えてくれるのかと思う。 この2人のつながりに、なんだか考えが深まったような気がした。 欲まみれの垣根作品(笑)の中から、この物語が誕生したことが意味深く面白い。
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「面白かったから是非読んで」と貸して下さった本。 分厚い…。 中身も上下段で文字がびっしり…。 足利尊氏なんて室町幕府の将軍でも何をした人か全然知らない…。 だから読み終えるのに半年もかかってしまった。 作中の歴史もうろ覚えだったから、何度も日本の歴史(漫画)を読む。 成人...
「面白かったから是非読んで」と貸して下さった本。 分厚い…。 中身も上下段で文字がびっしり…。 足利尊氏なんて室町幕府の将軍でも何をした人か全然知らない…。 だから読み終えるのに半年もかかってしまった。 作中の歴史もうろ覚えだったから、何度も日本の歴史(漫画)を読む。 成人したら名前が変わるし、武蔵野守とか同じ人物でも複数の呼び方するから誰かわからなくなる・・・。 基本的に困難を乗り越える登場人物が好きなので、この尊氏は頼りなくでイライラさせられる。 合戦の場面は、マジで読み始めたら眠くなってきてページが進まない… それでも最後まで読んだ自分を褒めていいだろうか。。。
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分厚い本だなーと思ってたら、まさかの二段編成!老眼と戦いながら、やっとこさ読了。 室町幕府のあらすじは日本史で習った程度だったので、こんな背景があったと知ることができて良かった。 尊氏みたいな人っているんだよねー。母性本能をくすぐられると言うか。途中、作者の尊氏に対する明らかな...
分厚い本だなーと思ってたら、まさかの二段編成!老眼と戦いながら、やっとこさ読了。 室町幕府のあらすじは日本史で習った程度だったので、こんな背景があったと知ることができて良かった。 尊氏みたいな人っているんだよねー。母性本能をくすぐられると言うか。途中、作者の尊氏に対する明らかなダメ出しコメントがあって笑えた。
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垣根良助作品なので読む。 手に取り、開いてびっくり! 549ページで、二段ときた! 実質1,000ページ越えの分量。 尊氏、直義兄弟が庶子でぶらぶらしている時代から始まる。 長子が夭折し、尊氏が又三郎~高氏~尊氏になるまでの超長編。 何年か前に大河ドラマ「太平記」の再放送...
垣根良助作品なので読む。 手に取り、開いてびっくり! 549ページで、二段ときた! 実質1,000ページ越えの分量。 尊氏、直義兄弟が庶子でぶらぶらしている時代から始まる。 長子が夭折し、尊氏が又三郎~高氏~尊氏になるまでの超長編。 何年か前に大河ドラマ「太平記」の再放送を観ていたので、ストーリーが容易に追えたが、この時代に興味のない人はさぞ難しいかも。
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足利尊氏を、基本的には実弟の直義と高師直の二人の視点から描く。 時には直義の視点・心理に立ち、時には師直の視点・心理に立つ。それぞれの思いに悩みながら、幕府や足利家の在り方を考え抜いていく。そこに絡んでくる尊氏の存在。彼の動きに、最後までハラハラドキドキモヤモヤさられる。
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良い。 直木賞に相応しい、娯楽時代小説。上下、あるいは複数巻に分けてもいいくらいの長編。なかなか頁が進まない。でも面白い。 足利尊氏、弟、他に助けられて室町幕府を設立した様子がよくわかる。史実は知らないが。 時代が人物を必要とし、マッチした時に動くと感じた。
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超大作。傑作である。 尊氏の水の如き私心のなさ、直義の剛直さ、師直の頑固さ。 歴史は何故にこうも繰り返すのか、最終章の敵対は悲しくて辛い。
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「やる気なし 使命感なし 執着なし」。ヒーローじゃなくフツーに普通。 でも、そんな人が周りの人をエキスパートにするのかも。 役割は誰にでもあるのだ。優秀である必要などないのかもしれない。 優秀であるより、自分自身であることのほうがよほど大事だと思う。 長いので読み終えるか...
「やる気なし 使命感なし 執着なし」。ヒーローじゃなくフツーに普通。 でも、そんな人が周りの人をエキスパートにするのかも。 役割は誰にでもあるのだ。優秀である必要などないのかもしれない。 優秀であるより、自分自身であることのほうがよほど大事だと思う。 長いので読み終えるかどうかもわからない。 最後まで読めない本も沢山ある。積読もある。 そのままBOOKOFFに読まずに行った本もある。これでいいのだ。
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久々に、二段組みの分厚い本に挑戦。 「鎌倉殿の十三人」の記憶が新しいだけに、 鎌倉幕府と北条氏の末路を感慨深く思いながら読んだ。 むかし「太平記」を読んだはずなのだが、 足利尊氏の人となりについてはまったく覚えておらず、 こういう解釈もありうる人物なのか、と興味深かった。
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